2019年8月16日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面に掲載されたコラム「エネルギーバトル 再生エネの本流 3」の見出し「欧州、30年かけ革新育む」を拝読しました。
このコラム「エネルギーバトル」は、風力発電や太陽光発電などの再生エネルギーを巡る、中国や米国などでの実用化の実態のリポートです。日本での風力発電や太陽光発電などの再生エネルギー利用が遅れていることを、4回にわたって検証しています。
第三回目の同コラムの内容は、日本(日本企業)が欧州(欧州企業)の技術開発・事業開発の達成実績から学ぶことが多い内容です。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では、見出し「結ぶと巨大発電所 欧州、30年かけて革新育む」と報じています。
この記事は「北欧の国デンマーク。至るところで大きな風車が目につく」と始まります。デンマークでの風力発電は、今や同国の4割以上の電力をまかなう主力電源になっているそうです。
2050年までに、化石燃料による発電と決別し、再生可能エネルギーを大量導入する計画が進んでいます。ここまで来た実績をつくり上げた秘密を、日本は謙虚に学ぶ必要があります。
日本でも、最初は離島の発電用に、さらに海岸線や半島などに風力発電の風車などを設置しましたが、主力電源になっていません。
資源に乏しい欧州では、化石燃料の多くを輸入に頼り、ロシアなどからパイプラインでの天然ガスの供給に頼っています。この電力の自給率を高めるために、1980年代から再生エネルギーの技術開発に取り組みました。デンマークでは風力発電による発電量が天候に大きく左右されることから、首都コペンハーゲン市近郊の研究施設では「エレクトロライザー」という装置が働いています。この装置は、送電網で余った電力で、水を電気分解して水素ガスをつくり、水素ガスを蓄える装置です。
この蓄積した水素ガスを、電力は不足した時には、酸素ガスと反応させて電気をつくります(発電します)。この技術開発には、ドイツも参加しています。
電気を水素ガスとして蓄える技術開発は、デンマーク企業のエルステッドやフランス企業のエンジーなども事業化に乗り出しているそうです。
再生エネルギーを利用する工夫の一つは、いくつもの発電設備が「巨大な一つの発電所」であるかのように働く電力の融通網です。
ドイツ西部のケルン市の2009年に創業されたネクストクラフトベルケ社は約8000の発電施設を束ねて運用する“仮想発電所”大手です。合計700万キロワットの発電能力は、通常の原子力発電所7基分に相当します。
EUの欧州全域で電力をうまく融通し始めているため、再生エネルギーのシェアは3割を超えています。
こうした実績の中身を、日本・日本企業は、欧州・欧州企業から学ぶべきことです。日本はできていないからです。
ただし、2022年までに脱原子力発電を目指すドイツは、残念ながら石炭火力への依存が4割あります。ここを再生エネルギーで賄う技術開発・事業化を進めています。
ここにも日本は学ぶことがあります。事業化が進んだやり方を学ぶ必要があります。
以下は、個人的な感想です。あまり技術面での根拠の無いことですが、デンマークで進められている電気を水素ガスとして蓄える技術開発にはやや疑問があります。ここは蓄電池利用の方が危険が少ないと感じています。
日本は、リチウムイオン電池などの技術開発・事業化ではまだ先行しています(たぶん)。欧州の“仮想発電所”での、余剰電力蓄積には、日本の電池技術が役立つ可能性があります。ここに日本(日本企業)が参加する余地があります。
日本の強みを活かして、太陽光発電や風力発電などの事業化が遅れている局面を、欧州や米国などと相互に打開できると、日本にも活路が開けるような気がしています。
このコラム「エネルギーバトル」は、風力発電や太陽光発電などの再生エネルギーを巡る、中国や米国などでの実用化の実態のリポートです。日本での風力発電や太陽光発電などの再生エネルギー利用が遅れていることを、4回にわたって検証しています。
第三回目の同コラムの内容は、日本(日本企業)が欧州(欧州企業)の技術開発・事業開発の達成実績から学ぶことが多い内容です。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では、見出し「結ぶと巨大発電所 欧州、30年かけて革新育む」と報じています。
この記事は「北欧の国デンマーク。至るところで大きな風車が目につく」と始まります。デンマークでの風力発電は、今や同国の4割以上の電力をまかなう主力電源になっているそうです。
2050年までに、化石燃料による発電と決別し、再生可能エネルギーを大量導入する計画が進んでいます。ここまで来た実績をつくり上げた秘密を、日本は謙虚に学ぶ必要があります。
日本でも、最初は離島の発電用に、さらに海岸線や半島などに風力発電の風車などを設置しましたが、主力電源になっていません。
資源に乏しい欧州では、化石燃料の多くを輸入に頼り、ロシアなどからパイプラインでの天然ガスの供給に頼っています。この電力の自給率を高めるために、1980年代から再生エネルギーの技術開発に取り組みました。デンマークでは風力発電による発電量が天候に大きく左右されることから、首都コペンハーゲン市近郊の研究施設では「エレクトロライザー」という装置が働いています。この装置は、送電網で余った電力で、水を電気分解して水素ガスをつくり、水素ガスを蓄える装置です。
この蓄積した水素ガスを、電力は不足した時には、酸素ガスと反応させて電気をつくります(発電します)。この技術開発には、ドイツも参加しています。
電気を水素ガスとして蓄える技術開発は、デンマーク企業のエルステッドやフランス企業のエンジーなども事業化に乗り出しているそうです。
再生エネルギーを利用する工夫の一つは、いくつもの発電設備が「巨大な一つの発電所」であるかのように働く電力の融通網です。
ドイツ西部のケルン市の2009年に創業されたネクストクラフトベルケ社は約8000の発電施設を束ねて運用する“仮想発電所”大手です。合計700万キロワットの発電能力は、通常の原子力発電所7基分に相当します。
EUの欧州全域で電力をうまく融通し始めているため、再生エネルギーのシェアは3割を超えています。
こうした実績の中身を、日本・日本企業は、欧州・欧州企業から学ぶべきことです。日本はできていないからです。
ただし、2022年までに脱原子力発電を目指すドイツは、残念ながら石炭火力への依存が4割あります。ここを再生エネルギーで賄う技術開発・事業化を進めています。
ここにも日本は学ぶことがあります。事業化が進んだやり方を学ぶ必要があります。
以下は、個人的な感想です。あまり技術面での根拠の無いことですが、デンマークで進められている電気を水素ガスとして蓄える技術開発にはやや疑問があります。ここは蓄電池利用の方が危険が少ないと感じています。
日本は、リチウムイオン電池などの技術開発・事業化ではまだ先行しています(たぶん)。欧州の“仮想発電所”での、余剰電力蓄積には、日本の電池技術が役立つ可能性があります。ここに日本(日本企業)が参加する余地があります。
日本の強みを活かして、太陽光発電や風力発電などの事業化が遅れている局面を、欧州や米国などと相互に打開できると、日本にも活路が開けるような気がしています。