新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月19日 その2 日本代表対スコットランドのラグビー

2016-06-19 10:34:12 | コラム
負けた方が弱いのだろうが、下手ではないのでは:

昨夜、トヨタスタジアムで行われた日本代表対スコットランドのラグビーは手に汗握るほどではなかったが接戦で、それなりの緊張感があって興味深く観戦した。私は勝てるとは思っていなかったが、技術的には決して劣勢ではなく、あの程度の世界の強豪と良い試合が出来るようになってきた我が国のラグビーの水準の向上には、敬意を表したいと思う。先ずは興味を削がれた点を言っておきたい。

その最たるものがアナウンサーが喚く「リベンジ」だ。”revenge”には確かに復讐戦の意味はある。だが、あれは確か松坂大輔が言い出して以来カタカナ語好きのマスコミが飛びついたものであり、私の好むところではない。素直に「復讐戦」と何故言わないのだ。聞き辛いし、うるさい。

次が解説者なのか何だか正体不明の大畑大介。あれは完全に解説の域を逸脱した応援団の一員で「こちらのタックルが良かった」、「今のは良いプレーだった」、「惜しい」程度で収まったいる間は良かったが、後はほとんど彼自身が試合に溶け込んで一所懸命の応援をしているだけで、ラグビーを良く解らない視聴者には何が反則で何がどうなっているのかを全く知らせていなかった。ヴァレーボールの川合某と同様で、無意味な存在だ。

従って、何とか試合の流れを追っていこうとする私には雑音に過ぎず、何度か「消音」にして観戦した。私は既に指摘したように昨夜の何人かのW杯メンバーが欠けていても、我が代表の技術と熟練と体力の度合いは決してスコットランドに劣ってはおらず、ごく僅かの大きな試合慣れと体格の差があの得点差となって現れただけかと見ていた。特に松田が犯したインテンショナル・ノックオンなどはその僅かの差が、あの様なシンビンになってしまうような反則に現れたと見ている。

吉田義人だったかが、掌を上に向けておけば反則に取られなかっただろうと解説したが、寡聞にして私はそういうことは知らなかった。私はもう半歩出ていればインターセプション(「インターセプト」は動詞で文法的に不適切)になったと思ったが。

昨夜は外国人は4~5人ほど入っていたと見たが、矢張り彼らは持った球を全体にどうやって活かそうかと考える前に、勢いよく、自らの身体能力を活かそうと考えるのか、あるいはそういうラグビーしか知らないのか、突っ込んで行ってしまう傾向が止まっていなかった。それが良いのか悪いのかではなく、日本式ラグビーに本気で溶け込まそうと指導者が思うのならば、あの思考体系の改革に取り組む必要がある気がする。その自分が優先でテイームはその次という彼らの思考回路は、野球における南北のアメリカ人を見ていれば良く解る。

結論的なことを言えば、攻守走と蹴における僅かの差と、身体能力の違いのもたらす彼我の開きは、昨日の試合ではまた狭められてきたと見た。だが、実際の試合となってそれらの要素を総合すると、未だ全体の評価では昨夜の得点差となってしまうのだろう。それにつけても残念なのはサッカーの停滞である。あの有様では同じ蹴球でも総合的にはラグビーに劣る評価をせざるを得ない気がする。監督の選択が悪かったのかな。


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
前途多難です。 (kazk)
2016-06-19 17:05:58
昨日の試合、正直評価に困る試合なのです。

総評としてはブログ主様の仰る通りですが個々に見ていくと始末に困る問題が山積しています。この試合は基本的に日本の自滅です。相手に押され自陣内で反則を繰り返し、PGで点を失った上シンビン2枚を喰らい13対15で戦ってる最中に2T2C食らったというのがおおまかな流れです。シンビンがなければ13-12なのですからこれはこれで正しいのです。だから接戦かといえば正直唸ってしまいます。個々に言えばキックオフのボール処理や、反則に結びつく軽いプレーの問題など言いたいことは山々ありますが、問題は少し根深い所です。

勝負事は強いから勝つんじゃない、勝ったから強いんだというのが小生の信条ですが、この試合の最大の問題点は後半日本がシンビン明けに取れたのはPG1本だけという問題なのです。後半30分間以上全く点が取れていないという問題です。
通常これは両軍とも拙攻を繰り返し得点チャンスを潰したか、相手の防御網に嵌まりそれを失ったかのどちらかです。その意味では15人に戻ってからの防戦はまあ褒められてよいでしょう。しかし、まあ、間々あることといえばそうですが、これは基本的にラグビーの構造に反してることなのです。通常の試合は大体10T 前後の取り合いです。つまり7.8分に1回くらいの得点機会が訪れます。ボールポゼッションが大体1:2ですから前半には日本に2回スコットランドに4回位の得点機会がありました。両軍はこれを物にして前半が終了します。

ここまではまあ致し方ありません。
しかし後半はどうか?相変わらずボールポゼッションが高まらない、敵陣に言ってはターンオーバーを食らうこれでキックを上げられ、そのボールを失って危機の継続です。つまりまともな勝つためのゲームメイクができていないことです。こういう時には地域奪取ではなくボールの継続を目指し攻撃を繰り返さなければならず、さらに局面転換のために意表をつくようなムーブや、奇襲をかけねばならないのですが、それが全くできていないということです。つまりチームとして出来ていない、ということです。

聞けばこのメンバーの全体練習は4日間、HCがチームの全員をきちんと把握してるかも怪しいということらしい。これで、しかもWCのメンツのうち大駒を2.3枚欠いてる1.7軍状態で勝とうというのは少し甘すぎます。これは全て協会が悪いのですが正直聞いて呆れました。連中は3月までクラブのリーグ戦やプレイオフの合間に6ネーションズを戦い5月半ばにプレイオフを終わらせた後、満を持して代表招集、合宿をこなし遠征に来てます。即ちチームとしての成熟度が違うのです。

今回に関しては我チームは怪我人とかありましたが新規招集の連中との間での詰めが明らかに甘い点があります。これでよく13点差ですんだな、というのが小生の結論です。サンウルブスのキャンペーンでもそうですがこの辺りが本当に問題です。まあ個々の力ではそう捨てたものではないので、この1週間にどれだけ精度があげられるかにかかっています。しかしホームでなんでこんなことを心配せねばならんのか、正直理解に苦しみます。

昔ならこの時期までにはパシフィック・リムなどがあり、チームとして成熟度は上がってきてました。しかし、これがなくなり若手の強化以外に役立たぬアジアラグビーチャンピオンすップなどで日を過ごし肝心の強化はカナダ戦のみ、しかも若手強化の1.5軍、しかもHCも別じゃあ勝てる訳ありません。誤解のないように言っておきますが、個々の選手、コーチの能力に疑いは持っていません。きちんとやれば勝てる目はあります。しかし、・・・ここはホームなんだぞ!!!準備不足は理由にならないのです。

聞けば25日は天覧試合とか、小生の知る限り代表の対外試合が天覧試合になった例は知りません。(お忍びでご覧になったことはあるかもしれませんが…)これは戦前あたりの感覚ならば絶対に勝てということです。少なくともこういうチグハグな試合が絶対に無いようにだけは本当に望みたいと思ってます。

返信する

コメントを投稿