新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月18日 その2 IOCのBach会長は何をしに来たのか

2020-11-18 10:24:43 | コラム
このご時世にチャーター機でお出でになるとは:

お断りしておくが、私は白人崇拝でもないし、有り難いIOCを毎日遙か彼方の我が国から伏し拝んでいるいる訳でもない。あの組織は彼らの権威意識と優越感の象徴もようなものだとすら看做している。バッハ氏は14日間の隔離も免除されたようだが、その件に関する報道もなかったし、疑問を呈した報道機関もなかった。今時結構のご身分だと思って眺めていた。私は別にオリンピック排斥論者でもなんでもないし、競技の模様が中継放送されれば、毎回それなりに楽しんで見ている。

今回のように中国が責任を負うべき新型コロナウイルスの感染が世界中に蔓延し、1年間も延期されてはウイルスによる景気の低迷に苦しめられている我が国の経済的負担と言うよりも損失は莫大なものあり、その不況の影響は来年まで続くのは明らかだ。ウイルスの感染が来年の7月までに根絶やしに出来るという保証などは何処にもないと思う。その国難の最中にそれでなくても超多忙な菅総理の時間を割いてまでバッハ氏と会う必然性があるのかとすら、私は疑っていたし、一体全体会長様は何を仕上げる目的でお出でになったのかと、奇異の感に囚われていた。

いや、極端に言えば、会長様が国立競技場と選手村を視察されれば、ウイルスどもが恐縮して「何とか努力してオリンピックが開催可能になるように協力します」とでも言うのか。彼は高飛車に札幌に移動させたマラソン会場の視察には行ったのか。大体からして、我が国ではオリンピックを神聖化しすぎている。例えば、英語表記では“Olympic flame”に過ぎないものを「聖火」としたり、“Olympic village”が「選手村」になってしまうのだ。

昨夜の報道1930にリモート出演されたオリンピック招致の陰の権威者なのだろう順天堂大学客員教授の鈴木知幸氏は「訪日の目的は確固たる開催の意志を示すことによって、半数以上が降りてしまった我が国のスポンサー企業の方々に安心感を持って頂いて『来年も継続してご援助を宜しくお願いします』というのが大きな目的であろう」と解説された。誠に尤もだろうと思った。このウイルス不況下では、今年なスポンサー料が空振りに近く、来年は本当に開催可能かという疑問を誰しも持つだろうという時期である。効果が挙がるのか。

しかも、興味もない関係者でもない私ですら、1年の延期では組織委員会でも何処でも資金難に陥っていても不思議ではないと見るし、そこに無観客を始めとして入場者の制限が検討されては入場料収入も望めなくなるのだ。組織委員会等々の関連団体の人件費だって生易しい金額ではあるまい。今年に使えるようにと作り上げてしまった施設の維持費の負担も大きいだろう。その時期にあって、会長様はワクチンの料金はIOCが負担するという有り難いお言葉を残された。彼は弁護士だと聞いたが、経済的なことは頬かむりする気としか見えない。

菅首相、森組織委員会長、山下JOC会長、橋本聖子元スケート選手にして大臣、宜しくお頼みしますよ。貴方方が使おうとしているのはスポンサー料もありますが、税金なんですよ。



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