新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

モデルナ社って何の事

2020-11-18 09:35:01 | コラム
モデルナ社って何だ:

このアメリカの新薬開発の会社がCOVID-19用のワクチンを仕上げて、治験も順調に進んでいると報じられ、我が国は大量の供給を受ける契約が成立していると報じられた。ある程度まで結構なことだと歓迎はする。別途採り上げようと思っている押っ取り刀でチャーター機で乗り込んでこられたIOCのバッハ(余計なことだが英語読みすれば「バック」だが)会長にも、さぞかし朗報だっただろう。

だが、カタカナ語排斥論者の私にとっては、このアメリカの会社名が「モデルナ」となっていることが、何としても腑に落ちなかった。どう考えても「モデルナ」となるような綴りが思い当たらなかったのだから。そこで思い当たったのが、これまでに我が国に良くあるカタカナ語の製造業者が“r”を「ル」と表記してしまう「インチキ表示」だった。手頃な例には、アメリカには“Morgan”という銀行があるが、これのカタカナ表記が「モルガン」なのだ。私が知る限りのアメリカ人で、これを「モルガン」と発音する者はいない。

序でにもう一つ見近ではない例を挙げておくと、嘗てと敢えて言うが、日本製紙と我が社がアメリカはワシントン州にNORTH PACIFIC PAPER COMPANY(略称“NORPAC”)という合弁会社を持っていた。この略称は何処からどう読んでも「ノーパック」なのだが、何時の間にやら誰がそう言い出したかも分からないままに「ノルパック」に成り果ててしまった。モルガン銀行と同じ手口である。この会社の発足当時に我が社には、Morganという上席副社長がいたが「ミスター・モルガン」と呼びかけた者などいなかった。不思議であり奇っ怪な読み方ではないか。

そこで「モデルナ社」である。私は“Moderna”だろうと確信していたが、テレビのニュースの画に出た社名もそういう表記だった。それに意を強うして検索をかけてみた。分かったことは、この会社はマサチューセッツ州ケンブリッジにある“Moderna Inc,”だと確認できた。私はこの社名を如何なる事があっても「モデルナ」と発音するアメリカ人はいないと固く信じている。腹立たしいのは何処かの誰かが、先方様に確認することもなく「マダーナ・インク」を勝手に「モデルナ」にしてしまったのだろう。第一、modernと書いて「モデルン」と言うか!

腹立たしいことは「何の理由があって言語と異なるカタカナ表記をするのか」という点と「本当の英語の発音を何故無視するのか」ということだ。一つだけ留保条件をつければ「もしもこの会社には南アメリカかスペイン系の創設者がいて『モデルナ』と読め」と言っている場合もあるかということ。もう一つ困ったことだと言いたいのは「余所の国の会社名を勝手におかしなカタカナ表記をするのは失礼ではないか」ということ。最悪でも「モダーナ社」だろう。言いたくはないが、一々こんな事で腹を立てている方も疲れるがね。




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