新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

UKがEU離脱を決定すると

2016-06-27 07:12:52 | コラム
EU離脱の決定には悪いことしかないのか:

23日のUKの国民投票の結果が判明して以降、我が国ではマスコミ自体と政府関係者、有識者、専門家、評論家がこの問題を採り上げて深刻且つ真剣に論じてきた。言うなればメデイア揃い踏み状態だ。勿論、このような世界を揺るがすような大きな問題というのか、事案というのか案件というのか知らないが、に関しては、ただ単に感性だけで論じる私には深いことは解らないので、それを一所懸命に拝聴し拝読してきた。

結果的に良く解らないままに解ったことは「UKの国民がEUを離脱と決めたことには何らの経済性も利点も強みもないことである」ようだった。そこで生じた疑問は「では世界で最も優れていて我が国の多くの方が尊敬した止まない紳士の国である英国(誤った表記だと思う、あれは英連合王国でありイングランドはその中の一つ)の過半数の国民が、そのような危険極まりないことに走ったのだろうか」ということ。私には良く解らなかった。少しは何らかの良い面か利点があるかないかを、私は知らせて欲しいのだが。

多くの所謂識者の方々が事が終わって言われたことが「予想していなかった」であるとか「英国民の良識に期待していた」という類いの反省の弁に近いことが多かった。私は彼らがUKの多くの下層の国民が他のEU圏内やイスラム教国等から多くの移民と難民が移住乃至は流入し、下層の職を奪ってしまったことをご承知でないはずはないと思った。それを知っておられれば、アメリカで誰が何の理由でトランプ氏を支持したかを、何故お考えにならなかったのかと不思議に感じた。

惑わせられ、迷わせられるのは罪なき一般大衆である。事が終わってから反省の弁を述べられても困るだろう。UKの国民投票の結果の負の影響と思われることが既にスコットランドでも起きているし、EU圏内にも「うちも離脱するか?」と検討を始めた国もあると報じられている。私はこういうマスコミ報道に感謝している。それは、あの結果がそこまで影響するのだと知ることが出来たからである。マスコミ報道にも偶には役に立つものもあったなどと言えば怒られるかな。

余談だが、2番目の文節に「何らの経済性も利点も強みもないこと」としたのは、本来カタカナ語であればここで「何のメリットもない」となるのだが、”merit”にはそういう意味はないので、典型的な「言葉の誤用」であり、私は使わないし、使いたくなかったのである。”merit”をOxfordで見れば”the quality of being good and of deserving praise, reward or admiration”があり、2番目に”a good feature that deserves praise, reward or admiration”とある。この何処にカタカナ語の「メリット」の意味があるのか。これは「経済性」か「優位性」か「価値」の意味で使われている。我が国の先人は何処で解釈を誤ったのだろう。


コメントを投稿