新宿少数民族の声

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9月3日 その2 「自然災害が止まらない」を一カ所訂正します

2024-09-03 14:23:17 | コラム
中央に防災・損害対策担当組織が可及的速やかに必要では:

能登半島地震発生後の救護に派遣された自衛隊が、8ヶ月の駐留を終えて撤退したと報じられた。「大変ご苦労様でした。貴方方の大いなる貢献にはどれほど敬意を表しても足りません」と賞賛したい。だが、この種の派遣にはこれまでに何度か「自衛隊の目的外使用に当たるのではないか」と指摘してきたし、そういう指摘をされた専門家もおられる。

現在、我が国が直面する国際情勢下では「何時、自衛隊による対応が必要になるか見通せない時期に、災害派遣で延べ113万人が8ヶ月も従事していたのだ。領海や領空侵犯を敢えてする隣国もある事態である」のにも拘わらず。

能登半島地震の災害からの復旧・復興も未だしの時期にあって、観測史上初という豪雨や超大型台風によって新たな災害が方々に発生している。その時にあって避難所も満足に設置できていない。被災者のご苦労のほどは察するに余りある。石破茂総裁選立候補者は「災害対策省」の設置は焦眉の急であると主張するが「屋上屋を架す」ので不要と否定する候補者もいる。


イタリアには何年も前に言わば「防災対策省」が設けられていて、仮設トイレ数十基が数時間内に輸送されてきた事があったという。台湾では花蓮の地震後に3時間で見事な避難所が開設されたとテレビが報じていた。我が国では未だに公民館や学校の体育館に雑居状態しか出来ない状態。自然災害が何時何処にどれほどの規模で襲ってくるかの予測は出来ないのは解るが、避難所用の適切な場所・資材・食料の準備等はできるのではないのか。

中央には未だにこれらの対策を主管する組織が出来ていないようなのである。確か、官邸内には「災害対策本部」は敏速に設けられているが、それは全担当官庁に対して横断的に指揮命令する現場担当の期間ではないようなのだ。だから、大災害が発生した地方の自治体が「自衛隊の災害派遣」を要請する事態になっているようだ。防災と災害対策の司令塔が用意されていれば、より速やかに対処できると思うのだ。


当方のような一市民の部外者が云々することでもないだろうが、矢張り「中心となって防災から災害までの救済を主管する組織が中央にあった方が良いのではないか」と見えるのだ。大雑把のことを言えば「何時何処で大規模災害が発生しても、『対策省』によって直ちに対策が講じられるような食料や資材を準備してある基地を、北は北海道から南は沖縄までに中心になる都市を定めて、備蓄しておくこととそれ用に予算を取っておくこと」は可能なのではないだろうか。

被災地で倒壊した建物や住宅の後始末が能登半島では未だに進んでいないと報じられている。ボランティア活動に依存していれば、無理からぬ事態と見える。今や、我が国では明らかに人手不足である。その時期にあって都心では超高層建築が無数に進行し、再開発を企図する不動産会社も見かける。これでは建築用の人材も資材も不足する訳だ。

政府にそこまで統制せよとは言えないが、業者にも「災害地への対応も考慮できないのか」と問いかけてみたくなる。この辺りは政所管の官庁が真剣に検討し、国会議員が地元の問題として捉えて、対策を考えるべき案件ではないのか。

私自身が被害者ではないので、各地で被害を受けて家を失った方や田畑が流されて呆然としておられる方々を見れば「お気の毒だ」としか言えないもどかしさがある。中央には防災と自衛隊に依存せず災害対策を担当して、具体的に中心となる本部が可及的速やかに設けられた方が良いのではと思えてならない。


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