新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

病院、医院、クリニックの経営難

2020-05-28 10:32:04 | コラム
苦境に立たされているかとは想像していたが:

昨27日のTBSの「報道1930」の「緊急事態宣言の解除でも病院に迫る6月危機」は、私から見れば好企画だった。それは、今月は22日に東京山手メデイカルセンター、25と26日には国立国際医療研究センター病院に通ったので、この大病院の中が如何に閑散としているかを目の当たりにしてきたので「こんな状態で良いのかな」くらいのことは考えていた。また、何処のテレビで観たかは記憶もないが、所謂専門家の方が「現在までの所では経営状態が芳しくない病院がかなり多くある」と指摘したのが印象に残っていた。

実際に25日には国立の採血室では私が取った番号は、既に採血が終わっているようになっているほど、患者が少なかった。26日は会計が閑散としていて会計票を提出すると「自動支払機で準備が出来ていますから」と言われて、待ち時間がなしで支払いが終わってしまったほど来院者が少なかった。流石に勘が鈍い私ですら「これはただ事ではないのかも」と痛感させられた。平時ならば自動支払機の順番待ちには20~30分を要するこの病院でこの状態では、他の病院はどうかと思いやられた。

報道1930での解説を聞いていると、正確に記憶していないが病院経営協会だったかの会長の井口氏は「コロナウイルスの患者を受け入れた病院も、受け入れていない病院も来院する患者が激減して4月から赤字経営となり、5月も同様な状況なので、このままに推移すれば6月には本格的な経営の危機が襲ってくる危険性が高い」と述べておられた。この経営の問題は何も大病院だけのことではなく、リモート出演された個人の開業医の先生も「患者は60%ほどの減少だし、アルコールの在庫も後何日分かしかないというような経営は危険水域」と慨嘆しておられた。

私は既に採り上げたことだが、32年間の掛かりつけのクリニックでは女性の医療事務員3名と看護師さん1人が「いつ何時ウイルスに感染した患者さんが来るかも知れない危険性」を理由に4月上旬で一斉に退職され、S医師が一人で大奮闘というか大苦戦で一人で切り回しておられる。この事態が示すことは、大病院であれ開業の医師のクリニックであれ、一般の人には「病院等は新型コロナウイルスがそこいら中に飛び交っている危険な場所とでも思い込まれていること」だと思う。私にはこのクリニックも大病院も恙無く診療を続けて頂きたいと心から願うものだ。

ところで、総額118兆円だったかの第2次補正予算を見ると、医療従事者に20万円を支給するとあった。この予算そのものは結構だと思う。だが、これだけでは焦眉の急となってきつつある病院の経営の危機の救済策にはならないと思う。以前にも専門家会議には属しておられないお医者様が病院と個人の開業医の先生方の経営悪化問題を採り上げて「第1次の補正予算の中のような少額ではなくもっと思い切った救済策を講じて貰わないことには医療は崩壊してしまうかも」と痛烈に訴えておられた。

私には2次補正の細目など解らないが、安倍内閣が新型コロナウイルスを世界が不思議がるほど見事に抑え切れたのが医療従事者の功績であると称えられるのであれば、財務省が何と言おうと医療機関の赤字補填のみならず、マスクは兎も角必需品の医療器具やアルコール等を診察や手術が遅滞することがないように生産させるか、中国からでも何処からでも手配して、お医者様たちが危機を訴えることなどないように気配りをすべきではないのか。大蔵省出身の加藤勝信厚労相には、それくらいの手当てをしてもバチは当たらないと思うが、如何か。

マスメディアにしたところで、私がここでいくら喚いても、相も変わらず毎日毎晩「何処の飲み屋が解除されて喜んでいるとか、有名なレストランがお持ち帰りの営業を開始しても、宣言前の1割ほどの売り上げにしかならずに苦労している」という質の低い情緒タップリの感情論ばかりを流している。偶には松原耕二に倣って「我々が杖とも柱とも頼りにしている病院が経営難に喘いでおられるのをお救いしよう」というニュースでも流したらどうだ。クラウドファンディングでライブハウスが危機を脱したなどと、嬉しそうに報道するなという意味だ。見ている方向が違うだろう。



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