本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

小説036 : reProfesional#108

2008-10-27 01:39:48 | reProfesional
chater#36 夜の果実

夜寝る前に、空腹を感じたなら、果実を食べるといいらしい。
その果実もわざわざ山に行って、よなよな肌が凍える中取りに行くほど、ボクは気力もないし、果実に求めるのは、一時的空腹を満たしてくれる類のものであったり、ただ何かを食べたいという欲求を満たしてくれるものであればいい。

果実は熟れすぎていないほうがいいし、おいしいほうがいい。美しい造詣を保っているほうがなおいい。ただ硬い柿のような果実ではなく、マンゴーのように躍動的なものであったり、苺のように淫靡なイメージのものがいい。
快感を与え、それに加えて、身体に、精神に潤いを与えてくれる類のものであれば、よりいいし。健康という秩序に整合性を与えてくれるものであれば、それはすばらしい。

また、僕のや若くなった頭脳を、精神をガチガチに硬直させ、自信を取り戻してくれたり、疲れを取り戻してくれ、幸福感に満たしてくれるなら、その果実はまさに媚薬であろう。

忘我のことをエクスタシーとも言うらしい。
ボクは夜になると、いや果物をみるとぜひ食べてみたいと思う。とくに空腹でもないのに、食べてみたくなることも多々ある。
なぜ、ボクは果実を之ほどまでに食べたいと思うのだろうか。
ただおいしいとか、食べたいとか、空腹であるという以前に、そのマグマのように放出する熱気を放つ、果実が魅力的であるとか、ただ鼻を近づけ、その芳香を独り占めしたいという以前に、おそらく果物を食すということ、それを愛撫するということに快楽があるということを本能的に知っているがゆえに、ボクはそれがいとおしくすきなのだろう。

ふれる喜び、舌にからみつく甘美な味。
ただそれに出会うことの喜び。



たいして、人生において、果物をたべるということが、大きな意味を持つわけでもないだろうに、どうしても魅力を感じさせる。

娼婦の喜び。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする