昨日(13日)は、広報を担当する(社)静岡県ニュービジネス協議会の仕事で、浜松の『森上ヨーガ専門スタジオ』を訪問。企業家のためのリラックスヨーガというのを体験取材しました。
肩こりや首こりによる慢性的な偏頭痛に加え、GWに坐禅をして以来、背中と腰の痛みが引かず、上半身硬直状態だった私は、取材というよりも、とにかくコリをほぐしたい、癒されたい、の一心。講師の森上雅子先生は、ヨガ歴30年のベテランで、インド、イギリス、オーストラリア等で本格的に修業をされた方。先月、佐鳴湖近くの大平台にオープンさせたばかりの専門スタジオでは、ギターの生演奏とヨガを組み合わせた特別講座を企画し、大好評だったそうです。確かに、全身に響き渡る生演奏なら、効果も倍増…かもしれませんね。
私はヨガはまったくの初体験。先生から「呼吸・体操・瞑想がヨガの3大要素です」と言われ、腹式呼吸を教わりましたが、これが、体操と一緒にはなかなかできません。背筋や首筋も、ふだん、意識して伸ばすことをしていないので、意識しずぎて緊張し、アタマが重くなってきます。5分程度の瞑想の時間では、仰向けの楽な状態になるのですが、そのままいきなりイビキをかいて寝始める社長さんもいました。すぐに寝られる人、身体がほぐれる人って、ほんと、ウラヤマシイ…。ヨガをしながらも、いちいち意識過剰になり、緊張で頭痛がしてくる自分の神経のもろさをつくづく感じました。
森上先生の印象は、一口で言えば、由美かおるみたいな人。30年もヨガ修業をされたのなら、相応のお年だと思いますが、小柄でしなやかで、プロポーションは10~20代なみの美しさ。腹式呼吸の賜物か、声にハリがあって、スタジオ中によく響きます。
京都の禅寺で、修行僧たちがお経を読誦するときも、お腹からしっかり声が出ているせいか、本当によく通ります。彼らの姿勢は実に美しい。私が坐禅をした位置の向かい側に、アメリカ人修行僧が座っていて、その背後の窓に、鮮やかな新緑の木々が風に揺れていました。輝くグリーンのカーテンをバックに、黒衣の白人僧が瞑想するその姿は、絵巻のように美しかった。私なぞ、お経もお腹から声を出すことができず、口先だけで唱えるので、途中で何度も息切れし、声がかすれ、咳き込んでしまいます。何事も、肉体を鍛えないことには身に着かない、と痛感しました。
今朝(14日)、朝一番で、青島酒造の瓶詰めの撮影に行きました。蔵元杜氏の青島孝さんや片腕の原田さん、片山さんら蔵人が、仕込み中と変わらない、折り目正しい立ち居姿で、キビキビと作業しています。瓶詰め作業は、多くの蔵ではパート社員に任せていて、青島さんのように、杜氏自ら、火入れの温度を0.1度単位で管理調整している蔵は少ないと思います。「これも大事な酒造工程の一つですから」と青島さんはシンプルに語ります。
朝方まで降っていた雨が止み、ガラス窓が明るい空の色を映し出しています。その光に向けて、酒を詰める直前の一升瓶をかざし、1本1本、瓶に汚れやキズがないか目視で確認する姿が、修行僧の背筋の通った立ち居姿に重なってみえました。
美しい酒、美しいプロポーションは、まずは姿勢から生まれるもの。映像もまたしかり。カメラの向こう側だけでなく、こちら側にいる人間も、まっすぐな気持ちが、自然に姿勢に現れるような修業を、まだまだ重ねていかねば、と思います。腹式呼吸、早くマスターしなければ…!