杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

モノづくりへのシンパシー

2010-07-10 10:41:11 | アート・文化

 昨日(9日)は静岡グランドホテル中島屋で開かれた静清地域地下水利用対策協議会という団体の年次総会にお招きいただき、『吟醸王国しずおか』パイロット版の試写を行いました。静岡のおいしい水と地酒は切っても切れない関Imgp2708 係ということで、このブログや吟醸王国HPで映画制作のことを知った事務局(静岡市環境保全課)担当者が、オファーをくださったのでした。

 

 

 吟醸王国しずおかでは静岡・清水地区の酒蔵を取り上げていないので、いささかバツが悪かったのですが、映像に登場する志太地域の酒造りは、その昔、志太杜氏という地元の職人集団に支えられ、最後の志太杜氏は、安倍川と藁科川の分岐点に立つ静岡市の満寿一酒造さんに勤め、今は蔵元専務が志太杜氏の伝統を受け継いでいる、と、地元にからめた話題を必死に展開したところ、終了後に当の増寿一・増井専務に「スズキ先生、なかなかいい映像でしたよ」と声をかけられびっくり赤面! 満寿一さんがこの協議会のメンバーだとは知らなかったのですが、考えてみれば酒造会社って地下水利用の最たる事業者なんだから、いて当然ですよね(苦笑)。

・・・なんだかんだ適当なことを言っても、結局は志太の酒蔵のPRだと思われたでしょうし、気分を害されたかもしれません。それでも、映像に登場しない蔵元にまあまあの反応をもらえてホッとしました。同じ酒の造り手として、多少はシンパシーを感じていただけたのでしょうか…。

 

 

 総会が終わったのが16時。その足で、松坂屋静岡店で開催中の『LIVE LOVE LABO展』を観に行ったら、染色画家の松井妙子先生に偶然お会いしました。先生はこのブログでも再三紹介しているとおり、松坂屋で毎年GW明けに個展を開く人気作家。プライベートでもよく買い物にいらっしゃいます。

 昨年の『LIVE LOVE LABO展』では、これも当ブログでお馴染み・家具デザイナー野木村敦史さんの手作りチェアを偶然見つけ、お買い上げ。後で私とつながっていることを知って盛り上がったのでした。今回も「家にはモノが多すぎて整理しなきゃならないんだけど・・・」と躊躇されながらも、展示品ひとつひとつに目を輝かされ、「この展示会は若い作家さんたちの誠実な仕事ぶりが伝わってくる」と称賛されていました。

 

 

 今回、松井先生は、家具・玩具職人久留聡さんの、クジラの形の手作りカッティングボード(卓上まな板)をセレクト。久留さんが生みだす、魚や鳥など動物をモチーフにした愛らしい木工品は、松井先生が染色で描くフクロウ、カワセミ、クジラ、ナマズなどお馴染みのキャラにつうじる、いのちあるものへの慈愛に満ち溢れています。久留さんの作品にはごく自然にシンパシーを感じられているようでした。

 

 

Imgp2710  これは以前、久留さんが吟醸王国しずおか映像製作委員会のオリジナルグッズとして特別に作ってくれたキーホルダー。右から、映画の小道具、杜氏の『杜』の字、酒米の『米』の字、酒瓶と猪口・・・粋でしょう? 地元の心ある家具職人たちが、こんなカタチで映画作りを一緒に盛り上げてくれたら素敵だなってホントに思います。

 

 

 

 20日まで松坂屋静岡店新館5階展示場で開催中の『LIVE LOVE LABO展』、野木村さんの新作チェアや久留さんのキーホルダー(酒がらみのデザインはありませんが)も展示即売されていますので、ぜひご覧くださいね。