杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

静岡観光コンベンション協会交流会の地酒ブース

2010-07-14 18:02:28 | 吟醸王国しずおか

 12日(月)は静岡駅前葵タワー4階のグランディエールブケトーカイで開かれた(財)静岡観光コンベンション協会賛助会員の集いに、昨年に引き続いて参加しました。

 

 昨年は記念講演会の席で『吟醸王国しずおかパイロット版』を上映していただき、映像に登場する青島孝さん(喜久醉蔵元)、松下明弘さん(酒米農家)と私の鼎談をご披露しました(こちらをご参照を)。講演の後の交流会で地酒ブースを設けたところ、会員のみなさんにとても喜んでいただき、2年連続でお声かけをいただいた次第です。

 

 

Imgp2712  今回は交流会での地酒ブースのみですが、「映画制作の宣伝を大いになさってください」と有難いオファーを頂戴し、吟醸王国しずおか映像製作委員会斗瓶会員の神田えり子さん、櫻井美佳さんに地酒コンシェルジュをお願いしました。2人とも天気が悪いのに着物姿でバッチリ決めてくれました。

 

 

 参加者は県中部地区の観光関連事業者や行政の観光セクションの方々。静岡の地酒が美味しいことは“地元の常識”としてご存知の方ばかりです。といっても、地酒まつりに参加するほどのマニアではない。ふだん飲む酒はレギュラークラスでも、仕事では吟醸以上のクラスを飲む。・・・こういうお客様に十分な満足感と新鮮な驚きを同時に与えるのが、今回の使命だと考えました。

 映画のプレゼンも、パイロット版映像を観てもらえない以上は、酒の味を通して感動し理解してもらうしかない。斗瓶会員の篠田酒店さんとラインナップを吟味し、純米大吟醸クラスを8銘柄、誉富士や生原酒等の特別仕様酒4銘柄を並べ、神田さん、櫻井さんには事前に全銘柄を試飲してもらい、セールストークを考えてもらいました。

 

 

 私はいつもの“女性に喩える作戦”で、「この酒はすっぴん美人」「こっちはミスコン仕様のパーフェクト美女」「そっちは人生の機微を経た熟女」な~んて表現で楽しんでもらいました。

 

 

 

 Imgp2720 ブースには、思った以上に女性のお客様が集まり、熱心に利き酒してくれました。総会を取材に来ていた読売新聞の女性記者が、女性客にお酒を勧める神田さんや櫻井さんの姿を見て、「ここをメインに取り上げたい」と写真を何枚も撮ってくれました(本日14日付読売新聞朝刊に掲載)。

 日本酒と女性という組み合わせは、フォトジェニック的にも見栄えがあるし、2人に着物で来てもらったのは大成功! 

 

 

 Imgp2718 昨年は時間の都合でほとんど試飲できなかった小嶋市長も、今回は最初から最後まで会場にいらして、地酒ブースにちょくちょく顔を出してくれました。

 

 

 

 準備に手間がかかったにしては、映画の宣伝があまり出来ず、募金箱には1000円札1枚だけ…。それでも「交流会の地酒ブースはよかった」「いい酒がそろっていた」という満足感を持ちかえってもらうことが、回り回って映画作りの糧になるんですね。

 

 それは観光事業にもいえることで、観光客にとって旅先の細かな出来事や情報は記憶から消えたとしても、「楽しかった」といういいイメージが何年経っても残るという、そんなホスピタリティが大切なんでしょう。

 それはスペシャルなおもてなしというよりも、この地酒ブースでいえば、着物姿の2人が笑顔を絶やさず丁寧に接客したこと、いざという時は私みたいなウンチク屋が判りやすい解説をすること、そしてなにより当の地酒が、非の打ちどころのない味であること・・・そんな基本中の基本をきちんと押さえることではないのかなと思います。

 

 

 ブースに来てくださった方の中には、パイロット版を観たい、うちでも何か企画したいと言ってくれる旅館オーナーや旅行会社さんがいました。こういう酒縁を大切に活かしていきたいと思います。

 貴重な機会を2度もくださった観光コンベンション協会の皆さま、本当にありがとうございました。