杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

リアルに感動!リアル酒場吟醸伝

2012-01-30 19:36:34 | しずおか地酒研究会

 1月28日(土)はしずおか地酒研究会の新年会を兼ねた『しずおか地酒サロン~リアル酒場しずおか吟醸伝』を開催しました。長年の地酒取材で出会った私の大好きな人たちが集まってくれて、会話の途切れない、本当に楽しい酒宴でした。

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 この日のメンバーでトピックスだったのが、羽田エクセルホテル東急の総支配人・吉岡慎一さんと、料理長の中島俊一さん。浜松出身の吉岡さんは静岡酒に造詣が深くて、ホテルでも静岡酒を扱ってくださったり、2009年秋には航空会社関係者等を集めて吟醸王国しずおかパイロット版試写会を開いてくださいました(こちらを参照)。会の様子は静岡新聞2009年10月10日付け朝刊にも紹介していただきました。

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 このホテルは場所柄、航空便で全国の新鮮食材が日本で一番早く(築地や大田市場よりも早く)入荷できるので、食材にはホント、定評があったのですが、今回、「静岡県の食材にも力を入れていきたいので、リサーチを兼ねて行きます」とおっしゃってくださったのです。

 

 

 そこで、私が日頃お世話になっている県やJA静岡経済連の流通担当者から情報をかき集め、18日に上京した際に資料をお渡しし、28日は14時に静岡入りしたお2人を、JA静岡市ファーマーズマーケット南部じまん市&北部じまん市、新静岡セノバ地下食品街、リアルフードマーケットあくつ、丸河屋酒店にご案内しました。

 浅間通り商店街にあImgp5531る「あくつ」の向いには静岡おでんで有名な「おがわ」が。思わず、一杯やっていきましょうとお誘いし、中島さんは黒はんぺんをしげしげと珍しそうに撮影していました。

 

 

 

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 伊太利亭で18時から始まった会では、県中小家畜研究センターが開発した「フジ小軍鶏」という小型鶏を試食できることになりました(こちらを参照)。地酒研メンバーでもある県経済産業部の岩澤敏幸さんのおかげです。本当にありがとうございます!

 

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 この軍鶏、小型で肉質の良い「遠州小軍鶏」と、秋田比内地鳥など有名地鶏にも使われる「ロードアイランドレッド」を交配させたもので、一般のブロイラーの2分の1ほどの大きさ(平均体重1.5キロ、正肉重量約600g)。

 家庭用のオーブンレンジに丸ごと入るサイズというのが“ウリ”で、ローストチキンやサムゲタンなど一羽丸ごと使う料理に最適。100日以上かけてじっくり育てるので旨み成分イノシン酸が多く、適度な歯ごたえもあり、保水性が高くて加熱してもジューシー感が残るという食質。昨年末の日経トレンディ誌にも紹介されました。これから静岡県の新銘柄地鶏として話題になると思いますので、ぜひご注目を!

 

 

 リアル酒場しずおか吟醸伝は、吟醸王国しずおかのHPにある会員メッセージコーナー「Web酒場しずおか吟醸伝」の寄稿者のオフ会、みたいな発想で企画したもので、いつ開催しようか主な関係者に打診し、調整に時間がかかり、案内が遅くなってしまいました。しかもメールソフトの不調で、案内を会員一斉送信で送れなくなったという不運が重なり、送信漏れのあった方がいたと思います。ブログで案内はしたものの、ご覧になっていない方も多いと思います。申し訳ありません。

 

 

 それでも、とにかく、Web酒場に投稿数が一番多い丸河屋酒店の河原崎吉博さん、しずおか地酒研究会発足のきっかけとなった1995年の静岡市立南部図書館食文化講座「静岡の酒」のプログラムにメッセージを寄稿してくださり、Web酒場のほうにも寄稿してくださったフリーアナウンサー國本良博さん。この2人には必ず来てもらいたいと思って、2人の都合の合うこの日に開催を決めました。

 

 河原崎さん、最近の酒の会では定番スタイルらしく、エグザイル風衣装でバッチリ決めてきました。Imgp5544SBS学苑地酒講座の生徒さんたちがご覧になったら何ていうかしらん(笑)。この日の様子をさっそくブログにUPしてくれました。

 

 

 

 結果的に、羽田のお2人、岩澤さん、河原崎さん、國本さんに加え、曽根正弘さん(テレビ静岡前会長)、篠田和雄さん(篠田酒店)、小林稔和さん(静岡新聞社会部記者)、平野斗紀子さん(フリー編集者タマラプレス)、末永和代さん(NPO法人世界女性会議ネットワーク静岡・静岡県ニュービジネス協議会理事)、鈴木邦夫さん(静岡県立大学薬学部名誉教授)、望月静雄さん(茶道家)、岩倉みゆきさん(元祖梅にんにく・梅辰専務)、成岡正之さん(オフィスゾラ静岡)、松下明弘さん(稲作農家)、酒井信吾さん(酒井信吾建設設計事務所・変人の会主宰)という素晴らしいメンバーが集まってくれました。

 

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 そして伊太利亭の店主・圷さんが、フジ小軍鶏をはじめ、地元の旬の食材を日本酒に合うようにアレンジしてくれました。

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 曽根さんは「吟醸会員としてプロジェクトの行く末を見守る責任がある」と厳しくも温かいお言葉をくださいました。

 この後の2次会に、伝説の洋酒バー「ブルーラベル」にご案内くださって、メンバー大感激でした!

 

 

 

 

 こちらは静岡新聞先輩後輩のお2人。平野さんはご自身が編集した1998年発行のガイドブック『地酒をもう一杯』について、小林さんはご自身が執筆した201Imgp55411年1月の静岡新聞特集連載「静岡酵母25周年」について、しずおか地酒研究会の功績大だとリップサービスをしてくれましたが、私のような個人のライターが伝えられる情報量は、世の中の圧倒的なメディア情報の中では数本の“米の苗”みたいな存在です。それをこの2人が立派な稲に育て上げ、大きな和釜でふっくら美味しく炊きあげてくれたようなもの。本当に得難い存在です。

 

 

 

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 國本さんと成岡さんは、テレビ制作の裏話に熱がこもってました。

 この2人は、私の“苗”を米に実らせ、映像や音声という複雑で高性能な釜で美味しく炊きあげてくれます。

 

 

 

 

 

 「28日は都合がつかない」と直に返事をくれた人に、「今回の参加者は一期一会だと思うよ」と話したら、予定変更で来てくれたり、他の用事を早めに切り上げてきてくれた人もいました。

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 別の会を中座して、藤枝からわざわざ駆けつけてくれた松下さん。○○年モノの喜久醉松下米を提供してくれました。

 2次会の「ブルーラベル」では、「俺が憧れていた洋酒がすべて揃っている」と大感激してました。わざわざ時間を作って酒持参できてくれた人を、“手ぶら”で帰さずに済んでよかった(笑)。

 

 

 しずおか地酒研究会発足当時から参加し続けてくれる人、吟醸王国しずおか制作がご縁の人、ライター業務でお世話になった人・・・家族や会社の同僚のような深~い絆とはいえないけど、かといってネット上の名前しか知らない相手よりは距離が近い。でも「静岡酒」がなかったら、つながりようがなかった人たちーこれまで酒を通して知り合った人とは、何年経っても変わらない酒縁、経年とともに太くなったり細くなったりする酒縁、相手から断ち切られた酒縁、こちらから切った酒縁・・・縁にもいろいろなカタチがありました。

 私にとっては、地酒は、人との、社会とのつながりようを確認する“計器”のようなものかもしれません。

 

 そして、この日の夜、この場に集ってくれたこの人たちは、私に改めて酒縁の有難味をしみじみ味わせてくれました。マイナスにブレかかっていた“計器”も、見事、プラス満点になりました。本当にありがとうございました。