京成佐倉から二つほど東京へ戻ったユーカリが丘駅にいます。
ユーカリが丘駅から京成とは別の路線の電車が走っています。それがユーカリが丘線です。
総路線距離は約4.1㎞。駅数は6駅で、どこの駅も駅から駅の間は1㎞もありません。
この鉄道は案内軌条式旅客システム(AGT)と言います。
ゴム用タイヤで専用の通路を走行するシステムです。現在の日本ではここしかこのシステムはありません。
この駅の周辺では大きなホテルで誰でも食事ができます。
また、映画館やイオンもあり、施設も充実しています。
成田空港に行くために作ったようなところもあります。
この路線は「山万(やままん)」という株式会社が所有しています。
この会社は1951年に繊維問屋として始まり、1964年に東京に進出し横須賀の湘南アイランドを建設しました。
その後1982年にユーカリが丘に進出しました。
主に40階以上の建物を5棟建て、一般の住宅の建設にも多く携わっている老舗の企業です。
ユーカリが丘線を走っている車両自体がユニークです。
1000形電車が開業時の1982~1983年に9両(3両編成3本)導入され、40年近く過ぎたいまも使われています。
編成は3両編成で、この路線自体に車両は3編成しかありません。
建設以降、この3編成のみで事故を起こすこともなく今日まで走っています。
この電車は中に冷房は効いていないので、夏場はおしぼりが車内においてあり、誰でも利用できます。
上記の写真は車両基地での一枚です。
上の写真の様に標準的な鉄道車両より小さく、丸みを帯びた車体は愛きょうがあります。
ユーカリの新芽を餌にしているコアラにちなみ、「こあら号」という愛称が付けられている。
そんなユーカリが丘線ですが、利用者数をはじめとした売り上げはというと山万の経営も鉄道だけに限れば赤字のようです。
2017年度は鉄道事業の営業収益が約2億6170万円だったのに対し、営業費は約3億3288万円。
差し引き約7118万円の赤字でした。
しかし、山万はユーカリが丘線の廃止方針を打ち出してはいません。
同社の本業である不動産業の営業損益(2017年度)は10億559万円の黒字のようです。
比較的容易に鉄道の赤字を埋めることができています。
そもそも、ユーカリが丘線は交通の利便性を高めることでユーカリが丘の入居者増加につなげています。
つまり不動産業の収入を増やしているのだから、鉄道の赤字は必要経費と考えれば問題ないのでしょう。
そんなユーカリが丘線のお話は以上です。また次回をお楽しみに。