ななきたのご隠居~野崎 幸治

千葉市美浜区で行政書士をしています。
地元では「ななきた(磯辺7丁目北自治会)のご隠居」と言われています。

人魚の眠る家

2016年08月13日 | 読書

列島はすっかりお盆モードですね。

墓参りには行きましたか?

朝起きて仏教徒であることを思い出して花を買って出かけたなんていうのもいいのではないでしょうか。

都会をちょっと離れるとお盆の前日に墓を掃除して当日は朝から風呂に入ったりシャワーを浴びて下着を取り換えお寺に向かうなんて言う場所もあるようですよ。

お寺では提灯のローソクに火を入れてもらい自宅の仏壇に移します。

遠くからの親戚も集まり、先祖を供養して美味しいもの食べて日本のお盆が過ぎていくのです。

暑くて静かな日本の風物詩ですね。

 

パソコンを見ていたら頼みもしないのにアマゾンから野崎さんにお奨め「人魚の眠る家」とメールに入っていたので暇なので買ってみました。

今回の東野作品は、脳死判定、死の意義、臓器移植など今までとは違ったテーマです。

プールの事故で脳死状態になった娘の介護、それを通じて日本の法律の未熟さなど例によってよく調べて書かれています。

本のカバーに書かれている「父は妻と娘のために自ら進める科学技術を娘に施すことを考える。その試みに抜擢された若き技術者は美しい母親の助けになろうとするが、いつしか使命感以外の気持ちに突き動かされていくー。」

愛を生むのは、悲劇か奇跡か。

でもこれは付け足しみたいなもので全く恋愛ものではありません。

プロローグに少年が出てきます。しかし本編には全く登場しません。忘れているとエピローグにしっかり出てきてそういうことかと思います。上手です。

 

ちょうどお盆です。今まで我々が元気に生きていることがどんなに素晴らしいことかビールなど飲みながら軽く考えてみたいと思いました。

 

 

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手紙

2016年04月21日 | 読書

先日飲み会の席で知人に東野圭吾が好きだったら「手紙」という小説,まだ読んでいなかったらぜひ読んでみたらと言われました。

翌朝起きて酔っぱらって聞いていたので「日記」だったか「手紙」かと思ってアマゾンで検索してみました。

東野圭吾はいろんな文学賞を取っていますがこれは何も取っていなかったので(直木賞候補)見逃していました。

強盗殺人の罪で服役中の兄とその弟との手紙のやり取りに関連した物語です。

兄弟が不幸な生い立ちから絆が特に強かったのです。

が兄の事件後には弟は次から次へと世間から冷たい仕打ちを受けます。

しかし兄は刑務所の中で時間が止まったような状態ですので、のんきな手紙に弟はイライラします。

「自分(弟)の現在の苦境は、剛志(兄)が犯した罪に対する形の一部なのだ」犯罪者は自分の家族の社会性をも殺す覚悟を持たなければならない。

そのことを示すためにも差別は必要なのだ。未だかつてそんな考えに触れたことさえなかった。自分が白い目で見られるのは、周りの人間が未熟のせいだと決めてかかっていた。

これは理不尽の事だと運命を呪い続けていた。それは甘えだったのかもしれない。差別はなくならない」

ある意味で罪を犯したものより残された家族に過酷な運命が待っています。

しかしこの小説の結末に兄弟が刑務所内の施設で再開します。(弟が犯罪者になった訳ではありません)

ここが結構泣かせます。

ご隠居も罪を犯してしまった人と接する機会も多いのですが考えさせられます。

宮部みゆきの模倣犯。長い小説です。

ご隠居と宮部みゆきさんは同じ高校で、それがどうしたといわれればそれだけなんですけど新刊が出るとよく買ってきました。

しかし最近は目もきつくなり宮部みゆきが新刊を出したといっても長編だろうなと二の足を踏んでしまいます。

さてこの「模倣犯」では孫娘が誘拐されてしまって祖父が東奔西走して探し回ります。

そんな中で警察、マスコミ、近所等々の対応に苦慮します。犯罪に巻き込まれる辛さを感じます。

そして犯罪を一つ起すと犯罪者はもちろんの事、その家族、そして被害者、その家族みんなを巻き込んで平穏な日常から地獄に落ちたようになります。

 

ご隠居もたまに研修やその他の用事で刑務所に行くことがあります。

「塀の中」言われますが高い塀に囲まれた刑務所です。

入口から二重扉になっていて二つ目の扉をガッチャと閉めると刑務所内です。同じ青空でも中に入るとピーンと張りつめた空気のような気がします。

特に冬などは葉を落とした枯木に北風があたって寒々としています。外でも同じですが特に感じます。

すぐ隣の場所に行くにも点呼をとって足並みそろえて号令をかけて移動します。

昼間は誰もいない居室(監房)ではきちんと布団がたたまれています。きれいに磨いてある浴室。

でもなんなんだろうこの空気と臭いはと思います。

食事はもちろん受刑者が作ります。材料費は3食で500円程度。約4000カロリー。

ある刑務所の所長さんも昼は受刑者と同じものを食べるが結構美味しいですよと言ってました。

冬になると路上で寝ていると辛いのでわずかな罪(再犯者)で入所する人が多くて混むとのことです。

ある意味刑務所に入っていた方が楽で残された家族の方が大変な感じがします。

アマゾンで書籍を買うとついでにお奨めとつい余計な本まで買ってしまいます。これも東野圭吾です。

「日本推理作家協会賞」を撮った作品です。

映画にもなったしテレビでも放送されたのでご存知かと思います。

広末涼子が初めての主演映画ですが18歳の女の子と40歳の母の役を同時にこなすのは難しかったと話しています。

最近でも高速バスの事故があり運転手の過剰な勤務状態が問題になりました。

この映画は最初観ていた時に(テレビですが)バスの転落事故で母が死に娘が生き残ってそこからいろいろ事件が起こるわけですが気乗りしないで観ていました。

(酒飲んでみていたので途中寝ていた所もあった)

しかし小説を読んでみると運転手が自分の都合で進んで業務をこなし賃金を得ていた裏の事情などが映画よりよく書かれています。

父親の葛藤とバスの運転手さんの家族の部分が特に良かった。

東野圭吾といえば「麒麟の翼」「容疑者X献身」「真夏の方程式」などサスペンスが好きですが幅広くいろいろ予見して書いているなと思いました。

最近千葉市内で少女軟禁というひどい事件がありました。

「残虐記」は桐野夏生が04年に柴田錬三郎賞を取った作品です。

少女誘拐監禁事件の被害者だった女の子がその後作家になり過去を振り返ります。当時検察官だった人と結婚したり登場人物がパズルのように絡み合っています。

「10歳の私が、持てる知恵と体力と意思と、ありとあらゆる能力を総動員して生き抜こうとした経緯を何とか表したいと」主人公に言わせています。

今度の事件とは関係ありませんが十数年前にこんな小説を机上で考え書いていたなんて小説家はやっぱりすごい!

 

世の中事件が無くなることはありませんがたまたま犯罪を行ったという人も沢山います。

法務省保護局、保護観察所、地方保護更生委員会、その他沢山のボランテァの皆さんが再犯をふせぎ、非行をなくし改善更生に地道に活動しています。

その一方で特に未成年者の犯罪に対しては加害者の方をかばいすぎとの意見も聞かれます。

最近は被害者通知制度、心情等伝達制度等々被害者(とその関係者)の求めに応じて

加害者が仮釈放の審理が開始され結果がどうなったか、被害者の置かれている立場がどうなったとかの心情を加害者に伝えることもできます。

 

また不幸にして犯罪の被害者になった場合、特に職場内のセクハラ、それ以上の行為など一般に相談しにくい案件もあります。

事件・事故発生後早い時期から関係機関と連携して被害者が抱える様々なニーズに適切かつ継続的に支援活動を行っている組織があります。相談してみては如何でしょうか。

千葉県の場合

千葉犯罪被害者支援センター

千葉市中央区長洲1-3-1

043-225-5451

http//www.chibaacvs.gr.jp

何はともあれこの世に生まれてきて他人に迷惑かけないで過ごしたいですね。助けてもらうことはやむおえませんが。

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天空の蜂

2015年10月03日 | 読書

天空の蜂を読んでみました。

東野圭吾さんの本は結構好きでいろいろ読んでいます。特に「麒麟の翼」「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」など映画やドラマになりました。読んでも観ても面白い。

理系のエンジニアで勤務しながら書いていただけあって他の推理小説とは違った面白さがありました。

しかし「天空の蜂」は文庫本でも630pもあり本屋さんで中をペラペラめくってみても難しそうな原発の話であまり読む気がしませんでした。

ところが今度映画になったのでそれを観に行く前に読んでみました。

まあ登場人物が多くて閉口します。物語は朝5時に始まって15時には終わってしまいますがシーンがあっちこっちに飛びます。

しかし15年も前に日本の原発がすべて止まったらどうなるか、また政府はそんなことは絶対にさせないという主張、などよく考えられたなと思います。

新聞で「高速増殖炉」という言葉が良く出ていますが内容まで読む気がしませんでした。この小説ではわかりやすく書かかれていますよ。

 

高速増殖炉は、日本の商業用原発で採用されている軽水炉とは大きく違っている。その大きな違いは燃料だろう。

軽水炉は使われるウラン235という物質で、高速増殖炉ではプルトニウム239というものが使われれる。

なぜプルトニウムを使うのか。それはウラン235は天然ウランの中に0.7%しか含んでおらず恒久的に必要量を確保できる保証はない。

天然ウランの残り99.3%はウラン238という物質だが、これは殆ど燃料としては役に立たない。そして原発が増えウラン235が燃やし続けると75年で枯渇する。

プルトニウム239は自然界に全く存在しない。プルトニウム239はウラン238が中性子を吸収した時になり変わる物質プルトニウム239なら燃料として使えるのだ

「高速炉」・・・プルトニウム239を核分裂させるのに中性子の速度は落とさない。水の代わりに液体ナトリウムを入れてある。飛び交う中性子は高速のままです。一方従来の軽水炉で水の中ではウラン235を核分裂させるためには、燃料間を飛び交う中性子の速度を落としてやる。そして水が減速材になる。

「増殖」・・・・プルトニウム239の周りにウラン238を並べた状態で、原子炉の中で核反応を起こさせる。プルトニウム239は核分裂して、熱と高速中性子を出す。その中性子をウラン238が受け取ってプルトニウム239に変身する。最初にセットしておくウラン238の量を増やせば消費した以上にプルトニウム239は生みだされる。

つまり役たたずの99.3%のウラン238をうまく燃料に使用するかの技術です。

しかし福井にあるもんじゅもいろいろトラブル続きで、世界的にも研究が中止されていつみたいで能書き通りにはいかないみたいですね。

さて映画を観ました。

小説とは違った脚本になっていて(あたりまえですが)視覚を大事にしています。物語の進み方も早い。

ビッグB(超巨大ヘリコプター、この映画の主人公かも)から少年が救助される場面なんかはさすがに迫力があってドキドキします。映画なんです。

刑事が犯人を追いつめてアパートに行くと突然・・・はっとします。小説にはない場面です。

最後、このヘリコプターが海に墜落していく場面も見どころです。

映画化など絶対に不可能と言われていましたが堤幸彦監督が映像にしました。

堤監督はテレビなんかで観ていると映画監督という感じが全然しません。でも鬼才なんですよね。

 

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「火花」を読んで

2015年07月28日 | 読書

すでに100万部以上売れているという又吉直樹作「火花」を読んでみました。

芥川賞・純文学などというキーワードがつくとこういう内容になるのかなと思います。

とにかく通勤の途中にペラペラと気楽に読む内容ではありませんね。

もっとも本屋大賞をとった作品はやたら分厚かったり、うかうかすると上・下2冊あったり(売り上げを意識してか)値段の張るものが多い感じです。

 

主人公徳永というお笑い芸人と先輩の神谷という青年の笑いの真髄を追及する物語になっています。

一発当たれば何億もの収入のある世界ですから貧乏や破天荒の生活は当たり前だと思いますが如何でしょうか。

でも見慣れた風景描写でも彼にかかるとうまく書けています。

花火

沿道から夜空を見上げる人たちの顔は、赤や青や緑など様々な色に光ったので、彼らを照らす本体が気になり、二度目の爆音が鳴った時、幻のように鮮やかな花火が夜空一面に咲いて、残滓(ざんし)を煌めかせながら時間をかけて消えた。自然に沸き起こった歓声が終わるのを待たず、今度は巨大な柳のような花火が暗闇にたれ、細かい無数の火花が捻じれながら夜を灯し海に落ちていく一際大きな歓声が上がった。

渋谷

渋谷駅前は幾つかの巨大スクリーンから流れる音が激突しては混合し、それに押し潰されないよう道行く一人一人が引き連れている音もまた巨大なため、街全体が大声で叫んでいるように感じられた。

 

池井戸潤や浅田次郎の小説のようにワクワクしたりしんみりそうだよなぁと相槌をうてるような内容ではありませんが自分で読んで何かを感じてください。

小説は賞を取ったとか新聞の評論などに左右されずにじみちに自分に合ったものを探したいものですね。

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虹の岬の喫茶店

2014年10月05日 | 読書

モントリオール世界音楽祭で入賞した吉永小百合さんの映画「ふしぎな岬の喫茶店」の原作です。

原作者は船橋在住の森沢明夫さんです。

初めてこの人の小説を読みましたがサッと読めるような読みやすい内容です。

千葉県の鋸南町にある明鐘岬(みょうがねみさき)の「音楽と珈琲の店 岬」が舞台だそうです。

森沢さんは次のようにコメントしています。

「貴重な時間とお金を費やして読んでくれた人をいやな気分にしたくない。読んだ後に、喧嘩をした友人に電話をかけたくなるとか、精神状態や人生が少しでもよくなる手助けになればいい思ってています」

 

いい人が集まって、美しい景色があって、そこそこの人生を過ごせる。

羨ましいですがこういう生活は難しい。人間は人を恋しがりますが少し長く付き合うと我儘が出たり嫌なことが見えてきて離れてしまいます。

ましては共同で事業などやろうとすると最初は頑張りますが軌道に乗り始めると喧嘩になることが多いようですね。

良いとこも悪いこともよく知っている中学・高校や大学の友人がいたら大事にした方がいいようですよ。

 

主人公の悦子さんが話しているいいなと思ったフレーズがあります。

「過去を懐かしむことって、自分の生きてきた道のりをうけいれられいる証拠でしょう。辛かったことも含めて、これまでの人生の積み重ねをまるごと肯定できているから、あなたたちは『懐かしい』っていう気持ちで当時を思い出せるのよ。

もっといえば、その積み重ねそのものが、いまのあなたたちなんだから、自分を肯定して、受け入れて、大事に出来ているってことになるでしょう」

 

吉永小百合さん演じる悦子さんを観に行きたくなりました。10月11日ロードショウです。

合わせて房総半島の美しい景色も観ましょう。

 

 

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かもめのジョナサン(完成版)

2014年07月18日 | 読書

40年ぶりに手にしました。

昔読んだ内容は全く思い出せません。当たり前と言えばあたりまえですね。

若い頃は五木寛之や司馬遼太郎の本をよく読みました。

40年前はこの本を小脇に抱えてジョナサンのTシャツを着るのが流行。「やもめのみなさん」なんていうダジャレも。

 

今回も挿絵のカモメもふんだんに入っています。

そして新たに第4章が追加されました。

「40年ぶりに封印が解かれた最終章を読んで私は胸のつかえが下りた気がした。今こそ、この結末が必要なのだと感じた」

と五木さんは書いています。

 

あの頃は「組織に帰属する安定を捨て、自由を目指すことに憧れていました」という中でこの本がヒットしました。

「風と共に去りぬ」以来のベストセラーになり世界で4000万部以上売れました。

時がたち今は「生活を安定させるために定職に就き、派遣やフリーターより正社員になりたい」

そんな雰囲気の中でこの本が売れているのは何故なのでしょうか。

 

ある評論に次のように書かれていました。ご隠居もそう思います。

「人生は山あり谷ありということ。努力は100%とは限られないが必ず報われる。

自分を取り囲む状況には矛盾があって、やりたいことを貫き通そうとすると、仲間とうまくいかなくなるが、道は拓ける。

その後、自分の追随者が現れて、彼らとのズレがでてきても悲観することはない。やがて、それは修正されるから」

 

40年前のかもめのジョナサンの本はなくしてしまいました。

今回の本はブックオフなどに持ち込まないで手元に残しておきたい。

自分がこの40年間でどんな生きざまだったか酒でも飲みながら考えてみたい。

ご隠居が死んだら机の上には「かもめのジョナサン」がポツンとあった。ちょっと絵になるかな。

もっともあたしゃまだ死なないけれど・・・・・・・

 

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村上海賊の娘

2014年05月14日 | 読書

を読んでみました。

ご存知のように2014年本屋大賞受賞作です。

かつても「博士の愛した数式」「天地明察」「船を編む」などの受賞作も面白かったし、その後映画も結構良かった。

芥川賞を受賞した作品は読んでいてどうもワクワクしないので最近は買いません。

この作品は上下巻それぞれ500ページ、各1600円もして連休中に読もうと思いましたがやっと読み終えました。

村上海賊の娘 村上景(むらかみきょう)が主人公です。

景は悍婦(かんぷ)にして醜女(しこめ)である。つまりお転婆でブスだということです。

この小説随所に仮名はふってありますが難しい漢字が多い。意味も分からないで読んでいてもしゃくなので辞書を引いていたら時間がかかりました。

 

主人公は確かにこの女性なのですが話の大部分は木津川合戦の話です。

1576年織田信長が大阪本願寺との戦で誰が籠城する本願寺門徒宗に兵糧を届けるかという話です。

 

簡単なストーリーでは本願寺は毛利家に援助を頼み、毛利も北の上杉謙信が動けば織田を挟み撃ちにできるかもとの戦略。

ただし瀬戸内海を船で兵糧を運ぶには技量がないので村上海賊に依頼することになる。

対して織田は泉州の(現在の和歌山県)真鍋海賊を味方につけ、そこに雑賀党の鈴木孫市などの鉄砲集団も加わりやんやの合戦です。

 

ここで景も真鍋海賊との活劇ですが歴史上はともかくさすが本屋大賞、ありえないと思いながらもどんどん読んでいけます。

 

ご隠居はあまり歴史に詳しくないので織田信長配下の総大将といえば秀吉とか光秀、柴田勝家ぐらいしか思い出しませんがここでは原田直政という人が大阪本願寺攻めの総大将として登場します。

この戦いで討ち死にしてしまいます。作者は人の性格が思わぬところで不覚を取ると登場人物に言わせています。

現在のビジネスでも自分の性格をよく考えて行動しないと失敗することもあるだろうなと思いました。

 

本の感想というのは難しい。おだてて書くと買って損したと思う人もいるだろうし、初めからけちょんけちょんに書くと読むのあきらめるかもしれません。

昔漱石、石川達三、ヘルマンヘッセなどの小説を夏休みの宿題で読んでいる時は面白いのですが感想を書く時になると苦労したことを思い出します。

 

映画の感想などでも同じで以前に紹介した「ウォルト・ディズニーの約束」でも単に心温まるエピソードだなと観ていました。しかし何かの評論では「ディズニーの優しさにはおもわず赤面した」などと書いてありました。

 

これからも映画や読書の感想も書いてみたいと思いますが年寄りのたわごとと読み流してください。

2枚の写真は写真教室で先生に少しまともに撮れたと褒められたものです。

(いずれも谷津バラ園にて)

おまけ

事務所前、花見川緑地の木々の新緑もますます鮮やかになってきました。

もうすぐ梅雨のシーズンです。お身体大切に。

 

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読書の秋 ハダカの美奈子 (林下美奈子著 講談社)

2013年09月07日 | 読書

この本が売れているというので私も遅ればせながら読んでみました。

「痛快!ビッグダディ」というテレビ番組を見ていなかったのでよく週刊誌の見出しにビッグダディという言葉が躍っていましたが何のことだか分かりませんでした。


ビッグダディこと林下清志氏の奥さん(2年間でしたが)の美奈子さんの自伝です。
父親の家庭内暴力、シンナーに万引き、2ヶ月で高校中退。15歳で妊娠と出産。そして夫のDV、父親の孤独死。

まあよくも次から次と困難が待ちうけ、そして本まで出してすぐに23万部も売れるようになったのかなと思いました。

私みたいに郊外の分譲住宅で大半を過ごしマイペースで生きてきた人にとっては彼女を支えたものは何だったんだろうかと思います。

やがてテレビ番組にもなった18歳年上のビッグダディと知り合い2ヶ月でスピード結婚して2年で破局。「別れても清志さんが好き。あたしのことをこんなに愛してくれる人は、もういない・・・」前半歯切れがいいのにビッグダディとの別れについてはもうひとつ突っ込みが足りないような気がします。

だいたい自分も子供が5人、相手は8人全員で15人の家族になるのに結婚を決意するのに思慮が足りないと思いました(本を読む限り)。


ビッグダディは故郷の岩手を出て奄美大島、美奈子と結婚した小豆島、離婚してまた岩手に戻る。著者は子供たちと宮崎へ移住。

思いつきかそれともまるで幌馬車にでも乗って新天地を目指す境地なのかは分かりません。陳腐な常識からかけ離れた新しい神話かもしれません。誰かに借りて読んでみたら如何ですか。

  

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読みましたか?

2013年05月28日 | 読書

読みましたか? 村上春樹
4月に村上春樹さんの新刊が売れて在庫がないというニュースを見てミーハーな私は早速読みたくなり書店に行ってみました。
「だんな今度の金曜日に入荷しますが部数が少ないので予約した方がいいですよ」と言われ爺さんといわれないだけましかと思い予約してきました。


           色彩を持たない
      多崎つくると
      彼の巡礼の年
面白い題ですよね。4人の友人がいて多崎以外は苗字に色が含まれている。赤、白、青、つまり赤松とか白井とか。
そしてある夏この4人の友人から突然の絶交宣言を受け多崎は自殺寸前まで追い詰められます。そして月日が経ち恋人の進めもありあの時の仕打ちが何であったか友人たちを訪ねるつまり巡礼なのです。推理小説風なミステリアルな部分もありぐんぐん読み進んでいけます。リストの「巡礼の年」という曲と重ねているのですが。国内だけの話かと思っていたら北欧フィンランドが出てきます。やっぱり北欧は村上さんの得意な場所でしょうか。

道路の両側はおおむね森だった。国土全体が瑞々しく豊かな緑色で覆われているような印象だった。樹木の多くは白樺で、そこに松やトウヒやカエデが混じっていた。
   フィンランド・スエーデン・ノルウェー 旅行したいですね。

村上さんは何の構想もたてずにかき始めたとのことです。何処に所属していても絵画、歌、写真、文章など達人といわれる人はいますがそれを一歩乗り越えて世の中に認められるのにはどんな努力をするのでしょうかね。

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