村上原基、滋賀県安曇川の山中20年⇒麓の町の田中に一人暮らし人生

山中で20年一人暮し後71歳から麓の田舎町で暮している、断捨離し自然な生き様と山暮らし体験に基づく人生論及び写真を紹介

58.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその9(10回シリーズ)

2006-11-06 20:25:12 | ISO
「会社」:ISO14001は、一口で言うと「環境管理と環境改善」のしくみですが、その中でも改善は環境ISOの重要な目的です。ところが日本では環境改善は、俗に言う「紙・ゴミ・電気」の改善が主体で、改善がある程度進むとタネがなくなりましたと言うのが現実ですが?
「村上」:そうですね。小さな企業では、今の日本的な視野の狭い、危機感のない考え方の場合には、環境改善には限界がありますね。業界ぐるみの取り組みや相当思い切った会社トップの決断や方針提示でもあれば別ですが、一般的に中小企業の経営者は、ISO14001を認証取得した場合でも、環境問題には及び腰ですね。企業のISO14001における改善活動には、次のような基本的な問題を内在しているのです。

①一企業内だけの改善では効果は限定的である。(世界的又は先進国だけでも強い規制や方向性が出ないといけない)
②利益を減らしてまでも環境改善に経費をかけたくないと言う考え方がある
③環境に良い製品やサービスが売れる商品とはなり難い
④便利さ豊かさに慣れてしまったため、不便や不快を耐え忍んでまでも、すすんで環境負荷を削減しようとはしない
⑤世間一般のそこそこのレベルの改善までしかやろうとしない
⑥環境改善することで直接的なメリット(例:税制優遇や売上げアップなど)を享受できない
⑦ISO14001の審査では、環境改善のパフォーマンスそのものについて不適合は出せない
⑧政府や環境省が環境改善の強力な方向性や目標を提示していない
⑨ISO14001はマネジメント重視であり、審査で環境パフォーマンスの改善にあまり踏み込まない
⑩環境問題が最悪の状況にあることの厳しい認識がない
⑪ISO14001かを取得してさえいれば、改善はそこそこでも、顧客企業から文句を言われない
⑫環境への対応が浅く狭く、社内の直接影響の改善が主体であり、取引先や出荷後の製品~廃棄に関する間接的な影響の改善に踏み込まない
「会社」:まあ難しいですね。環境改善をどんどんやらないといけないのはわかっているんです。審査員も「不良を減らせ・環境対応製品を開発せよ・業務の効率化をせよ・・・」と言いますが、淘汰の進んだ日本では、極端に不良の多い会社や効率の低い会社なんてそんなにないですし、品質問題は、環境マネジメントシステムに関係なく懸命にやっているのです。何も、改めてISO14001で取り組む必要はないのでしょうね。
「村上」:まあ環境問題は今すでに相当深刻な事態に突入しています。21世紀は地球が崩壊する世紀とか人類種の絶滅の世紀と言われています。2100年はおろか2050年迄持ちこたえられるだろうか?万一もったとしてもかなり悲惨な状況になっているだろうと言われています。というのは環境改善より環境悪化の速度のほうが速いし、ある限界を超えると、あたかも癌のように悪化が急加速されるからです。不謹慎ではありますが、相当大きな災害や戦争や病気で大量の人類が死に絶えるなんてことがない限り悪化は続くという恐ろしい予想をしている人も多いのです。今後も状況は改善されるどころかむしろ悪化していくことが予想され、悪化を少しだけでも遅らすので精一杯なんです。いまでも深刻な事態で今後も悪化するのはわかっているのですが、無力なんです。日本の国家や地方財政の膨大な借金問題より数倍深刻なんです。
①地球温暖化やそれにより環境悪化の進展を抑えられない
②後進国家がどんどん先進国家の仲間入りをしてくる
③環境の悪化により自然災害や資源の減少や環境悪化が加速度的に表面化している
④国の財政が悪化し環境対策に回すお金がない
⑤環境問題が複雑多岐にわたっており対策は狭く・浅くしかできない
⑥環境の悪化に対して人々の認識が極めて甘い
⑦環境は他人事のようになっていて、「俺はやる」というような人が少ない
⑧環境悪化する大多数の人が存在する
⑨石油や資源が高騰するとますます環境に悪い燃料を使用せざるを得ない
⑩環境悪化が不可逆で元に戻すことは数倍の努力と費用がかかる
⑪膨大な借金のように環境問題も末期的な段階になっている
⑫人口が減るどころか高齢化や多産化や医療技術の発達によって世界人口が急増している
※後進国が先進国の仲間入りをするということはその分先進国はここ10年くらいに環境負荷を半減以下にしておかないといけないのだそうです。
「会社」:そうですね。従来に増して、もっと頑張って環境改善をしないといけないのですが、いろいろと壁があって思うように成果が出ませんね。それが事務局の悩みにもなるのです.ISO14001を取得しても改善テーマに苦労するのです。
「村上」:とっかかりの改善目標は、まず身近な課題で、できるレベルでいいのですよ。また目標は長期のものだけでなく1年でできる短期のものでもいいのですよ。例えば次のようなことは基本的に実施することが必要です。まず以下のことぐらいはすぐにやって下さい
1 廃棄物分別
 分別表示
 分別
 ごみ丸めない
 ゴミ圧縮
2 廃棄物再使用
 ダンボール
 用紙の裏利用
 緩衝材として利用
 処理水の再利用
3 廃棄物再生
 新聞雑誌
 コピー用紙
 トナー容器
 飲料容器(びん・缶・ペットボトル)
 パソコン・家電
 乾電池
4 廃棄物売却
 金属屑
 什器・備品
 廃棄物の資源化研究
5 廃棄物返却
 通い箱化
 梱包引取り要請
6 照明
 蛍光灯間引き
 トイレや玄関、廊下の自動消灯
 LED照明等切替え
 使用しない会議室や倉庫の消灯
 残業時の照明カット
 休み時間の消灯
 天井間接から直接照明へ
 照明スィッチの細分化
7 パソコン
 節約モード設定
 液晶への切り替え
 つけっ放し追放
8 空調
 適正温度設定
 扇風機併用
 厚着・薄着
 省エネ型への切り替え
 太陽光発電
9 断熱
 窓の断熱カーテン
 出入り口の二重化
 空気層入り二重ガラス化
 壁面断熱
 外断熱
10 緑化
 会社周辺の芝生
 屋上ベランダの芝生化
 地域緑化支援
 緑地開放
 森林保護再生支援
11 コピー用紙
 ペーパーレス
 イントラネット化
 両面コピー
 保存は電子文書
 無駄資料作成廃止
 ミスコピー削減
12 削減
 会議やセミナー等でプロジェクター利用
 自動販売機
 残飯ゼロ活動
 新聞雑誌の購入削減
 FAX廃止
 新聞のインターネット化
13 グリーン購買
 事務消耗品
 生活消耗品
 什器・備品
 事務機械
14 制度
 サマータイム
 服装自由化又は緩和
 会議時間短縮
 残業の削減
 改善提案制度
 組織のフラット化
15 効率化
 レイアウト改善
 事務所や工場の面積削減
 事務所と保管場所分離
 包装材の簡素化
 機械化・自動化
 材料ドリ向上
 部材のカセット化機械装着
16 品質
 不良削減
 クレーム撲滅
 製品設計改善
17 パンフレット・カタログ
 電子配信
 DVD化
 WEB上に掲載
18 その他
 エンジンストップ
 低公害車への切り替え
 構内土回復
 夏の散水
 公共交通機関利用
 出張の直行直帰
 5S(整理整頓・・・)
19 防火
 消火器設置・点検
 タバコの吸い殻処理
 緊急時連絡網
 帰宅時配電盤OFF
 帰宅時点検記録
 ガスの電気への切り替え
20 石油など液体薬品
 受け皿
 防油堤
 一斗缶3段積み禁止
 土嚢設置
 毒劇物の施錠保管
 吸着マット
21 環境対応商品
 小型化・軽量化・省資源化
 省エネ化
 有害物質削減・切り替え
 修理・補修対応
 廃棄時回収
 環境改善商品開発
22 情報開示
 環境報告書をWEBに掲載
 環境月報
 環境情報の提供
 地域清掃
 環境団体への資金援助
 環境イベント協賛
「会社」:わかりました。末期症状だからあきらめるのでなく、身近な小さなことからコツコツと改善をしていきます。
「村上」:目的目標は、3年5年など長期のものだけでなく、短期で1年で完了する課題を沢山やっていくこともお勧めします
(来週、次回に続く)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする