村上原基、滋賀県安曇川の山中20年⇒麓の町の田中に一人暮らし人生

山中で20年一人暮し後71歳から麓の田舎町で暮している、断捨離し自然な生き様と山暮らし体験に基づく人生論及び写真を紹介

49.昔の人は当り前に苦を求めたが、現代人は楽を求める

2006-09-20 05:34:02 | 人生
私は大学を卒業後、東京から関西に出て来て、大阪門真の松下電器で10年、京都伏見のエンゼル工業に4年、京都右京区のロームに15年、大阪中央区のテクノ経営に半年仕事をして後、自営して9年前から経営コンサルタントの仕事をしていて最近つくづく思うことは、会社様において、経営者や社員さんといろいろなことをお話していて、例外なくどこでも「どうしたら楽できるか?」ということを真剣かつ基本的に考えておられることなんです。お許し願ってあえて悪く言わして戴ければ、「どうしたら手抜きできるか?」と真剣に考え・行動する習慣が身についておられるということです。
こういうことは、最初は少ない会社や少ない人のことだろうと勝手に思っていたのですが、どうも例外なくそうなっているようで、私にとっては、かなりびっくりしていることなんです。
私も63歳の気の弱いしがないコンサルタントですから、大切なお客様に「馬鹿もん」などと、どなりつけるわけにはいきませんから、エンゼル工業やロームでの体験をベースに、じわじわとお話をしますが、それでやっと少し理解して戴ける範囲であって、「諸手をあげて私の意見に賛同してくれる」という方に出会うことは皆無です。エンゼル工業やロームでは常識的なことであったはずのことでも、むしろ「随分大変なこと言う先生だなー」というようにお考えのような印象を受けるのです。
今迄そんなことは、思ってもみませんでしたが、「そうかエンゼル工業やロームの仕事のやり方や管理のし方は、思った以上にレベルが高かったんだ」ということさえ感じるようになってしまったのです。(私にとっては嬉しいというより、むしろかなり悲しいことなんですが)
昔、私が小さい頃、戦後のとてつもない苦しい時代、社会全体が食べ物も物資もない、貧しい時代をなんとか生き抜いていた頃は、大人達は「苦を求めて仕事や暮らしを営んでいた」とつくづく思うのです。社会や会社が楽になることは良いことだが、「人々が楽を求める癖」「楽にドップリ浸かってしまう悪癖」がどんどん身体にしみ込んでいく恐怖感みたいなものを実感する今日この頃です。
振り返って身の回りを見ると、自分の子供の家での暮らし方を見ていると、自分が子供だった頃に比べて恐ろしいほど、「楽を身にまとってしまっている」のです。それでも、まだ私の子供なんかは、ましなほうで、社会一般の日本の子供達や若い大人達は、もう絶望に近いほどです。

・楽に慣れ
・楽を求め
・楽に浸かり
・楽に溺れ
・楽に依存し
・苦を遠ざけ
・苦を厭い

というように日々暮らし・仕事をし・管理をするようになっているのです。
だからそういう中で苦の味を少しでも知っていると「凄い人間」のようにおだてられるのですが、とんでもない、昔の日本人に較べたらもう比較するのも馬鹿馬鹿しいほど堕落(楽につかる・楽に手を染める・手を抜くこと)してしまっているのが現実なんです。

・政治家しかり
・役人しかり
・先生しかり
・親しかり
・経営者しかり
・管理者しかり
なんです。

・プロを目指しているようじゃ大した人間にはなれんぞ、プロのプロを目指せ
・楽をしたことのツケは大きくなるばかり「安易に楽なんかするもんじゃねー」
・他人の目を誤魔化せても、自分や自分の師の目は誤魔化せない
・中途半端な苦を苦と思うべからず、かえってそれが苦の種になる
・えーい、そんなもんは、まだ苦のうちにゃ入らねー、出直してきやがれ
・不思議にも苦を多く体験することによって苦はどんどん減っていく
・楽することを手間省くと考えると落とし穴にはまるよ


冷静に考えれば、ここ100年くらいの現代というものは、ひたすら「楽」を求め、「楽」を賞賛してきた100年なんです。もう今更、戻ろうにも戻るすべさえない状況なんです。この100年捨ててきたものはもう取り戻すことはほとんど不可能なほど人間は、本質的に変化してしまったのです。

「苦を知る人種というものの絶滅」又は「絶滅危惧種」なのでしょう?

こんな世の中にしてしまって、今更何を言っても始まらないのですが、最後にもう一言「楽は苦のたね・苦は楽のたね」
これからこれまでの100年の楽の代償として、苦の100年がやってくるのでしょうが、その苦の100年で人間が再生できればいいのですが、コウノトリの再生の何百倍も難しいのではないのでしょうか?



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