村上原基、滋賀県安曇川の山中20年⇒麓の町の田中に一人暮らし人生

山中で20年一人暮し後71歳から麓の田舎町で暮している、断捨離し自然な生き様と山暮らし体験に基づく人生論及び写真を紹介

68.マネジメントとは(ISOのマネジメントシステム)

2007-01-10 21:38:06 | ISO
ISO14001とかISO9001とかISO22000とかISO27001とか最近は、「ISOの○○マネジメントシステム」というのがどんどん増加している。企業で何らかのISOのマネジメントシステムをやってないところは極めて少なくなった。現在ISOのマネジメントシステムを導入していない会社(認証取得という意味ではなく)があったとしたら、導入することができないくらい駄目な会社か、それとも、そんなものを必要としない、よほど優秀な会社のどちらかです。
早い会社でISOを導入して13年になる企業が出始めているのですが、まあ日本では、まだ歴史が浅いと言えるでしょうね。しかし経営管理の専門家の見地からしても、ISO9001の品質マネジメントシステムやISO14001環境マネジメントシステム等々は、非常に素晴らしいツールであることは間違いありません。
過去日本では、QCやIEやVE等といった管理技術手法やデミング賞をはじめ管理に関する認証制度というものがありましたが、どれも何かお祭り的というかやたらに形式的なものが多かったような気がしています。当時は日本が陽の出の勢いで経済を発展させて世界一になった頃ですから、その原因・秘訣はそういう管理手法や認証制度にあると言われたものです。
しかし私は特に松下電器時代、そういう管理手法や制度真っ盛りの中で、違和感や不審感をずーと抱いていました。松下電器入社以来そういうものが日本の発展の原動力であると教え込まれてきせいか、どうしてもそういう呪縛から逃れられないで10年以上が過ぎてしまいました。
そういう固定観念から解き放たれたのが、京都のエンゼル工業での3年間とローム株式会社の16年間でした。
エンゼル工業やローム株式会社には、松下電器のように、無借金、多くの有名大学卒、磐石な松下経営なんてものは一切なかったばかりか業績不振に喘えいでいたのです。「松下電器は完成した会社」一方、「エンゼル工業やローム株式会社は未完成の会社」でした。だから管理手法や制度なんてものにはおかまいなく、ひたすら業績向上と日々の問題処理に追われていました。そういう泥まみれ・汗まみれの日々の中で、初めて「管理手法や制度」は日本の企業を発展させてきた決定的な要因ではないと確信しました。むしろあまり形式的な管理手法や制度にこだわり過ぎると、経営を阻害したり経営にとって邪魔になることがあるという認識に変わっていったのです。
松下電器経営という立派なしくみは、形骸化しすでに経営を阻害しつつあり、エンゼル工業やロームは、日々必死にあるべきマネジメントシステムを模索していたのです。それと松下電器の場合、マネジメントシステム自体がマネジメントできていなかったのだと思います。幸之助さんもあの世で、つくづくそのことを後悔していることでしょうね。往々にしてはまる落とし穴なんです。
確かに管理手法には非常に有益なものが多いです。しかし、そういうものは常識として知って的確に活用するのは、特別なことではなく、ごく当たり前のことなんです。
企業にとってもっと大事なことは、『企業のマネジメントシステム』だということに気づいたのです。また『マネジメントシステム』というのはごく簡単なようで、使いこなして大きな効果を上げるのはすごく難しいことだということもわかってきました。2~3年ISOのマネジメントシステムを導入したくらいで、ISOの良し悪しなんか論ずるようなそんな軽いものではないのです。数十年苦しみ抜いてやっとできるようなもんなんです。しばしば、「ISOを導入したが役立たん」なんて得意気に言う人がおられますが、自分の愚かさを披瀝しているようなもんですよ。
1994年にISOのマネジメントシステムが導入されてから、裾野は広がり、導入する企業は非常に多くなっているのですが、実態はかなり消化不良を起こしているのです。実を言うと、元々日本人は、マネジメントが苦手なんです。そういう苦手な日本の企業に黒船のようにISOのマネジメントシステムが導入されてしまったのです。「寝りを覚ますISO、認証取得で社員ヘトヘト」というような状況になったのです。
そこで出てきた日本企業の発言が「ISOは役立たない」「ISOは無駄なことばかりやらせる」とISO攻撃になったのです。こういう後ろ向きの発言が企業の社長や取締役や担当者の口から出てくる背景には、①日本人のマネジメント苦手と、②マネジメントの元々の困難性にあるのです。ところがゴルフでも何でもそうですが、上達するのはごく一部の人せいぜい数%くらいのものです。マネジメントシステムの場合は、もっと低く、うまくいった企業は1~2%くらいのもんなんです。
嫌がる馬に無理やり水を飲ますようなもんで、ISOがうまくいかないのは、ISOやマネジメントシステムに問題があるのではないのです。ゴルフが上達しない人の多くが、「このクラブのパンチがないとかボールの飛びが悪い」とか、自分以外の道具のせいにすることと同じなんです。
それほどゴルフもマネジメントも、一見やさしいようで難しいもんなんです。
難しいということは裏返せば、非常に重要なことなんです。業界最下位のローム株式会社が日本一になった時の体験では、技術力や社員のやる気・頑張りも大切だがそれと同じくらいダイナミックで厳しいマネジメントシステムの重大性を嫌というほど実感しました。ゴーンさんが何故日産自動車を見違えるように立ち直らせたのか?それは多分マネジメントのやり方の良し悪しだったのです。また昔、長期低迷していたプロ野球球団が優勝した同様なことがありました。
逆に顕著に問題なのは、マネジメントシステムが極めてずさんなお役所の世界です。一見頑固なほどきちんと仕事をしているが、肝心なマネジメントシステムが脆く、機能せず、お粗末なんです。日本の政治にも、政治家がどうのこうの以前に、そういう面がかなりあるのです。自民党だ民主党だではなく、どちらにしろマネジメントシステムという考え方自身が欠落しているのです。
しかし偉そうに政治や役人の欠点をあげ批判して満足していてはいけません。というのは貴方方も99.99%マネジメントが苦手なんです。貴方もご多分に漏れずマネジメント下手な日本人ですから、技術とガンバリには自信があっても、マネジメントは二の次なんです。何故かというとそれほど難しいことだからなんです。
マネジメントシステムをわかり易く一言で言えば、変化する環境の中で自らをきちんと律することなんです。例えば家の掃除や片付け健康管理なんてささいなこともマネジメントできていないのではないですか?

「あーきちんと自分を律すること確かに最も苦手だ、確かに全然できていない」となりませんか?皆さんが苦手のように、企業も同様に大の苦手なんです。どこの会社でも、社長や取締役クラスにお会いになったら「御社のISO14001はうまくいってますか?」と質問して下さい。「一向にうまくいってません」という回答が帰ってきた会社の多くは、たいしたことないですよ。
日本は、粗忽者やだらしない者が多く、とにかくやってみて、失敗したらやり直すというのがとてもうまいんです。

『誤魔化しと尻拭いは天下一品ですがね』

こういうやり方を否定はしませんが、万事がそうなってしまうことは大いに危険なんです。例えば会社が倒産したら、国が破産したらその時は一生懸命にやり直すみたいなもんですな。
ISO9001品質マネジメントシステム・ISO14001環境マネジメントシステム・・・などを真剣に取り組み、是非苦手意識を克服し、トヨタやロームや日産のように優良なマネジメントシステムを構築し運用して大きな効果をあげて戴きたいものです。しかしくれぐれも昔の管理手法やデミング賞のように形式にこだわってはいけませんよ。日本人は本来の目的や中身より見得や上辺に拘るおかしな癖がありますからね。豪華な車や豪華な着物や高い豪華な宝石などが好きなんです。マネジメントシステムというものは、いい加減導入し、運用の仕方が悪いと効果が出るというよりむしろ大きな弊害があります、刃物みたいなもので使い方を間違えると偉い目に遭いますよ。

環境マネジメントシステムの主なステップは次のようなものですが、これは企業だけでなく、個人にもお役所にも有効に通用するものです。

①初期調査
②重要要因特定
③方針設定
④目的・目標・計画設定
⑤管理手順書制定
⑥教育訓練
⑦運用管理
⑧法令順守
⑨改善活動
⑩監視測定
⑪記録の管理
⑫文書類及び文書管理
⑬不適合是正処置・予防処置
⑭緊急事態対応
⑮内部監査
⑯マネジメンとレビュー

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