3月9日 Bizプラス
アメリカの景気回復への期待や
このところの安倍政権の経済政策を背景に円安が進んでいるが
構造的にも円安ドル高が進みやすい状況となっている。
8日に発表された今年1月の経常収支によると
統計が比較できる1985年以降で初めて3か月連続の赤字となった。
円安の影響で原油や液化天然ガスの輸入額が膨らんで
貿易赤字が拡大したことが原因である。
アメリカはシェールオイル、シェールガスの開発によって
今後 貿易赤字が縮小するとみられドル高が進みやすい状況である。
アメリカでは石油の消費量のうち
8年前の2005年は80%を輸入に依存してきた。
それが来年2014年には32%にまで減る見通しである。
天然ガスについてもシェールガスの開発をきっかけに輸出国になるとみられている。
つまり日米のエネルギー事情の変化を背景に
当面は円安ドル高の構造は変わらない。
円安は自動車の輸出などには有利だが
液化天然ガスの輸入は今後も高い水準で続く見通しで
輸入の観点からは円安はデメリットになる。
そうした中注目したいのは混酸天然ガスの資源として期待されるメタンハイドレード。
“燃える氷”とも呼ばれる天然ガスと水が結びついて
シャーベット状になった天然資源である。
これが週明けから愛知県と三重県の沖合で採取が始まる。
この埋蔵量だけでも日本の天然ガスの使用量の14年分に相当すると見込まれていて
しかも5年後にも事業化できると言われている。
国産のエネルギー資源の確保が重要性を増している。