3月14日 Bizプラス
TPP参加に向けた事前協議が日本とアメリカの間で行われているが
アメリカの思惑を探るうえで注目したいのが
15日で発効からちょうど1年となるアメリカと韓国のFTA自由貿易協定である。
通商交渉には“攻め”と“守り”があるが
焦点が農産物と自動車という点で日本と構造が似ているのである。
通商交渉では
関税の即時撤廃
時間をかけての撤廃
一定の輸入量についてだけ撤廃
関税の例外扱い
がある。
韓国側の例外扱いは米と米関連製品
ほかにも40%の高い輸入関税を課している牛肉などは
15年かけて撤廃することになっている。
自動車は韓国にとっては“攻め”。
アメリカは当初 韓国からの輸入車に対する2,5%の関税を即時撤廃するとしていたが
ビッグ3のフォード、GM、クライスラーの反対から米韓で再交渉となり
結局 発効から4年間据え置いて5年目の2017年3月に撤廃をする。
韓国にしてみれば即時撤廃は譲るけれども時間をかけてでも関税撤廃を実現したい。
関税撤廃までに猶予が設けられた背景は
アメリカの自動車市場で韓国メーカーが躍進していることにアメリカ側の危機感がある。
2012年のアメリカの自動車市場の国別シェアをみると
韓国メーカーは8,7%。
日本メーカーは合わせて36,9%とアメリカにとって韓国以上のライバルである。
アメリカにすると日本からの自動車を関税撤廃の例外扱いとするか
なるべく長い時間をかけて関税を撤廃したいというのが本音。
現にビッグ3の業界団体は
日本がTPPに参加すると円安も相まって9万人が職を失うとして
日本のTPP参加に反対をしている。
どこを攻めて何を守るのか
TPP交渉の参加に向けた説得力がある説明を安倍総理大臣に期待したい。