3月14日 おはよう日本
バチカンの煙突からは日本時間の14日午前3時過ぎに
法王が選出されたことを示す白い煙が上がった。
(ベネズエラ人)
「歴史的な瞬間。
この場にいられるにはとても幸運。」
そしてアルゼンチン出身のホルヘ・ベルゴリオ枢機卿が第266代のローマ法王に選ばれ
フランチェスコ1世と名乗ることが発表された。
中南米出身に法王が誕生するのは初めてである。
(アルゼンチン人)
「信じられない。
歴史的なこと。」
(ブラジル人)
「ラテンアメリカ人の法王でとてもうれしい。
彼はいい仕事をし新しい時代に導くだろう。
これは世界中の人にとっていいことだ。」
このあと法王に選ばれたフランチェスコ1世が
サンピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を見せ集まった数万人の人々を前に手を振った。
(新法王 フランチェスコ1世)
「この歩みは友情と愛と院らいのためのもの。
互いのために世界のために祈りましょう。」
新しいローマ法王に選ばれたホルヘ・ベルゴリオ枢機卿は
アルゼンチンの首都ブエノスアイレス出身の76歳。
人工中絶や同性愛などには反対の立場を示しているものの
最も保守的とされる南米のカトリック教会を穏健思想へ導いている
と評価されてきた。
アルゼンチンのブエノスアイレスの教会では
ベルゴリオ枢機卿が法王に選ばれたニュースが届くと拍手が沸き起こった。
(アルゼンチン人)
「アルゼンチンは神の栄光のもとに!」
「アルゼンチン人の法王の時代を生きられるなんて素晴らしい。」
「人々を導いてくださいますよう新法王に神のご加護を。」
アメリカのオバマ大統領は声明を出し
“南北アメリカ大陸から初めて法王が選ばれたことは
この地域の力強さと活気の証でもある。
多くのヒスパニック系アメリカ人とともに世界中が
この歴史的な日の喜びを分かち合っている”
と述べた。
中南米ではカトリック教徒が急速に増えていて今や全世界の4割以上を占めている。
信者の数が伸び悩んでいるヨーロッパとは対照的で
カトリックの重心が
中南米やアフリカといった新しい地域に移りつつあることを反映している。
フランチェスコ1世は母国のアルゼンチンで
長年にわたって貧困問題に熱心に取り組んできたことで知られている。
21世紀のカトリック教会にとっては
グローバル化から取り残され貧困に苦しむ人をいかに救済するかが
主要な課題の一つであることを象徴していると言える。
ローマ法王庁は聖職者による未成年への性的虐待や
不透明な資金運営
そして内部抗争の余波とみられる機密情報の漏えいなど
数多くのスキャンダルで大きく揺れている。
こうしたなすすべはない硬直した官僚組織の改革を求める声も内外から上がっている。
フランチェスコ1世は母国のアルゼンチンで
保守的な教会の穏健な改革に成功したとして
今回のコンクラーベはいわゆる改革派の枢機卿の支持を集めたとみられる。
しかし実際に改革を進めようとしても反対する勢力の根強い抵抗も予想される。
約1300年ぶりにヨーロッパ以外の地域から
しかも初めて中南米出身の法王を選んだことで
カトリック教会が新たな時代を迎えたと言えるかどうか
76歳という比較的高齢で法王の座に就いた
フランチェスコ1世の手腕が問われることになる。