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刻限の事情

2013-05-08 15:43:33 | 編集手帳
5月8日 編集手帳

映画俳優チャールズ・ブロンソンさんが
日本の化粧品メーカーでCMを撮影したときである。
契約に定める刻限が来たのに撮り終わらない。

米国社会はとりわけ契約に厳しい。
関係者が途方に暮れていると
ブロンソンさんは腕時計の針をいじり
ウインクした。
「レッツゴー、ハリーアップ!」(さあ急ごう)。
撮影に立ち会ったホリプロの創業者、堀威夫さんが著書に書き留めている。

刻限を守れなかった事情を聞けば
わが野党にも時計の針を一日分いじる雅量があっていいだろう。
川口順子・参院環境委員長(自民)の解任決議案を参院に共同提出した。
可決されそうだという。

中国出張の期間を国会の許可なく延長し
委員会が流れたことがその理由である。
中国高官(国務委員、前外相)との会談が設定されたので滞在を延ばした
と川口氏は説明し
陳謝している。
尖閣問題で日中間の対話が滞っていることを思えば
そう筋の通らぬ延長でもあるまい。

何度もあっては困るが
お小言で幕が引かれていい騒動だろう。
ブロンソンさんの代表作を借りれば
むやみに噛かみつくだけの〈狼おおかみよさらば〉である。
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どうするネット上の生前の記録 2

2013-05-08 07:59:36 | 海外ネットワーク


  4月28日 NHK海外ネットワーク


  亡くなった人のデータの活用が進化する一方
  その管理をめぐってトラブルも起きている。

  米 ウィスコンシン州に住む弁護士のジェイ・スタッセンさんと妻のヘレンさん。
  3年前 当時大学生だった二男のベンジャミンさんが自殺した。
  遺書は残されておらず原因も全くわからなかった。
  手がかりを求めてスタッセンさんは
  息子のメールと交流サイトを見せてほしい
  とグーグルとフェイスブックに要望した。
  しかし両社とも
  ネット上の権利は本人だけのものでたとえ親でも見せることはできない
  とこれを拒否。
  (ジェイ・スタッセンさん)
  「子どもをなくして悲しんでいる親が『情報をください』と言っても拒まれる。
   そんなのはおかしい。」
  スタッセンさんは情報の開示を求めて訴えを起こした。
  裁判所はスタッセンさんの主張を認め
  グーグルとフェイスブックに対しデータの開示を命じた。
  ようやく見ることができた息子の生前の記録。
  このまま思い出として残すのはつらい
  と感じたスタッセンさんはデータをすべて削除した。
  見たことに後悔はないが裁判でしか問題を解決できない現状に疑問を感じている。
  (ヘレン・スタッセンさん)
  「なぜここまでやらなければいけないのか。
   こんなにつらい思いまでして。」
  (ジェイ・スタッセンさん)
  「私は弁護士だから自分で訴訟の手続きをして裁判所の命令を勝ち取れたが
   一般の人なら途方に暮れてしまう。」
  亡くなった人が残したデータをどう扱うのか。
  今のところ統一したルールはない。
  グーグルは一定期間メールなどの利用がない場合
  アカウントを削除したり
  利用者が事前に指定した人にデータを転送したりする新たなサービスを4月から始めた。
  一方 ヤフーとフェイスブックは
  裁判所の命令があれば残されたデータを開示する場合もある
  としている。
  専門家は
  自分が死んだ後にネット上のデータをどうしてほしいか生前に決めておくことが重要だ
  と指摘している。
  (ネット上の情報管理に詳しいエバン・キャロルさん)
  「ネット上のデータ管理は本人の責任。
   今のところ法律が何もない状況を考えると
   一番安全なのは遺言を残すこと。
   そうでないと亡くなった後に配偶者や子どもに大きな負担がかかる。」

  亡くなった人が残したデータは誰のものなのか。
  インターネットの利用がすすむなか新たな課題が浮かび上がっている。

  Q.日本でも訴訟は起きている?
  (ネット上の情報管理に詳しい 中崎尚弁護士)
  「まだ裁判までいったものはない。
   日本の事業者は問い合わせがあった場合
   個別にその時々で考え答えるのが現状。」
  Q.日本独自の問題は?
  「匿名のネットユーザーが日本は多い。
   “自分の名前を明かさないでネットを使いたい”ということで皆さん使っている。
   遺族からのアクセスを認めるとユーザーの意志に反し情報公開される。
   そういう弊害が生じる可能性がある。
   事業者側・ユーザー側どちらもガイドラインや手続きを定めておくメリットは大きい。」
  


  
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