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日本中へのエール

2013-11-02 07:00:00 | 編集手帳
10月27日 読売新聞編集手帳

夏の全国高校野球大会で早稲田実業と駒大苫小牧が優勝を争ったのは2006年だった。
ライバルとの投げ合いに敗れた駒苫のエースは、
その後の7年で球界の至宝となった。
田中将大投手(楽天)である。

甲子園のあの決戦から現在までと同じ時間がこれから過ぎると、
東京五輪が開かれる。
テレビ桟敷のプロ野球観戦でそこに思いが至ったとき、
2020年がどのくらい先にあるのか、
おぼろげながらイメージできた気がした。

巨人の沢村拓一投手もあの夏を高校3年で迎えている。
母校は県大会で敗退し、
控えだった沢村投手に登板の機会はなかった。
今は舞台にさえ立てない若者からメダリストが生まれるかもしれない。

新潟県中越地震(04年)の被災者の一人は、
東日本大震災(11年)の支援で東北を訪ねた際に、
自分たちの復興を実感したという。
支えられる側から支える側に。
これも7年という時間がもたらした変化と言えよう。

7年のカウントダウンの始まりに東北で日本シリーズが開幕した。
球場の声援は日本中の旅人へのエールにも聞こえる。
飛躍へ、
再生へ、
時間の中を進んでいく旅人である。
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