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高齢化進むタイの現状

2017-04-09 07:15:00 | 報道/ニュース

3月15日 キャッチ!


東南アジア各国の高齢化率の推移を見ると
タイでは2000年ごろから急速に高齢化が進んでおり
2050年には全人口の約30%が65歳以上の高齢者になると予測されている。
高い経済成長のなか晩婚化が進むことで子どもの出生率が低下し
同時に医療技術の進歩によって平均寿命が延びているタイ。
現地は高齢化の対策に追われている。

高齢化が進むタイ東北部。
朝9時に町の集会所に集まるセーラー服を着た人たち。
これはタイ各地で開かれている「高齢者学校」である。
タイ政府の支援によって全国500か所以上で開かれていて
60歳以上の人たちが週に1度制服を身にまとって集まる。
(高齢者学校の生徒)
「子どもは家を出てひとり暮らしですが
 ここに来れば友だちにも会えて幸せです。」
タイでは若者の多くがバンコクなどの都会で働くようになり
地方にはひとり暮らしのお年寄りが増えている。
高齢者学校ではそうしたお年寄りに歌やダンスを楽しんでもらい
健康を維持してもらおうという狙いがある。
(市長)
「学校で高齢者はリラックスできます。
 お年寄りの心の健康は私たちにも重要です。」
この一風変わった試みの裏には深刻な地方の医師不足がある。
タイ東北部の医師1人あたりの患者数は3,700人と
バンコクの4倍。
タイではすでに65歳以上の割合が人口の10%以上。
5年後には14%を超え
国際的な基準で「高齢社会」に突入し
医師不足がさらに深刻になると見られている。
(国立病院の院長)
「地方での高齢者の数や割合は今後さらに増えるでしょう。」
急速な高齢化のためタイ国内では介護施設の数も十分ではない。
タイ政府が運営する老人ホームには約230人の高齢者が生活しているが
施設の数が限られ入居待ちの人が増えているという。
公的に運営されている介護施設は全国に25か所しかなく
施設に入るため10年以上待たなければならない場合もある。
ここ数年 民間を含め施設の数は増えているが
高齢者の増加に追い付いていないのが実情である。
(介護施設 所長)
「施設が対応できる人数は埋まっていて
 入所希望者には空きを待ってもらっています。」
早急な高齢化への対策が求められるタイでは
より高齢化が進む日本の技術や経験へのニーズが高まっている。
大分県で会社を経営する吉武俊一さん。
吉武さんが広めようとしているのは
ベッドに寝ているお年寄りの体の動きをセンサーで感知し
離れた場所にいる人に伝え
映像により確認できる介護用のシステムである。
この病院では
増加するお年寄りの入院患者を少ない看護師で効率的にケアできると
導入を決めた。
1セット約15万円するこのシステム。
JICA国際協力機構の支援を受けており
タイ全土に向けた実証実験にもなっているという。
(ソフトウェア会社 吉武俊一さん)
「日本と同じように
 介護する人や看護師の人材不足は間違いなく起こってきている。
 僕らが持っているIT技術・製品が負担軽減に大きく寄与できる。
吉武さんが向かったのは
新たに富裕層向けの介護病棟を建設しているバンコクの大病院。
吉武さんは病院側にシステムの利便性をアピールした。
(病院の院長)
「高齢者の転落防止に役立つとわかったら
 喜んで一緒に研究しましょう。」
現在複数の病院と交渉を進める吉武さん。
まずこうした富裕層が通う病院で利益を確保し
中間層などが通う公立病院にも機器を広めたいと考えている。
(ソフトウェア会社 吉武俊一さん)
「介護の世界での必要性は日本のあとを必ずついて行く。
 中間層から貧困層に向けての国立や地方の病院で
 少し金額を落としてでも皆さんに使っていただける
 そういうことができたら一番いい。」

 

 

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