日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

日本酒を世界の“SAKE”に

2017-04-16 12:00:00 | 報道/ニュース

3月21日 国際報道2017


旧正月明けの台湾の繁華街。
新年を祝う人たちがワイングラスで味わうのは日本の福井県で作られた日本酒である。
「特徴のある酒蔵で酒の品質が高い。
 味にも満足です。」
テーブルのそばでお酒を薦めるはっぴ姿の男性は
この日本酒メーカーの社長 加藤団秀さん(59)である。
(酒造会社社長 加藤団秀さん)
「私 年間70回くらい海外に行ってるんで
 日本酒を楽しんでいただく機会をどんどん増やしていく。」
加藤さんはこれまで自ら海外を飛び回るトップセールスで海外市場を開拓してきた。
この日は台北市内になる日本料理店で従業員相手の講習会である。
「うちのお酒は全てワイングラスで飲んでもらいたい。
 そうすると香りをいっぱい嗅いでもらえる。」
オーバーアクションでユーモアを交えて語りかける加藤さん。
言葉の壁を越え日本酒への思いが伝わっていく。
「このお酒は大切な人と2人で飲むお酒なんです。
 今から楽しい宴を予感させる音が“ポンッ”と小っちゃく鳴るように設計しています。」
(台湾 日本料理店店員)
「社長さんのユーモアあふれる説明のおかげで日本酒がもっと好きになりました。」
台湾の人を魅了した酒は福井県鯖江市で生まれた。
創業万延元年(1860年)。
11代目社長の加藤さんは原料米と水にこだわった純米酒だけを造り続けている。
加藤さんの転機は19年前。
国際コンテストの日本酒部門で最高賞に輝いたのをきっかけに
日本酒の素晴らしさを世界に広めたいと考えたのである。
(酒造会社社長 加藤団秀さん)
「例えばヨーロッパに行っても全然ハンガリー語とかしゃべれないので
 それでも『うまい』て言われるんですよ。
 それがうれしかったですね。
 日本酒は限りない市場が広がっていると私は考えていますね。」
それ以来始まった世界行脚。
1年の半分は海外でセールスに飛び回る。
こうして世界44の国と地域に販路を築いた加藤さん。
売り上げはこの10年で10倍の10億円に達した。
日本にいる間は逆に海外から輸入業者を招く。
はるばるやって来たのはイスラエルの貿易商 シャボ・オレンさん。
加藤さんは外国の業者に蔵を案内し
日本酒がどれだけ繊細な作業で生み出されているのかを実際に見てもらう。
「米こうじです。」
(イスラエルの貿易商 シャボ・オレンさん)
「毛布をかけられたいまれたばかりの赤ちゃんみたいだ。」
「彼(社氏)の赤ちゃんみたいなものです。」
外国の業者に酒蔵のファンになってもらい
世界でその魅力を広める戦力になってほしいと期待しているのである。
加藤さんはイスラエル進出を前にある認証を取得していた。
ユダヤ教の教えに定められた食品管理基準を満たしていることを示す“コーシャ”である。
コーシャの認証には
原料の米や水の由来や製造現場の清潔さが厳しく求められ
ユダヤ教の指導者が実際に工場を訪れて確認する。
(イスラエルの貿易商 シャボ・オレンさん)
「コーシャ認証があれば
 イスラエルだけでなくニューヨークやヨーロッパでも高品質だと認められます。
 日本酒人気はもっと広がっていくでしょう。」
世界の消費者の間で広がる安全志向も先取りし市場を切り開いてきた加藤さん。
目標は野心にあふれている。
(酒造会社社長 加藤団秀さん)
「“世界の醸造酒”と呼ばれるワインというすごい市場がありますから
 そのワインというお兄さんの市場を追い付け追い越せじゃないですが
 『日本酒ってすごいよね』って言われるように頑張っているのがここ数年。
 まだまだこれから始まったばかりではないかなと私は思います。」



コメント