3月25日 経済フロントライン
ジョージア州の中心都市アタランタから車で3時間。
建設中のボーグル原発。
ウェスチングハウスが独自に設計した最新鋭の原発である。
現場を訪れてまず驚くのは作業員の数の多さである。
電力会社によると作業員は約5、000人。
24時間体制で建設が行われているという。
今年に入ってから現場で大きな動きが起きているという。
ボーグル原発の近くの作業員がよく買い物に訪れる店。
(店員)
「ふだんは忙しいけど今は客足が鈍っているね。
先週また数百人が解雇されたからだよ。」
大量の解雇が行われているというのは本当なのか。
作業員に聞こうとしても一様に口を開かない。
そこで作業員が寝泊まりをするトレーラーハウスが並ぶキャンプ場へ向かった。
実際に解雇されたフロリダから出稼ぎにきたリチャード・ゴールドベックさん。
1年8か月にわたり中間管理職として働いていたが
2月に突然上司に呼び出されたという。
(リチャード・ゴールドベックさん)
「『仕事ぶりは何の問題もないがコストの問題だ』と言われた。
上級管理職から始まり
続いて中間管理職
今ではすべての従業員が解雇の対象になっているでしょう。
費用がかさむ中で人員削減が行われているのです。」
ゴールドベックさんによれば
同じ時期に450人の作業員が解雇されたという。
ボーグル原発の建設が始まったのは2013年。
3年ほどで完成する予定だった。
当時ジョージア州政府は人口の大幅な増加を予想していた。
100万世帯の電力を賄える最新鋭の原発に高い期待を寄せていたという。
(ジョージア州 公共サービス委員会 スタン・ワイズ委員長)
「我が国で30年ぶりとなる新たな原子力プロジェクトが始まり
我々は非常に興奮しました。」
しかし工期は020年まで延長され
現在工事の進捗はわずか3割にとどまっている。
追加の人件費や資材費を抑えるため
作業員の解雇が相次いでいるとみられる。
(ジョージア州 公共サービス委員会 スタン・ワイズ委員長)
「われわれはウェスチングハウスが約束した建設期間と予算を守ってくれると信じていました。
それが裏切られ戸惑っています。
東芝
ウェスチングハウス
電力会社に対しては
2020年までに原発を完成させ稼働させることを望みます。」