11月21日 国際報道2018
岩手を代表する伝統工芸品 南部鉄器。
いまヨーロッパを中心に海外で人気が高まっている。
秘密は
伝統に裏打ちされた品質の良さに加え
外国人向けに施したある斬新な工夫にあるという。
イギリスの首都ロンドン中心部にあるレストラン。
紅茶を注文すると出てきたのは南部鉄器。
その急須で紅茶を提供している。
この店ではおよそ70個もの南部鉄器が使われている。
最近 海外で南部鉄器の人気が高まっている。
輸出は15年前に比べると約2,5倍。
輸出額は6億円近くにのぼる。
人気の秘密は
東洋的なデザインに加え
1つ1つ職人の手で作られた品質の良さ。
さらに鉄器の保温性の高さも評価されている。
(レストラン店長)
「南部鉄器はとても美しいうえに壊れません。
客からも『どこで手に入るのか』とよく聞かれます。」
岩手県奥州市にある老舗の製造会社。
いまでは売り上げの4割を輸出が占めるようになった。
そこで力を入れているのが
外国人の好みに合わせたカラフルな商品の開発である。
色の好みは輸出先の国や民族・気候によって全く違うという。
(及富 着色担当)
「緯度が高い地域では色温度が低く寒々しい色が好まれる。
熱帯の暑いところではトロピカルカラーなど太陽の色に近い黄色が好まれる。
外国人はどう感じるかを考えながらやっている。」
鮮やかに色づけされた南部鉄器は海外で着実に浸透している。
ロンドン中心部の紅茶などお茶の道具を扱っているお店では
入り口を入ってすぐのところに南部鉄器が並べられている。
この店の人気商品は赤や緑・橙色のもの。
1つ1~4万円で販売されている。
店では
カラフルな商品の登場で南部鉄器への注目がさらに高まったという。
今後は仕入れの数をさらに増やすことにしている。
(店長)
「客は好きな色を選んで買うことができます。
黒は幸運の色ではないので
カラフルなものが人気ですね。」
趣向を凝らしたカラフルな商品で新たな魅力を発信する南部鉄器。
海外の人をもとりこにしている。