銅版画制作の日々

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ボーダータウン:報道されない殺人者

2008-12-12 | 映画:ミニシアター

 5000人の少女の悲鳴を掻き消したのは、
                砂漠か?国家かーーー?

 

12月5日、京都シネマにて鑑賞。それは衝撃的な内容でした。今もなお解決されていない実際の事件を基にした物語。

この事件が連続的に起き始めたのは1993年ーーーー以来、15年間での事件数は推計5000件といわれている。

1993年から2008年までの15年間で500件にも及ぶ女性殺害事件が、メキシコのとある街で起こっている。この数字は確認されている数であり、実際には5000件にも及ぶとも推計されている。

恐ろしいことです。このような残虐なことが日々行われているという実態の真相は分かりませんが・・・・・。それにしても5000件ですよね。15年で割ると、1年に333人ですから、一日にほぼ一人の女性が犠牲になっていることになります。場所はメキシコ。アメリカとの国境にある街・シウダ・フアレスというところです。こんな街があることも知りませんでした。その街には、マキラドーラと呼ばれる工場が立ち並び、近郊の貧しい地域から職を求めて若い女性たちがたくさんやって来るそうです。被害女性の多くはその工場で働く10代前半から20代前半の非熟練労働者だということ。フアレスが位置するチウアウア(チワワともいう)州や検察当局によるメディア操作や杜撰な操作によって、最初の事件発生から15年経った今もなお、捜査は難航しているそうです。

弱者が被害に遭い、事件が未然に防ぐことが出来ず、誰からも守られない。真実を報道しようとする者は危険に晒され、抹殺されるーーーこのような様々な不条理なことを目の当たりにすると、「正義とは何か?」、「経済発展とは何か?」様々な考えを思い巡らさずにはいられないでしょう。(パンフレットより)

主人公の女性記者・ローレンを演じるのはジェニファー・ロペス 。「Shall we dance?」などでセクシー女優というイメージが強かった彼女が、実際にメキシコで起こっている事件と国境の街・フアレスでの女性たちの苦境を世界に伝えたいという思いから、この作品に出演する必要があると感じ、オファーを受けるやいなや、契約書にサイン。また自らプロデューサーとして参加するということになった。

STORY

シカゴの新聞社で働く敏腕女性記者ローレン。ある日、上司(マーティン・シーン )からメキシコとアメリカの国境の街・シウダ・フアレスで起こっている連続女性殺害事件の取材を命じられる。気乗りのしないローレンだったが、海外特派員のポストを交換条件に、メキシコへと向かった。

フアレスに着いたローレンは、かってのビジネスパートナー・ディアス(アントニオ・バンデラス)が営む新聞社エル・ソロ社を訪ねた。汚職にまみれた警察や政治家が支配するメキシコでは、情報操作も日常茶飯事で、メディアは真実を報道できないのが現状だ。そんな中でディアスのエル・ソロ社だけが度重なる弾圧にも負けずに真実を報道しようとするのだが、それでも今回のような当局の圧力などで廃刊の危機に晒されていた。

そのエル・ソロ社で、ローレンは一連の事件の被害者で奇跡的に生還した少女・エバ(マヤ・ザパタ)と出会う。エバは「真実を報道してくれるのはエル・ソロ社しかない」と、助けを求めにディアスを訪ねてきたのだった。彼女が証言者となると直感したローレンはエバと行動をともにして真相究明の糸口をつかもうとする。

エバの口から聞かされた残虐な事実に、ローレンは同じ女性として、そしてジャーナリストとして真実を暴こうと決意する。

犯人たちの顔を記憶しているエバとともに、危険と隣り合わせの中、暴行現場を辿るローレン。彼女たちは遂に真犯人を特定し、さらにはディアスの援護もあり、犯人を捕まえることに成功する。ローレンはシカゴに戻り、新聞の一面を飾ることで、この酷い事件を世界に発信しようとした。しかし、いよいよ掲載という段になって、上層部から圧力がかかり記事の掲載を止められてしまう。真実を知りすぎてしまったローレンは、自分の力で何とか報道してみせると、独りで再びフアレスを訪ねるのだが・・・・。待ち受けていたことは何と!!

 

上司に記事の掲載を訴えるが・・・・。昇進したければ、あきらめろというように、言われる。そして「今は調査情報の時代じゃないんだ!」と叫ぶ。

企業の傘下にある新聞社やテレビは独立性を保つのが難しくなったアメリカ事情を象徴している現れのようです。

フアレスに戻ったローレンに待ち受けていたものは・・・・・。ディアスが銃撃されて亡くなったことだった。そしてローレンにも魔の手がのびることに。

ローレンは、エバによって窮地を逃れた。良かった!闘う相手はあまりにも大きすぎたのか。でも真実を何とか世界の人たちに伝えたいと思うローレンはディアスのエル・ソロ社を引き継ぐことを決意する。

今日もまた犠牲者が出た・・・・・。

 

 監督・脚本 グレゴリー・ナヴァ

監督がこの作品を製作しようとされた経緯や思いを述べておられますこちらをご覧下さい。

今もなおこの事件の解決・再発防止のため、アムネスティ・インターナショナルから呼びかけています。詳細は下記のHPをご覧下さい

アムネスティ・インターナショナル・日本 映画の公式サイトへもリンク出来ますよ。

 

 

 

 

Comments (2)
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