楽園か荒野か?ーーー人生を賭けた闘いが始まった!
政界復帰を狙う元アメリカ大統領ニクソン。
全米進出を狙う英国のテレビ司会者フロスト。
1977年、これが4500万人が見た伝説のインタビューだ!
3月31日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。ニクソン大統領、ウォーターゲート事件・・・・。大統領の名前はもちろん、この事件の存在は薄ら記憶にあるけれど、どんなことだったのか?まったく知らなかった。そしてニクソン大統領が、この事件で大統領という地位から降ろされたというのも恥ずかしいことだが、知らなかった。
映画は娯楽性的な要素もあるけれど、歴史的や政治的なことなど、知らないことも教えてくれます。そういう意味では、勉強にもなるのですよね。多分この映画を観ていなければ、ウォーターゲート事件がどのような事件だったかも知らなかっただろうし、ニクソン大統領が辞任した原因さえ知らずにいたのですから(汗)勉強になりました。
でもこの手の作品はどうも苦手ですね。案の定、途中でzzzzとなってしまいました。
実はこの作品、2007年に舞台化されているそうです。主役のフロスト役とニクソン役には、映画と同じキャストだそうで・・・・。それも面白いですね。舞台と映画では少し違うでしょうしね。
フロスト役には、「クイーン」でイギリス前大統領ブレアを演じたマイケル・シーン。
ニクソン役には、フランク・ランジェラ。81回アカデミー賞では、主演男優賞にノミネートされたが。残念ながら賞は逃した。
物語
1974年8月9日、第37代アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソン(フランク・ランジェラ )は、「アメリカの歴史上、自ら辞任した初の大統領」という不名誉なタイトルをまとい、政界の表舞台から去ることになった。ホワイトハウスを飛び立つヘリの乗り込むニクソン。その光景はテレビを通じて全世界に生中継され、実に4億人が目撃したらしい。(私も見たのかな?)この放映を観た一人のテレビ司会者ディビィッド・フロスト(マイケル・シーン )彼は母国イギリスとオーストラリアでトーク番組を持つ人気司会者。この辞任中継の視聴率の高さに、テレビ屋の本能を刺激される。早速一対一のインタビュー番組を企画。ニクソンの代理人であるエージェントのスウィフティ・リザール(トビー・ジョーンズ )を通じて出演交渉を開始した。
皆さん、見覚えあると思います。あの「ミスト」でスーパーの店長役だった人。彼がトビー・ジョーンズです。
数ヵ月後、フロストに電話をかけてきた、スウィフティは、60万ドルという法外なギャラを要求。フロストはこれを承諾する。いよいよこのプロジェクトのため、仕切り役のプロデューサーのジョン・バード(マシュー・マクファディン )を伴い、アメリカへ飛ぶ。
フロストは機内でナンパしたキャロライン(レベッカ・ホール )を連れ、カルフォリニア州サンクレメンテにあるニクソン邸に乗り込んだ。
プロデュサー、ジョン・バード。
フロストがナンパしたキャロライン。こんなときにナンパ??
ニクソンは邸内を見せながら、かってソ連書記長ブレジネフとの歴史的会談の模様を活き活きと語る。(自慢話ですね)
何と前払いとして20万ドルを出すはめになってしまったフロスト。ニクソンとは違って絶好調ではなかった。
アメリカで成功してみせるという野心に燃えるフロスト、3大ネットワークにこのインタビュー企画を売り込むが、拒絶されてしまう。
イギリス人の軟弱なテレビ司会者に大物政治家のインタビューなど務まるわけがない。これがネットワークの共通の見解だ。
交渉に苦戦していることを知ったニクソンの側近ジャック・ブレナン(ケヴィン・ベーコン )は「20万ドルだけもらって企画が流れるかもしれない」と静かにほくそ笑む。
久しぶりに観たケヴィン・ベーコン、いつも思うのですが、この人悪そうに見えるよね。
フロスト、番組を自主製作に変更して、放映権を売る方向に転換。借金して当面の製作費を捻出。いよいよ具体的なインタビューの準備をスタート!
そしてフロストがブレーンとして雇ったのは。この人たち
放送界で活躍するジャーナリスト ボブ・ゼルニック(オリヴァー・プラット )
アンチニクソン派を代表するノフィクション作家ジェームズ・レストンJR
(サム・ロックウェル )ジェシー・ジェイムズの暗殺に出演していた方です。
彼らにバートを加えたフロスト・チームはロサンゼルスのビバリー・ヒルトン・ホテルに移動。そこに本拠地を構え、質問の練り上げ作業を開始する。
しかしフロストはミーティングには同席することはめったになかった。何故なら、番組のスポンサー探しというもうひとつの重要な仕事があったからである。
そして迎えた1977年3月23日、インタビューの初日。フロストは何といきなり、ニクソン側の取り決めを無視して録音テープの質問から攻め込んでいった。不意打ちをくらい、たじろくニクソン。しかし瞬時に体勢を立て直した彼は、ホワイトハウスにおける録音の歴史について延々と説明。まんまとフロストを煙に巻いた。
これは撮影風景ですが・・・・。
その後もフロストは単なる聞き役状態。この様子にレストンJRとゼルニック は焦りと苛立ちを募らせる。
2日後に行われたインタビューは、ベトナム戦争がテーマだった。「攻めろ」というバートのアドバイスに従い、カンボジア侵攻について、鋭いツッコミを入れるフロスト。しかし、ニクソンは、「逆にもっと早くカンボジアに侵攻していれば、もっと多くの米兵を救えた」と断言。自身の政策の正当性を強く印象づけることに成功!そして3回目、ニクソンの得意分野である外交問題のテーマは、もはやニクソンの独演会だった。
フロストのインタビューは、明らかにチームの狙いとは逆方向に進んでいた。
ゼルニックやレストンJRはニクソンが特赦によって追訴を免れたことに不満を持つアメリカ人に対して、テレビカメラの前で謝罪するニクソンを見せることが、ジャーナリストとしての自分たちの使命だと考えていた。
しかし今までのところフロストはニクソンを攻めきれず・・・・。偉大な大統領だとアピールさせるばかり。そのことで、レストンJRが爆発!チームに険悪な空気が流れる。
イースター休暇のため、インタビューが一時中断。そこへフロストにとってショッキングな知らせがもたらされた。彼のオーストラリアの番組が打ち切りになったのである。生活の糧が失われるという現実の重さに打ちのめされたフロストは、自分が重大な間違いを犯したのではないか?と感じ、不安と後悔にさいなまれる。
そんなときかかってきた一本の電話。それはニクソンからだった。今のところ、圧倒的にニクソンが優位に立っている。そのニクソンが挑発的な言葉をフロストに投げかけてきた。「私は君にとって最も手強い敵になる。スポットライトは我々の1人しか照らさない。もう1人は荒野が待っている。覚えておけ、ときが来たら私は全意識を集中して闘いに備える」
それを聞いたフロストの心の中で瞬時に炎が燃えあがった。なんとしてでもニクソンに勝ち、スポットライトの中で生き残ってみせる。意を決意したフロストはワシントンにいるレストンJRにウォーターゲート事件の再調査を依頼するのだが・・・・。
さてどちらに勝利の女神が微笑むのか?ニクソンに謝罪させるのは一筋縄ではいきそうにないようですね。さすが大物政治家です。外交が得意というニクソンをどのように料理するかはフロストの采配にかかってくる。難しいですね。観ている私は何が何だか、わかり難いです。政治はどうも苦手だな(>_<)
この笑みは勝利?それとも・・・・・?
監督ロン・ハワード
脚本:ピーター・モーガン 「クイーン」(06)の脚本も手がけている。
この方が本物のデビッド・フロスト氏です。
メディア | 映画 |
上映時間 | 122分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(東宝東和) |
初公開年月 | 2009/03/28 |
ジャンル | ドラマ/伝記/サスペンス |