ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ジェフ・ポーカロ (Jeff Porcaro)

2005年08月02日 | ミュージシャン


 話題にするには少し早いかもしれませんが、8月5日は、ジェフ・ポーカロ(Jeffrey Thomas Porcaro)が亡くなった日です。
 

     


 ジェフは三人兄弟です。
 長兄がジェフ、次男はベーシストでのちTOTOにも加わるマイク、末弟はTOTOのオリジナル・メンバーでキーボーディストのスティーヴです。 
 ポーカロ三兄弟の祖父も父もドラマーで、とくに父のジョー・ポーカロは西海岸でも著名なジャズ・ドラマーでした。
 その影響でジェフも子供の頃からパーカッショニストとしての練習を重ね、やがては米西海岸を代表する名セッション・ドラマーとして名を馳せるまでになります。
 飛躍的に日本で名が知られるようになったのは、やはりTOTOのメンバーとして活躍するようになってからでしょう。


     
     TOTO 「宇宙の騎士」


       
     TOTO 「Ⅳ ~聖なる剣」


 ぼくも、TOTOでジェフの名を知りましたが、実は、彼のプレイはすでに、ボズ・スキャッグスや、スティーリー・ダンのアルバムなどで耳に馴染んでいたんですね。


     
     スティーリー・ダン 「プレッツェル・ロジック」


     
     ボズ・スキャッグス 「シルク・ディグリーズ」


 そのほか、トミー・ボーリン、スタンリー・クラーク、ジョージ・ベンソン、ジャクソン・ブラウン、リー・リトナー、ケニー・ロギンスなどなどなど、錚々たる面々の、たいへんな数のセッションをこなしています。


 テクニック、センス、音色とも申し分のない素晴らしいドラマーです。
 あまり泥臭さを感じない、クリアーでスマートな印象が強いのですが、曲を最も生かすことのできる、ツボを心得たドラミングは、歌心にあふれていると言えるのではないでしょうか。
 反面、「ベイクド・ポテト」のセッションで聴かれるような、パワフルで凄まじいばかりのドラミングには、ただただ感嘆のため息が出るばかりです。


     


 ジェフは、正確無比なタイム・キープ能力と、バンドをグルーブさせ続ける強力なリズム感で、多くの音楽ファンを魅了しました。
 とくにTOTOの大ヒット曲として知られる「ロザーナ」で絶賛されている「ハーフ・タイム・シャッフル」は、ジェフの代名詞として語り継がれてゆくであろうリズム・パターンです。

 
 ぼくが理想とするドラマーのひとりである名ドラマー、ジェフ・ポーカロは、1992年8月5日、自宅の庭で薬剤を散布中に突然倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。
 死因は、薬剤アレルギーによる心臓マヒだったそうです。まだ38歳でした。         
 

     




コメント (2)
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