話題にするには少し早いかもしれませんが、8月5日は、ジェフ・ポーカロ(Jeffrey Thomas Porcaro)が亡くなった日です。
ジェフは三人兄弟です。
長兄がジェフ、次男はベーシストでのちTOTOにも加わるマイク、末弟はTOTOのオリジナル・メンバーでキーボーディストのスティーヴです。
ポーカロ三兄弟の祖父も父もドラマーで、とくに父のジョー・ポーカロは西海岸でも著名なジャズ・ドラマーでした。
その影響でジェフも子供の頃からパーカッショニストとしての練習を重ね、やがては米西海岸を代表する名セッション・ドラマーとして名を馳せるまでになります。
飛躍的に日本で名が知られるようになったのは、やはりTOTOのメンバーとして活躍するようになってからでしょう。
TOTO 「宇宙の騎士」
TOTO 「Ⅳ ~聖なる剣」
ぼくも、TOTOでジェフの名を知りましたが、実は、彼のプレイはすでに、ボズ・スキャッグスや、スティーリー・ダンのアルバムなどで耳に馴染んでいたんですね。
スティーリー・ダン 「プレッツェル・ロジック」
ボズ・スキャッグス 「シルク・ディグリーズ」
そのほか、トミー・ボーリン、スタンリー・クラーク、ジョージ・ベンソン、ジャクソン・ブラウン、リー・リトナー、ケニー・ロギンスなどなどなど、錚々たる面々の、たいへんな数のセッションをこなしています。
テクニック、センス、音色とも申し分のない素晴らしいドラマーです。
あまり泥臭さを感じない、クリアーでスマートな印象が強いのですが、曲を最も生かすことのできる、ツボを心得たドラミングは、歌心にあふれていると言えるのではないでしょうか。
反面、「ベイクド・ポテト」のセッションで聴かれるような、パワフルで凄まじいばかりのドラミングには、ただただ感嘆のため息が出るばかりです。
ジェフは、正確無比なタイム・キープ能力と、バンドをグルーブさせ続ける強力なリズム感で、多くの音楽ファンを魅了しました。
とくにTOTOの大ヒット曲として知られる「ロザーナ」で絶賛されている「ハーフ・タイム・シャッフル」は、ジェフの代名詞として語り継がれてゆくであろうリズム・パターンです。
ぼくが理想とするドラマーのひとりである名ドラマー、ジェフ・ポーカロは、1992年8月5日、自宅の庭で薬剤を散布中に突然倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。
死因は、薬剤アレルギーによる心臓マヒだったそうです。まだ38歳でした。