ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

「老い」は悪いことなのか

2005年08月04日 | 価値観

 ぼくはテレビはほとんど見ません。
 テレビより、本を読んでるほうが好きです。
 でも、ニュースはわりと見るようにはしています。
 

 今日夕方のニュースで。


 元有名野球チーム監督を夫君にもつ、(自称か他称かわからんけど)タレントのN・Sさん。
 辛口の意見がもてはやされていた彼女は、一時テレビにでまくってましたが、いろんなトラブルのためいつしか顔を見せなくなっておりました。


 ところが、今夕ニュースのスポーツ関連コーナーに彼女が取り上げられている。
 なんでも、200万円かけて顔のシワやたるみを取る美容整形を行うんだと。
 それをわざわざニュースで取り上げるのもどうかと思うが、思わず「ん?」と首を傾げざるを得なかったのは彼女のこのセリフでした。


 「(老いた顔は)人に不快感を与えるでしょ?」


 こういう価値観を持っているから、ぼくはこの人の下品で無遠慮な意見(ぼくは、この人の意見が『辛口』だなんて上等なものだと思ったことはありません)を以前からまったく信用していないんですね。


 「老い」は悪いことなのか?
 「老い」は迷惑なことなのか?
 「老い」は他人に不快感を与えているのか?


 「『老い』を不快と感じる心」が生じていることのほうが問題なんじゃない?
 「老い」は、きれいとか醜いという価値観で測るものじゃないですからね。
 

 彼女が何百万もかけて美容整形するのは彼女の自由です。
 「老い」を醜いと思うのも彼女の自由。
 でも「辛口評論家」を気取っている彼女が、公の場で中味のない言葉を(毒舌だと勘違いして)吐き散らしていることこそ、不快です。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 


追記(2020.7.18)
 
この記事を書いた当時はこのように思っていました。
これ関するぼくの価値観は変わってはいませんが、いまでは「いろんな価値観があっていいんだ」くらいに思えるようになりました。
自分がN・Sさんに同意するかどうかはまた別の話だし、同意できなくても否定することはないですね。
ぼくは、自分の物差しで正邪を決めて、裁いているだけでした。
どう考えようがそれは「N・Sさんの自由」だという視点がこの頃のぼくにはなかったなあ。
N・Sさんも、そのご主人も今では故人となりました。
謹んでおふたりのご冥福をお祈りいたします。



コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする