サイモン&ガーファンクルは、非常に幅広い音楽性を持つコンビです。
透明感がある反面、どこか土の香りがする温かい歌声を聴いていると、不思議な懐かしさを覚えます。
サイモン&ガーファンクル
たくさんの重荷を背負って疲れている自分に気づく時ってありませんか。
なんとなく虚無感におそわれたり、なんとなく弱音を吐きたくなったり、なんとなく泣きたくなったり。
そんな時、この曲の、やさしさと強いメッセージが込められた歌詞や、美しく荘厳なメロディーによく慰められました。
「明日に架ける橋」は、スケールの大きなゴスペル風のメロディーと、深く温かな愛が根底に流れる歌詞を持つ、ポピュラー音楽史に残る不朽の名作と言えるでしょう。
1970年のチャートではアメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ニュージーランドで1位を獲得したほか、アイルランド、スペイン、オーストラリアで2位、ドイツで3位、オーストリアと南アフリカで4位、スイスとオランダで5位となるなど世界的な大ヒットを記録しました。同年のグラミー賞では、最優秀レコード、最優秀アルバム、最優秀コンテンポラリー歌曲など、5部門を受賞しています。そしてこの曲、のちにはアレサ・フランクリンや、エルヴィス・プレスリーなど、多くのミュージシャンにカバーされています。
アルバム「明日に架ける橋」
ジャケット違いのシングル「明日に架ける橋」
作者のポール・サイモンによると、この曲はバッハの「マタイ受難曲」の中に出てくる讃美歌をモチーフにしているそうです。
時には、サイモン&ガーファンクルの自然なサウンドに身をゆだねて、寛いでみるのもいいかもしれませんね。
[歌 詞]
[大 意]
生きることに疲れはて
みじめな気持ちで涙ぐんでしまう時
その涙をぼくが拭ってあげよう
ぼくはきみの味方だよ
どんなに辛い時でも 頼る友が見つからない時でも
苦悩の川に架かる橋のように
ぼくはこの身を横たえよう
きみが打ちのめされ あてもなくさまよう時
夕暮れが冷たく垂れこめる頃
きみを慰めてあげよう
暗闇が立ちこめ 苦痛がきみを覆う時
ぼくが身代わりになろう
苦悩の川に架かる橋のように
この身を横たえよう
出帆するのだ 銀色の乙女よ
帆をあげて進むのだ 今こそきみは輝くのだ
きみの夢はすぐそこまで来ている
眩しい光で輝いているのが見えるだろう
ひとりで心細いのなら ぼくが後ろからついて行こう
苦悩の川に架かる橋のように
きみの心を和ませよう
◆明日に架ける橋/Bridge Over Troubled Water
■録音
1969年11月9日
■シングル・リリース
アメリカ 1970年1月20日
日 本 1970年3月21日
■作詞・作曲
ポール・サイモン/Paul Simon
■プロデュース
ポール・サイモン/Paul Simon、アート・ガーファンクル/Art Garfunkel、ロイ・ハリー/Roy Halee
■歌
サイモン&ガーファンクル/Simon & Garfunkel
■録音メンバー
ポール・サイモン/Paul Simon (vocal)
アート・ガーファンクル/Art Garfunkel (vocal)
ラリー・ネクテル/Larry Knechtel (piano)
ジョー・オズボーン/Joe Osborn (bass)
ハル・ブレイン/Hal Blaine (drums)
■チャート最高位
1970年週間チャート アメリカ1位(ビルボード 1970.2.28~4.4 6週連続)、イギリス1位、日本11位(オリコン)
1970年年間チャート アメリカ(ビルボード)1位、イギリス5位