♪これも「鬼のパンツ」の一種といってよいでしょう(笑)
お遊戯歌として知られている「鬼のパンツ」。誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
鬼のパンツはいいパンツ つよいぞ つよいぞ
トラの毛皮でできている つよいぞ つよいぞ
五年はいてもやぶれない つよいぞ つよいぞ
十年はいてもやぶれない つよいぞ つよいぞ
はこう はこう 鬼のパンツ
はこう はこう 鬼のパンツ
あなたも あなたも あなたも あなたも
みんなではこう 鬼のパンツ
今日は、ここにもよく遊びに来てくださるhippocampiさんがリクエストして下さったので、「鬼のパンツあれこれ」ということでお届けいたします。
陰陽五行で、鬼の出入りする方角を鬼門といい、十二支に当てはめると丑寅(北東)の方角になります。これらのことから、牛のような角、虎のような牙、虎皮ふんどしという鬼のイメージが定着した、と考えられています。
さてこの「鬼のパンツ」、カンツォーネの「フニクリ・フニクラ(Funiculi, Funicula!)」の替え歌なんだそうですね。
作詞はペッピーノ・トゥルコ(Peppino Turco 1846~1903)、作曲はルイジ・デンツァ(Luigi Denza 1846~1922)です。
1880年、トーマス・クック旅行社によってベスビオ火山(79年に大噴火してポンペイの町を埋没させたことで有名)への登山鉄道(ケーブルカー=フニコラーレ)が敷設されましたが、勾配が非常に急だったため、利用者がほとんどいませんでした。そこでこの登山鉄道にお客を勧誘するべく、L・デンツァに依頼して作曲されたのが「フニクリ・フニクラ」です。
ビエディグロッタ音楽祭で発表されると大評判となり、当時としては驚異的な1万枚の売り上げを記録しました。そして、鉄道の利用者もめでたく大幅に増えたそうです。
これは世界で最初のCMソングとも言われています。
フニコラーレ
ちなみに、ベスビオ火山は1944年3月22日に大噴火、このため鉄道は廃止となりました。現在では二人用リフトが客を火口付近まで運んでいます。
この歌の原詞はナポリ語で書かれています。
余談ですが、俗にイタリア語と言われているものはトスカーナ語をベースにしたもので、ほかにナポリ語やミラノ語など独立した言語に近いものがあるため、例えばナポリ語で放送する時にはイタリア語の字幕スーパーが出たりするそうです。
日本では、フニクリ・フニクラを原曲とした「となりの横町」が、1929年に二村定一の歌で発表されています。
1961年にNHKの「みんなの歌」で紹介されてから、全国的に広まりました。
もともとは登山電車に乗って山をのぼりおりしながら結婚を決意する男性を歌った愛の歌でしたが、日本では、「みんなの歌」という番組の性格上、幼稚園や保育園などで行われる集団遊戯の歌として定着したようです。そして、とくに世界的に広まっているわけではないみたいですね。
「フニクリ・フニクラ」の日本語詞は清野協氏と青木爽氏の共作ですが、これは訳詞ではありません。
「鬼のパンツ」の作詞者は不詳とされていますが、1953年頃にボーイスカウトの関係者によって作られたとか、この歌を歌い始めた田中星児氏によって作られた、などの説があります。
またこの曲の替え歌としては「ウサギのパンツ」、「トラのパンツ」、「グリとグラ」、「唐揚げモミモミ」などがありますが、ここでは「キノコバージョン」を紹介しておきましょう。
♪赤いキノコは毒キノコ うまいぞ うまいぞ
ひとくち食べれば笑いだす わははは わははは
ふたくち食べれば踊りだす うほほほ うほほほ
みくち食べれば回りだす ありゃりゃりゃ ありゃりゃりゃ
食べろ 食べろ 赤いキノコ
食べろ 食べろ 赤いキノコ
あなたも わたしも あなたも わたしも
みんなで食べろ 赤いキノコ
なんだか、ちょっとシュールですね~