ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ならず者 (Desperado)

2005年08月03日 | 名曲

 「Desperado(デスペラード)」とは、「(西部劇に出て来るような)無法者」という意味です。
 ドン・ヘンリーとグレン・フライの共作で、言わずと知れたイーグルスの名作中の名作です。リンダ・ロンシュタットやカーペンターズなども取り上げていますね。


 歌詞を書いたのはドン・ヘンリー。書きあげたのは26歳の時でした。
 内容は、「人生の転換期に差しかかっている友人に宛てた忠告」という体裁をとっていて、いま一度「生き方」について向き合ってみよう、と語りかけています。
 

     


 「イーグルスの代表曲」という枠にとどまらない、アメリカのポピュラーソング史に残る素晴らしいバラードだと思います。
 ピアノだけをバックに淡々と始まり、ホロ苦さと男の色気で満たされてゆくこの曲、ドン・ヘンリーの艶やかでややハスキーな声が、たまらなく魅力的です。


     


 メロディの良さはもちろんですが、歌詞がこの曲にさらなる深みを与えています。
 もともと自分たちの価値観を歌詞に織り込むことの多いイーグルスの曲ですが、とくにこの曲に現れている人生観は、青春時代を過ぎたぼくに重く優しくのしかかっています。


 歌詞が忠告している「ならず者」はぼくであり、あなたたちなのかもしれません。
 たしかに今のぼくは、ただ年を重ねただけで、まだまだ危なっかしいのです。
 しかし、今は雨なのかもしれないけれど、
 ぼくらの遥か上には、そう、虹が輝いているんですね。
 


     


[歌 詞]
[大 意]
君はまだ気づかないのか 長い間危ない目に遭ってきたのに
君は頑固者だ 君なりの理由があるのはわかるけれど
君が楽しんでいるその生き方が 君を傷つけているのだ

ダイヤのクイーンを引いてはならない
彼女は君を打ちのめすことができるのだ
君の最良の手はハートのクイーンなのだよ
私から見れば君のテーブルには 随分といい札があるように思えるのに
君はひたすら手の届かない札ばかり 追い求めている

ならず者 もう若さを取り戻せはしない
痛みと飢えとが 君を故郷へと向かわせる
自由、自由だって? そんなのはただのお話だ
君は この世を一人ぼっちで歩いて行く囚人なのだ

冬は足が凍えないかい? 
雪も降らず 太陽も照らず 昼と夜との区別もつかない
自分の立場もわからず
感情まで失うなんてバカげたことじゃないか

ならず者 君はまだ気づかないのか
危険を追いかけるのはもうやめにしよう
雨が降っているかもしれないけれど 君の遥か上には虹が輝いている
誰かの愛を受け入れるのだ 手遅れにならないうちに




ならず者Desperado
  ■歌・演奏
    イーグルス/Eagles
  ■発表
    1973年4月17日
  ■収録アルバム
    ならず者/Desperado (1973年)
  ■作詞・作曲
    ドン・ヘンリー、グレン・フライ/Don Henley, Glenn Frey
  ■プロデュース
    グリン・ジョンズ/Glyn Johns
  ■録音メンバー
   ☆イーグルス/Eagles
    グレン・フライ/Glenn Frey (guitar, vocal)
    バーニー・リードン/Bernie Leadon (guitar, vocal)
    ランディ・マイズナー/Randy Meisner (bass, vocal)
    ドン・ヘンリー/Don Henley (drums, vocal)


コメント (10)
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