箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

心は前向き

2021年01月20日 16時43分00秒 | 教育・子育てあれこれ
最近の天気予報は精度が上がったと感じます。


「明日は午後から雨が降るでしょう」といえば、その通りになります。

以前は、天気予報が外れることはよくありましたが、いまはほぼ正確な予報を出してくれます。

若い人の中には、「天気予報士になりたい」という人もいます。

この資格をとるのはなかなか難しく、何度も受けてやっと合格する人が多いようです。

また、スマホの普及で、天気予報をアプリで見ている人も増えました。

予報を知りたい地域に合わせて、天気情報を知ることができます。

ハワイでは、「No rain,no rainbow」という言葉があります。

雨の日は浮かない気持ちになるが、雨が降らなければ虹は出ないのです。

苦しみやつらさを知らないと、ほんとうの楽しさや喜びはやってこない。このような意味に解します。


ところで、人びとは、わたしもそうですが、「明日の天気はどうなるだろう」と気になります。

明日の天気予報を気にする人は、悲しいことやつらいこと、悩みなどがあっても、大丈夫だとわたしは思います。

なぜなら、明日のことを気にしている時点で、その人の気持ちは明日に向いているからです。
心は、前に向いているからです。

リーダーの役割は連帯感を生み出すこと

2021年01月20日 08時24分00秒 | 教育・子育てあれこれ

前回の緊急事態宣言のときは、増加する感染者数の情報などに接し、多くの人びとは「自分も感染するかも」という恐れから外出を控えていました。

でも、その恐れは去年の夏以降弱まっています。

感染しても重症化しにくいと知った若い人をはじめとして、既往症を持つ人と高齢者を除く多くの人から、「得体の知れない」ウイルスへの恐れが薄れてきたのかもしれません。

この現状では、私は人びとに意識の変化をもたらす対策が、いま必要だと思います。

意識の変化とは、感染の問題を自分を軸にとらえるのでなく、周囲に感染させないようにしようとする「利他の態度」をもつことだと思います。


そもそも今の時代は、一般的に、ものごとへの関心が自分に向きやすい傾向があります。

社会学では「プライバタイゼーション」(=privatization)と呼ばれています。

私のことをわかってほしい。

私はこんなに傷ついているの。

私のたいへんさを知ってほしい。

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心が傷つきやすい現代には、他者よりも「わたしが、わたしが、わたしの、わたしの」というように、自分に関心が向きやすいのです。

だから、新型コロナウイルスに関して、前回の緊急事態宣言のときは、「私が」感染したらどうしようという恐れが生まれ、外出を控える人が多かったのでしょう。

そこで、今回の緊急事態宣言では、周りの人に関心が向き、その人たちに感染させないようにしようという意識変化で外出するという行動を食い止めるのです。

意識を変化させ、「利他の態度」を呼び起こすのは、それほど簡単ではありません。

こんな時こそ、国のリーダーが、国民の心に響くような、人間を大切に思う熱い呼びかけをするべきです。

これは、私が校長で生徒たちにそのような語りかけをしてきたから、よけいにその必要性を思うのかもしれません。

でも、ドイツのメルケル首相は、人間味のある温かい演説をして、ドイツ国民の共感を呼び起こしました。

リーダーとは、そのような役割です。

わが国でも、「厳しい状況だけれども、今こそお互いに守りあいましょう。日本とはそれを実現する国です」などと訴えるメッセージを政府が出すべきです。

それを聴いた人は、「そうだ、私たちはこの国、日本で生きているのだ。みんなでがんばろう」という連帯感をもちます。

連帯を呼び起こすメッセージは、「利他の態度」がキーになります。