文部科学省の不登校に関する調査では、不登校になる前に児童生徒が相談した相手は家族がいちばん多く、約半数の子が相談しています。
しかし、不登校になる前に、教師やSC(スクールカウンセラー)に相談した子は、約1割程度で低迷しています。(2019年度に不登校を経験した児童生徒・保護者を対象に実施した調査)
この点だけをみると、専門的な教師やSCは相談相手として、児童生徒は頼りにしないという傾向がうかがえます。
SCは常時配置されず、学校に常駐しているのは、きまった曜日だけのこともあり、相談したくても学校にいないこともあります。
また、子どもからすれば、そもそも子どもが相談するにはふだんからの人間関係がなく「敷居が高い」ということもあるかもしれません。
そして、この調査結果を受け、教師はもっと相談相手として選んでほしいという印象を受けます。
ただ、小学生の場合、学校へ行きづらいと感じたのは「先生がこわい」という先生の存在が学校へ行きづらいきっかけになっている場合もあることが明らかになっています。
この点を改善しなければ、先生が相談相手には選ばれることはありません。
学校に行きづらいと感じたきっかけは、先生のこと以外に、「体の具合がよくない」「友だちのこと」「生活習慣の乱れ」などがあり、先生が小学生の相談相手としてもっと子どもから選ばれるようになるべきです。
中学生の場合は、思春期の重なりとともに、大人へ相談するのは、繊細な心の動きや心のひだを理解してくれる信頼できる先生でないと、子どもが先生を相談相手に選ぶことはありません。
ただ、とりわけこの調査でもっとも気になるのは、「誰にも相談しなかった」という子が約4割になっているという調査結果です。
一人で登校しづらさを感じて、一人で学校に行けなくなる(行かなくなる)子どもの胸の内、そのつらさを肌で感じとることができ、その子の力になりたいと思うおとなが必要です。
また、子どもが不登校になった保護者の心境は、「相談する相手がわからない」「なにか孤立無援のように感じる」という声に代表されます。
不登校は,多くの人が「生きづらさ」を感じる今の時代にあっては、誰もが学校に行けなくなっても不思議ではありません。
不登校の子どもの状況は多様で、それぞれにより支援のありようもかわります。
その子その子に応じた本人への支援はもちろん、保護者が「先生に頼ってみよう」と思えるような十分に相談できる体制づくりがとくに必要です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます