コロナ禍で学校が受けた影響は、今さらながらたいへん大きいものがあります。
2020年3月に全国の学校が一斉に休業しました。これは今後おそらく歴史に残る事実になるでしょう。
校長にすれば、初めてのことで行政や校長会で学校講ずるべき対応の指針が出るまでは、「明日の学校をどうするか」という手がかりを求めながら、試行錯誤を重ねたのです。
学校を一斉に休校にするなら、親の就労の問題や子どもに及ぼす影響などが懸念されるのが当然だったのですが、唐突に休校になりました。
未経験の感染症拡大であり、そこには危機感を多くの人々がもっていたので、休校も当然とるべくき選択肢の一つであったことはたしかです。
ただ3年が過ぎた今、一斉休校という措置については、総括する必要があるでしょう。
ということを念頭に置き、コロナ禍は学校にどんな影響を与えたのしょうか。
学力面での影響は目立った変化は見られません。
ところが、運動面・体力面での低下は大きく表れています。
スポーツをする機会が減った、外で遊ぶ時間が短くなったという事情で課題がはっきりと表れました。
不登校の児童生徒が増加しました。
2022年度には、およそ24万人になりました。これは全国的に見ると、1校に8名程度の不登校児童生徒がいるという計算になります。
このように考えると、全国一斉休校の影響は学校の姿を大きく変えたと言えると思います。
毎日学校に通い、対面授業があり、友だちとふつうに話しながら昼食をとり、学校行事を楽しみ、部活動に参加するというような学校生活ができることが、当たり前だと思っていた。
でもそれは当たり前ではなかった、奇跡だったことをあらためて実感した児童生徒も多かったことでしょう。