わたしは、中学校の社会(地理)の授業で、次のように習ったのを覚えています。
「日本は資源がない国です。天然資源のほとんどを外国からの輸入に頼っています。だから資源を輸入して、製品を輸出するため工業国として活躍しています」
それが1970年代の頃でした。
そして、その後日本は世界第2位の経済国として発展してきました。
しかし、1980年代のバブル崩壊後、不景気が続き、経済界では「失われた30年」と呼ばれてきました。
そして、世界第2位の経済大国は、中国に抜かれて3位になっていましたが、この前ドイツに抜かれて4位。
来年には、国民総生産は、インドに抜かれ、世界の経済大国日本は5位に転落するであろうという見込みです。
わたしは何が何でも、経済大国の地位を守る至上主義ではありません。
それよりも、日本の国民全体の暮らしが豊かで、幸福感を享受できる国であることの方が大切です。
話題をもとに戻します。日本はなぜこうも停滞した国になったのでしょうか。
それは働く人を大切にしてこなかったからでしょう。
最大の誤りは、バブル崩壊後の1990年代以降、企業が長らく働き手をコストとしか見なさなくなったことです。
人員削減や正規雇用から非正規雇用への切り替えなどを進めました。
当時の日本は、経済のグローバル化が加速し、対応を迫られていました。
国際競争力が低下する中、収益確保するため従業員のリストラに走ったのでした。
新卒採用も大幅に減らされ、「就職氷河期世代」を生みました。
天然資源の乏しい日本が、高度経済成長期に唯一の強みとしてきた人材基盤は大きく後退したのでした。
また、2000年代以降の世界的なデジタル革命の波に乗り遅れ、ソニーのウォークマンのような画期的・革新的な商品やサービスを創出できなくなったのでした。
それは人材への投資を怠ってきた結果です。
今後、従業員が安心して働くことができるよう、国は社会保障制度の立て直しに全力を注ぐべきです。
企業は社員を大切にして、社員教育など人材への投資を拡充していくのです。
人口が減り続ける日本が生き残るには、年齢や性別、国籍に関係なく、一人ひとりが活躍でき、幸福感を味わうことのできる環境づくりです。
心豊かな暮らしができるように願います。
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