第2次世界大戦の終結から78年が経った今、当時10代だった人も今年で90歳ちかく、または90歳代になっておられます。
学校の平和教育では、戦争の悲惨さや平和の尊さを児童生徒に伝えるとき、戦争体験者の高齢化で、直接当事者から体験談を聞ける機会が減っています。
さらに今後、もっと難しくなることが予想されます。
また、私も戦争は知りませんし、学校教育現場には戦争体験者の教員は一人もいません。
みんなが知らないのです。とくに若い教員が増え、世代交代が進むなか、教員側のとまどいもあります。
このような実態を考慮し、戦争体験を話したり、原爆の被爆伝承を継続していくため、デジタル教材に頼っていくのも方法の一つになります。
長崎市の核兵器廃絶研究センターは被爆体験をデジタル化して教材に役立ててもらえるよう取り組んでいます。
今の児童生徒への平和学習の課題は、日々の暮らしのとの隣り合わせの連続性のなかで戦争体験や被爆体験を学習することです。
「78年前って、こんなたいへんだったんだ(でも、それは昔のことだよね)」と子どもたちがとらえるだけで終わってしまわない学習にしたいわけです。
ところが、考えてみれば広島平和祈念資料館にしても長崎原爆資料館にしても、展示は原爆投下による被害を記録したものがほとんどです。
そこで、長崎のこの研究センターでは、被爆前の人びとの日常生活がわかる資料や写真もデジタル化して、原爆被害の状況と合わせてデジタルで見ることができるように工夫されています。
78年前の戦争を、いまの児童生徒が自分の日常生活に引き寄せて考え、平和の尊さを学ぶかが、学校の平和教育の課題となっています。
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