人というものは、やっかいな存在です。
人一人の心の中には、たくさんの他者がいます。
あの人にあんなひどいことを言われたのは、わたしのことがきらいだからだ。
私って、あのチームに必要でないのかもしれない。
あの人のせいで、私がこんなに困ることになった。
私は、何度か中学生に、「ときには、孤独になりなさい」と、言ってきました。
それは、孤独になり、自分を見つめて、客観的に眺めると、自分の変化や成長がわかるからだと言ってきました。
もう一つは、雑多な思いから離れ、静かな時間を過ごすことで、無心になることができるからです。
つまり、人と比べて一喜一憂するのではなく、妄想から離れることが必要だからです。
そうすると、心はネガティブな方向へ傾かないのです。
ただし、無心になったからといって、悩みがなくなるのではないでしょう。
ただ、何かあった時の、気持ちや心の切り替えが早くなります。
平常心に戻りやすくなるのです。
こんな体験を積んでいき、中学生はおとなになっていきます。
そして、孤独から離れ、また人の輪の中に戻ることができるのです。