キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

夏草の生い茂る紫香楽の宮跡

2011-08-04 10:12:36 | 旅行
            

          信楽高原鉄道の人っ子一人いない山中の駅の名は「紫香楽宮跡駅」。

            

              駅からほど近い林の中に宮跡がありました。

            

          「あおによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」と詠まれた

          平城京も、藤原広嗣の乱などで政情不安になり、聖武天皇は都を恭仁

          京へ、さらにこの紫香楽の宮へ移そうとしたのだそうです。なぜこんな

          所へと思わずにいられない山深い辺境です。その理由は今もはっきり

          せず、規模も平城京に比べれば格段に小さかったようです。

            

          信楽の陶器屋のおばさんが「聖武さんも、ここがあんまり山の中やよって

          じきに逃げ帰らはったそうやわ」と言っていたように、火事やら何やら天

          変地異が続いたこともあって、都造営開始からたった4年ほどで、元の

          奈良の都へ戻ったとのこと。都造りに関係した人々は「一体何だったん

          だ」と思ったことでしょうね。

            

          紫香楽の宮は別の場所で、ここは甲賀寺跡だという説もあるようです。

          そういえば、ここは滋賀県甲賀の里。あの忍者で有名な伊賀、甲賀の
          
          甲賀です。ともあれ、鬱蒼とした木立の中に、礎石がたくさん残ってい

          て、1300年も前、束の間にもせよ、ここに日本の都があったのだと思

          うと、不思議な感覚に襲われます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする