西伊豆の黄金崎にたくさん咲いていた浜木綿。これはまだつぼみ。
満開の浜木綿。彼岸花に似ていると思ったら、やはりおなじヒガンバナ科。
古代、布を細く裂いて神事に使った木綿(ゆふ)というのに似ているか
ら、この名がついたとか。万葉集にも一首だけこの花の歌があります。
み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも 柿本人麻呂
「浜木綿の花が折り重なって咲くように、あなたのことを想い続けて
いますが、実際には会えないのですね」というような意味でしょうか。
どんな状況の二人なんでしょうね。すてきな相聞歌です。
花が咲いた後はこんな実になります。熟して破裂し、中の種が飛び出して
海に落ち、何カ月も漂流することがあるそうです。そうしてあちこちに広まっ
たのでしょう。冒険心のある植物です。そういえば、浜木綿子さんという名
女優がいらっしゃいますね。きっとこの花から名前をつけられたのでしょうね。