真夏には、ひまわりやハイビスカスのように大きくて華やかな花
も似合いますが、この鳳仙花のように葉の陰に小さく可憐な花を
つけるものも、愛おしい感じがします。「てぃんさぐぬ花」という沖
縄民謡があります。「てぃんさぐの花で指を染めなさい、親の言葉
で心を染めなさい、、、」私の好きな歌の一つです。このてぃんさぐ
は鳳仙花のことなんですね。韓国や日本やアジアの国々で、昔か
ら女の子が指を赤く染めるのに、鳳仙花を使ったようです。あまり
女の子らしい遊びをしてこなかったからか、私は知らなかったの
ですが。オリエンタルな雰囲気の花です。
この白い小花もこの頃よく見かけます。何の花かと思ったら、
韮の花なんですね。万葉集には久々美良なんていう名前で
出てくるそうです。臭いが強いからか「ニラ」と聞いて「美しさ」
はイメージしがたいですが、夕方がよく似合う涼しげな花です。
足元にゆふぐれながき韮の花 大野林火
このきれいな花も茗荷の花と聞いて、ほんとに?と思う人がいる
かもしれませんが、ほんとです。生い茂る細長い葉の間、そここ
に咲いていました。これもちょっとさびしげな夜の似合う花です。
いつのびし茗荷の花や夕月夜 中村苑子