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遠い山から吹いてくる こ寒い風に揺れながら
気高く清く匂う花 きれいな野菊うすむらさきよ
秋の日ざしをあびて飛ぶ とんぼをかろく休ませて
静かに咲いた野辺の花 やさしい野菊うすむらさきよ
霜が降りてもまけないで 野原や山にむれて咲き
秋のなごりをおしむ花 あかるい野菊うすむらさきよ
「野菊」 石森延男作詩・下総皖一作曲
うすむらさきの野菊が似合う季節です。この素朴な歌、小学校の音楽の
教科書に載っていた記憶があります。大好きな童謡の一つです。作詩の
石森延男さんは児童文学者ですが、そのやさしく純な人柄がにじみ出て
いるような良い歌詞です。たくさんの児童小説を書いていらっしゃいます
が、「コタンの口笛」が一番有名でしょうか。子供の頃泣きながら読んだ
記憶がありますが、このごろはあまり読まれないようですね。
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伊藤左千夫の「野菊の墓」なんかも、今の若者は読むでしょうか?
映画にもなりましたが。素朴な小さな野菊のごとき民子のイメー
ジが切ない、美しくも悲しいお話です。
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でも、菊といってもこんな華やかで見事なものもありますね。
菊人形や菊花展や、昔から日本人は菊好きなよう。