キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

柿と林檎

2011-11-24 10:22:50 | 季節の花々
りんご
スーザン バーレイ,Susan Varley
かまくら春秋社
ざぼんじいさんのかきのき (のびのび・えほん)
織茂 恭子
岩崎書店


          柿も林檎もおいしい季節です。作家の三木卓と『わすれられないおくり

          もの』のスーザン・バーレイの『りんごThe Apple Tree』と安房直子の

          名作『きつねの窓』の絵を描いた織茂恭子の『ざぼんじいさんのかきの

          き』を読みました。

          

          山登りの男の人が食べた後捨てたリンゴの芯を、リスが拾って食べました。

          残った種を日当たりのいい丘のすそにまきました。やがて芽が出て、リ

          ンゴの木は少しずつ大きくなっていきました。リスやミミズやモグラや

          クマやキツネや、色々な動物に邪魔されたり助けられたりしながら、

          季節を何度も過ごして。やがてやさしいお月さまに見守られて、リンゴ

          の木は白い花を咲かせ、赤い実をつけました。でも嵐がやってきて、リ

          ンゴの実は全部落ちてしまいました。でも大丈夫。リンゴは森の仲間

          のお家に一つずづ転がっていきました。来年はもっとたくさんおいしい

          リンゴが実ることでしょう。『りんご』

          

          ざぼんじいさんの柿の木にいっぱいおいしい柿が成りました。でもけち

          んぼうのじいさんはだれにも一つもあげません。隣のまあばあさんが

          行くと、柿のへただけくれました。まあばあさんはそれでも喜んで、

          そのへたで独楽を作って子どもたちと遊びました。それを見たじいさん、

          またへたをもらいに来られたら大変と、柿を全部もいで納屋へしまいこ

          み、まあばあさんには葉っぱしかくれません。婆さんはそれでも喜んで、

          子どもたちと今度は葉っぱのお人形や首飾りを作りました。それを見た

          じいさん、葉っぱを全部振り落として、ばあさんには細い枝をくれまし

          た。まあばあさん、今度は枝の先にパン種をくっつけて、たき火で焼い

          て、子どもたちとおいしく食べました。それを見たじいさん、枝をもら

          いに来られては大変と、木を伐ってしまいました。まあ、なんてことを

          したんでしょう。でも大丈夫。子どもたちが納屋にしまっていた柿を全

          部食べて、その後柿の種をあちこちにまきました。きっと甘い柿の実が

          たくさんなる木がはえてくるでしょう。『ざぼんじいさんのかきのき』

          

          この二冊の絵本は、洋の東西で絵の雰囲気はちょっと違いますが、どち

          らも昔話風の繰り返しが楽しく、また果物って、種をまけば、やがて芽が

          出て、木になって、実がなることを教えてくれる絵本です。『りんご』は

          作家の三木卓が文を書いて、それをスーザン・バーレイが英語に訳し

          絵をつけたという変わり種です。日本語と英語を読み比べるのも楽し

          い絵本です。

            

コメント
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