ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

現代坪庭考

2007年08月29日 | ガーデン
久方ぶりに、ブログを見直してみました。
で、ふと、思ったこと…坪庭について。

つい先日の事。ぞーえんやの社長さんが、ふとおっしゃっていた一言。「これからは、坪庭の洋風版を考えるといいのかもしれないねえ。」

この背景には、
・古いお屋敷が減った→日本の造園の神髄と言えるほどの技術が必要なお庭がなくなった
→1軒1軒の敷地が小さくなり、お庭を作る広さを確保するのが難しくなった→「見る庭」から「使う庭」へとお庭の性格が変わってきた、ということがありまして。

これからのお庭はどうなって行くんでしょうねえ~、洋風の庭がもてはやされていますが、それでもちょっと和風回帰してきましたよねえ、としゃべっていた中のお言葉。

なるほど、坪庭の洋風版かあ。ローメンテナンスで、シンプルで…。

なんて会話がこの数日頭にあった訳ですが。

久々に前に載せた下の写真を見て、「!」と気が付いたことが(ヒラメイタ訳ではない)。

この坪庭の写真、庭主的にはお気に入りなのですが。とってもシンプルで、奥ゆかしくて、でも、どこか「かわいらしい華やかさ」があって、建物を引き立てている…。

まさに、引き算が生み出す緊張感と気品。


でも。ちょっと考えてみて?このお庭を、もしも現代の戸建て住宅にそのまんま当てはめたなら。

なんとも、味気ない、面白みのない庭だと思いませんか???
それは、なぜでしょう???

「そりゃ、和風だから。」って、答えもあるでしょうが。

もっと、大きな違いを感じたのです。
それは、建物の材質。

回りを巡っている建物は、そのまま、「坪庭」という絵の「額縁」なのです。
木材や土壁で構成された茶色い額縁は、色合いも触り心地もあたたかく、木目や細工が日の光や年月のうつろいにより、千変万化の表情を持つ。
そんな有機的な柔らかさが、坪庭の冷たいほどに突き放したシンプルさの中にも、ある種の優しさを醸し出しているのです。

でも、現代の戸建ては、石やタイルといった、無機質な素材、もしくはそれらを模した外装がほとんどです。
つまり、坪庭が従来のような石を使ったシンプルなものであればあるほど、額縁の無機質感と同化してしまうのですね。だから、妙にのっぺりと、間が抜けて見えてしまう。壁とのメリハリが効かないというのでしょうか。必要以上に侘びしく見えてしまう。

どうも、ホテルのロビーなんかの坪庭がお金がかかってる割にまがい物に見えてしまう訳です。

では、洋風の家に似合うような坪庭とは?
ヨーロッパの家には何がありましたっけ。石壁の家にあったのは、ウィンドウボックスに、大きな鉢植えの木に、壁を這わせたバラ。

単純に和風じゃない、借り物の洋風でもない…

さあ、「新しい坪庭」、なにかイメージは浮かびましたでしょうか???
(そしたらこっそり教えてねっ!てね~。庭主はまだ思索中よ。何かつかんだような気もしたんだけど…。)(^^;)