帰省した時訪れた、広島の縮景園にて。
おお~っ!なんてうつくしい。変化に富んでいて、お庭の表情もどことなくたおやかです。池の汀は石の土留めを見せず、毛越寺のように土のままなだらかに水面へと傾斜してゆきます。樹々の緑はあおあおとまぶしく、点在する草庵や橋も美しい。
そして、この明るい美しさを「裏打ち」しているのは…。
そう。土の色。
穏やかな薄黄色の土が、重なる瑞々しい草の葉を透かして、ハイライトのように輝いている。
…よく、黄色のハイライトを使ったなあ…。庭のデザイン画を描くとき、明るくてしあわせな雰囲気を出したくて、全体にほんのすこし、ごく薄~く溶いた黄色の絵の具をかける。最近描いてないけど。
そんな効果を自然にかなえている、この土の色。
このマサ土は、花崗岩が風化したもの。関西では一般的だけれど、広島では特に多いらしい。踏み固めるととても締まりやすい(が、粘土のような粘りはない)。天然のタタキといえば言い過ぎか。植物にとっては肥料分が少ないが、そのおかげで樹々の成長をコントロールしやすい。苔の定着もよく、また、肥沃な黒ボク土に比べれば雑草もある程度防ぎやすい。実に日本庭園向きといえようか。
そして。あらためて庭主の滋賀の実家の畑を見ると。たしかにここも「マサ土エリア」なのだけれど、扇状地なので、掘っても掘っても川の流れで堆積したガラガラの石が。鍬が跳ね返されてちっとも進まない。これ、耕耘機大丈夫なんだろうか。なかなか耕す気にはならないな~。ちっちゃな家庭用の畑はあるけど、だから田んぼが多いのか???
もっと湖岸に近い長浜や彦根の方まで行くと、それが砂地が多くなるらしい。お嫁に来た人が、畑の土の違いにビックリしていたそうな。
千葉の北ののーえんは、黒ボクも黒ボク、もう、すごい粘土。作物はよく育つけど、雨が降ったらぬかるんで、畑を歩くのも一苦労。農家さんは、昔から「雨が降ったら畑に入るな」と言われているとおっしゃっていました。
そして。市川でお仕事しております菜園。他所から黒土を持ってきたのだそうですが、思ったよりも保水力がない。水をやってもやってもすぐに蒸発してしまうのは、この酷暑のせいだけではないような。
「ひりょうやってないんじゃないの~?」と、通りすがりの腕に覚えのある方々からよく声をかけられるのですが。どちらかといえば、やってるけど、水の蒸発が早すぎて肥料が溶け出す暇がないってかんじ。自分で測定してないから分からないけれど。
ダンボールコンポストに入れた生野菜は、1~2週間もすれば中の土にまぎれてなくなってゆく。まさに、土に還ってゆくんだな~、と実感。微生物に分解されてゆくんだな、と頭では分かっていても、まだまだ不思議がいっぱいです。
場所が変われば土も変わる。植物の生育も変わる。よ~くにらんで観察しましょ!
☆今日のちび庭気温:26~36℃ きょうはあちこちで提灯を下げたり家の角で迎え火を焚いたりするのを見かけました。お盆も、郷土色豊かですよね。(^_^)