金谷会員の広島現美企画展のレポートをお届けします!!
展示室に足を踏み入れ、「おっ!イヴ・クライン!」と、思ったのもつかの間、「バッシャァーン!バッリィーン!」と、ガラスが壊れる音が耳に飛び込んできました。そして、目の前にある、大きな四角い物体に私の目は釘付けに。そこには、ガラスの器のようなものが繰り返し落ちては割れる映像が映し出されていました。かと、思っているとその映像は、轟々と流れる濁流に変わっていきました。(なんだ、この四角い箱は…)と思いながら、大きな箱の周りをぐるりとまわっていると、アテンダントさんが私に、「中に、入ってみられませんか?」と声をかけてくださいました。「えッ!?」と言いながらも、『靴は脱いで…、一度に4~5人入れます』というキャプションに素直に従い、脱いだ靴を揃えている自分がいました。3~4メートル四方の箱の中は、天井と床がガラス張りで、上を向いても下を向いても、ずーーーーーーーーーっと銀色の世界が続いています。(なんか宙に浮いている感じだな。でも、こわくないぞ、こわくないぞ。)と自分に言い聞かせていたら、四方の壁に穏やかな波のようなものが映し出されました。その後、急に「バッシャーン!」が始まったのです。四隅に取り付けられたスピーカーから、容赦なく音が突き刺さってきます。ガラスの割れる映像が、時間差でそれぞれの壁に映し出されていたのですが、そのうちの一つの面が濁流に変わりました。ガラスの割れる音と、濁流の唸り声が、繰り返し繰り返し繰り返される。「こわいこわいこわいこわい!」と心でつぶやきながらも、(これは、どうなるんだろう。最後まで見届けたい。)と、いうこわいもの見たさもあり、音が止み、映像が消えて四方の壁が暗くなるまで、私は不思議な四角い箱の中にいたのでした。「はぁぁ」と息を吐きながら靴をはき、アテンダントさんにお礼を言いました。作品名は「9th room」、小谷元彦さんの作品です。
紹介が遅くなりましたが、広島市現代美術館(現美)で開かれている「SLEEPING BEAUTY(スリーピング・ビューティー)」という、「美」をテーマに、現美のコレクションを中心に紹介している展覧会に行ってきました。この展覧会を知るきっかけとなったのは、浜田市世界こども美術館に貼ってあったポスターです。白地にイヴ・クラインの青いトルソとSLEEPING BEAUTYの青い文字、(なんて美しいんだろう!)と、目がハートになりました。そして、現美で「おっ!イヴ・クライン!」と、思ったのもつかの間…「9th room」にやられました。
この展覧会のチラシやHP、会場入り口のごあいさつに「美しいものと思いがけず出逢う時、私たちはおのずと幸せな気分を味わうでしょう。(中略)さまざまな表現のうちにある『眠れる美(スリーピング・ビューティー)』は、あなたとの出会いによる目覚めを待っているのです。」とありました。現美HPの特設サイトを見ながら、「私は、どんな美に出会えるのかなぁ。どんな美を目覚めさせちゃうのかなぁ。」などと、心でつぶやいておりました。でもでも、実際に美術館に足を運んでみると、「9th room」の眠れる美って何?そもそも、私にとって「美」って何?と、Sleepinng Beautyにキスする王子になるどころか、私自身がマレフィセントに魔法をかけられてしまったようです。もしかしたらほんとうは、「あなたのうちにある『眠れる美(スリーピング・ビューティー)』は、さまざまな表現との出会いによる目覚めを待っている。」ということなのかもしれない!出会いによって目覚めるのは、自分の中のスリーピング・ビューティーなのか!?と、まるで天と地が反転してしまったかのように「?」が頭の中を駆け巡りました。
かといってこの後、頭を抱えながら作品を見たのではありません。この展覧会は、「身体性にまつわる表現をとおして現代美術における『美』の諸相を考察」するということで、「身体の断片」、「身体の動きの痕跡」等「身体」をキーワードに構成されていて、それがまた面白いのです!(全体の構成が気になる方は、HPをチェックしてみてくださいね。)そんな面白い構成の中で、「面白い!」「これ好き!」という作品に出逢うと、ひとりミニACOPが始まってました。そういえば、「こわいこわいこわいこわい!」とつぶやきながらも、「なんでこわい?」「そこからどう思う?」ということばが、実は頭をまわっていました。案外、「9th room」に心を掴まれているのかもしれませんね。
「9th room」の話ばかりになってしまいましたが、イヴ・クラインのトルソ(ブルーのヴィーナス)も、改めて見ました。ちょっと恥ずかしいのですが、私はヴィーナスのお尻があんなにも、ぷりんとしてまるいということに初めて気づきました。「もぅ、まるくてかわいい。たまらない。」と、展示ケースの周りを行き来する私のスリーピング・ビューティーには、「セクシャル」な要素も入っているようです。本展覧会には出ていませんが、「女優シリーズ」でも知られる、森村泰昌氏の作品に、私が心惹かれるのも、私の中の「セクシャル」要素が反応しているのかもしれません。
本年で開館25周年を迎えた、広島市現代美術館の「SLEEPING BEAUTY(スリーピング・ビューティー)」は、7月21日までの開催です。お近くの方、興味のある方は、ぜひ足をお運びください。あなたのうちにある「SLEEPING BEAUTY(スリーピング・ビューティー)」も、さまざまな作品との出会いによる目覚めをきっと待っていますよ!
追伸:高校生の頃から何度となく訪れている現美ですが、今回はじめて「まんが図書館」側から入りました。「めいぷるーぷバス」を降りると、素敵な階段があり、初めて見る彫刻もありと、とても得をした気分になりました(私が今まで、知らなかっただけですが…)。野外彫刻も(もちろんHIROSHIMAにちなんだ作品も)たくさん味わうことができる、とても気持ちのよいところです。ヘンリー・ムーアのアーチも、緑の中であなたを待っていますよ!さあ、現美へゴー!
(みるみる会員 金谷直美)
なんだか私も行きたくなってきましたが、会期終了が迫っているのでちょっと厳しそう・・・。金谷さんのレポートで出かけた気分を味わいましょう!!
さて、今日は光中の生徒と雪舟の「慧可断臂図」を鑑賞しました。その模様も近日中にUPしますので、お楽しみに!!
展示室に足を踏み入れ、「おっ!イヴ・クライン!」と、思ったのもつかの間、「バッシャァーン!バッリィーン!」と、ガラスが壊れる音が耳に飛び込んできました。そして、目の前にある、大きな四角い物体に私の目は釘付けに。そこには、ガラスの器のようなものが繰り返し落ちては割れる映像が映し出されていました。かと、思っているとその映像は、轟々と流れる濁流に変わっていきました。(なんだ、この四角い箱は…)と思いながら、大きな箱の周りをぐるりとまわっていると、アテンダントさんが私に、「中に、入ってみられませんか?」と声をかけてくださいました。「えッ!?」と言いながらも、『靴は脱いで…、一度に4~5人入れます』というキャプションに素直に従い、脱いだ靴を揃えている自分がいました。3~4メートル四方の箱の中は、天井と床がガラス張りで、上を向いても下を向いても、ずーーーーーーーーーっと銀色の世界が続いています。(なんか宙に浮いている感じだな。でも、こわくないぞ、こわくないぞ。)と自分に言い聞かせていたら、四方の壁に穏やかな波のようなものが映し出されました。その後、急に「バッシャーン!」が始まったのです。四隅に取り付けられたスピーカーから、容赦なく音が突き刺さってきます。ガラスの割れる映像が、時間差でそれぞれの壁に映し出されていたのですが、そのうちの一つの面が濁流に変わりました。ガラスの割れる音と、濁流の唸り声が、繰り返し繰り返し繰り返される。「こわいこわいこわいこわい!」と心でつぶやきながらも、(これは、どうなるんだろう。最後まで見届けたい。)と、いうこわいもの見たさもあり、音が止み、映像が消えて四方の壁が暗くなるまで、私は不思議な四角い箱の中にいたのでした。「はぁぁ」と息を吐きながら靴をはき、アテンダントさんにお礼を言いました。作品名は「9th room」、小谷元彦さんの作品です。
紹介が遅くなりましたが、広島市現代美術館(現美)で開かれている「SLEEPING BEAUTY(スリーピング・ビューティー)」という、「美」をテーマに、現美のコレクションを中心に紹介している展覧会に行ってきました。この展覧会を知るきっかけとなったのは、浜田市世界こども美術館に貼ってあったポスターです。白地にイヴ・クラインの青いトルソとSLEEPING BEAUTYの青い文字、(なんて美しいんだろう!)と、目がハートになりました。そして、現美で「おっ!イヴ・クライン!」と、思ったのもつかの間…「9th room」にやられました。
この展覧会のチラシやHP、会場入り口のごあいさつに「美しいものと思いがけず出逢う時、私たちはおのずと幸せな気分を味わうでしょう。(中略)さまざまな表現のうちにある『眠れる美(スリーピング・ビューティー)』は、あなたとの出会いによる目覚めを待っているのです。」とありました。現美HPの特設サイトを見ながら、「私は、どんな美に出会えるのかなぁ。どんな美を目覚めさせちゃうのかなぁ。」などと、心でつぶやいておりました。でもでも、実際に美術館に足を運んでみると、「9th room」の眠れる美って何?そもそも、私にとって「美」って何?と、Sleepinng Beautyにキスする王子になるどころか、私自身がマレフィセントに魔法をかけられてしまったようです。もしかしたらほんとうは、「あなたのうちにある『眠れる美(スリーピング・ビューティー)』は、さまざまな表現との出会いによる目覚めを待っている。」ということなのかもしれない!出会いによって目覚めるのは、自分の中のスリーピング・ビューティーなのか!?と、まるで天と地が反転してしまったかのように「?」が頭の中を駆け巡りました。
かといってこの後、頭を抱えながら作品を見たのではありません。この展覧会は、「身体性にまつわる表現をとおして現代美術における『美』の諸相を考察」するということで、「身体の断片」、「身体の動きの痕跡」等「身体」をキーワードに構成されていて、それがまた面白いのです!(全体の構成が気になる方は、HPをチェックしてみてくださいね。)そんな面白い構成の中で、「面白い!」「これ好き!」という作品に出逢うと、ひとりミニACOPが始まってました。そういえば、「こわいこわいこわいこわい!」とつぶやきながらも、「なんでこわい?」「そこからどう思う?」ということばが、実は頭をまわっていました。案外、「9th room」に心を掴まれているのかもしれませんね。
「9th room」の話ばかりになってしまいましたが、イヴ・クラインのトルソ(ブルーのヴィーナス)も、改めて見ました。ちょっと恥ずかしいのですが、私はヴィーナスのお尻があんなにも、ぷりんとしてまるいということに初めて気づきました。「もぅ、まるくてかわいい。たまらない。」と、展示ケースの周りを行き来する私のスリーピング・ビューティーには、「セクシャル」な要素も入っているようです。本展覧会には出ていませんが、「女優シリーズ」でも知られる、森村泰昌氏の作品に、私が心惹かれるのも、私の中の「セクシャル」要素が反応しているのかもしれません。
本年で開館25周年を迎えた、広島市現代美術館の「SLEEPING BEAUTY(スリーピング・ビューティー)」は、7月21日までの開催です。お近くの方、興味のある方は、ぜひ足をお運びください。あなたのうちにある「SLEEPING BEAUTY(スリーピング・ビューティー)」も、さまざまな作品との出会いによる目覚めをきっと待っていますよ!
追伸:高校生の頃から何度となく訪れている現美ですが、今回はじめて「まんが図書館」側から入りました。「めいぷるーぷバス」を降りると、素敵な階段があり、初めて見る彫刻もありと、とても得をした気分になりました(私が今まで、知らなかっただけですが…)。野外彫刻も(もちろんHIROSHIMAにちなんだ作品も)たくさん味わうことができる、とても気持ちのよいところです。ヘンリー・ムーアのアーチも、緑の中であなたを待っていますよ!さあ、現美へゴー!
(みるみる会員 金谷直美)
なんだか私も行きたくなってきましたが、会期終了が迫っているのでちょっと厳しそう・・・。金谷さんのレポートで出かけた気分を味わいましょう!!
さて、今日は光中の生徒と雪舟の「慧可断臂図」を鑑賞しました。その模様も近日中にUPしますので、お楽しみに!!