ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

画像に続いて、レポート とうちゃこ!!です。って、自転車には乗ってないか?!

2014-07-29 19:27:17 | 対話型鑑賞
「あーんべいいな、あんべいいな!」が、頭の中をループしております、みるみるの金谷です(気になる方は、検索を!)。

7月26・27日に松江市で開催された、中学校美術Q&A in 島根で、初参加&実践発表という貴重な経験をさせていただきました。関係者のみなさん、ありがとうございます!そしてお疲れ様でした!参加&発表をして、学んだことや感じたことをレポートします。

まず一日目の最初に、中学校美術ネット代表の山崎先生の基調提案を聴き、危機感を新たにしました。私自身、中学校現場を離れてしばらく経っているとはいえ、美術教育の存続に関してずい分不勉強であったなと、反省しました。…なんて、言っていても始まりませんね。

山崎先生の提案にあった「一番大切なものは、日々の授業のQuality」。この言葉は、ふと見上げた空に浮かぶ月だと思いました。月を見上げては、大切なもの「Quality」を思い出し、月明かりに照らされた道を「もう少し先まで、次の電柱まで行ってみよう」と「Action」を起こしていく、私はそんなイメージをもちました。もちろんその道は、子どもたちの幸せへとつながっていく道です。これから、バタバタと仕事に振り回されそうになった時、「一番大切なものは、日々の授業のQuality」と月を見上げてそうつぶやいたら、迷子にならずにすみそうです。

仲西先生の発表で、「(島根県)安来市の図画作品展では、子どもの思いや指導者のねらいを書いたキャプションがついている!」ということに衝撃と感銘を受け、松山から来られた木村先生の発表では、子どもの絵の変容にこれまた衝撃を受けました。私も、見えるもの(風景など)と空想の世界を組み合わせた、子どもの気持ちに火をつけるような題材で、子どもの概念をこわし、子どもたちの力をもっともっと掘り起こし自由にしていきたいと思いました。

関西国際大学の松岡先生の講演を聴きながら、実は何度も心の中で「ごめんなさい」を言いました(あぁ、○○ちゃんの透明空間を塗りつぶさせてしまったぁ…等々)。図式期の子どもの表現を理解していなかったことを反省しながらも、子どもたちのすてきな表現に、顔がにやけっぱなしでした。私も、『自分と世界が一体化し、全感覚を起動させて、あるがままからスタートし、とにかく体験して、今とプロセスに生きる子ども』を内在化させた大人を目指します!
余談ですが、松岡先生のファッションもすてきでしたよ!きっと、保育所の子どもたちにも大人気だったと思います。私は、色違いの靴下から始めてみようと思います。

さて、一日目のQ&Aは、ここまで。このあとは、懇親会でおいしいお料理とお酒でさらに親交を深めたり、みるみるチラシをお配りしたり、発表に向けてミーティングをしたりして、松江の夜は更けていったのでした。

二日目は、みるみる会員でもある上坂さんの発表でスタート!三隅中美術部と石正美術館がコラボした実践を発表しました。自分で漉いた石州和紙に、日本画を描くなんて、美術部員がうらやましい!中学校と美術館が連携し、生徒が本物に触れることや、地域資源が活用されることは、まさにQuality&Action!だと思いました。徒歩30秒の距離にある三隅中と石正美術館のコラボが、打ち上げ花火にならずに、この先もゆるりとつながりながら、ふるさと教育の面でもすてきなモデルとなるといいなと思いました。「浜田市に美術館が2つあってよかった!」そういう人が、もっと増えるようにActionを起こしていきたいですね。

さて、いよいよ房野さんと金谷による「『みるみる』って?!」の発表です。
発表前半の対話型鑑賞のルーツや教育的効果、「みるみる」立ち上げの経緯など、理論的なところは房野さんが担当し、後半の実践紹介は金谷が担当しました。

実践紹介では、県内外の美術館や大学との連携について、また実際の対話型鑑賞「慧可断臂図」の授業の様子をビデオで流したり、ワークシートの形式やみるみるの“てっぱん”作品を紹介したりしました。実は、岸田劉生と東山魁夷の作品で、ミニミニ鑑賞会をする予定でしたが、時間の関係でショートカット。けれども、進行の梶岡先生のお計らいで時間をいただき、「慧可断臂図」の授業後の生徒の読み取り文と感想は紹介することができました。ありがとうございます。

発表+質疑応答=40分の枠で39分、発表に使ってしまいました。それにもかかわらず、質疑応答の時間をとっていただきました。重ね重ね、ありがとうございます。

そんな貴重な時間での、質疑応答の主な内容です(「慧可断臂図」の授業者&みるみるの代表でもある春日さんにも答えてもらいました)。
① 鑑賞後の読み取りや感想をどのように書かせているのか?
→ワークシートの罫線の所に、1時間の鑑賞の中で、話題になっていたことや関係性などに対して、作品の「どこからそう思うか」の「どこから」を必ず書いて(根拠を明確にして)、自分の考えを書くようにさせている。対話をする際にも、「どこからそう思うか」を言うようにしているので、話すときも、読み取りを書くときも生徒は同じことをしている。感想は、読み取りを書いた後、時間があれば書くように伝えている。
書き方については、生徒が書いたものに対して、コメントを入れて返却している。そのコメントの中に、どのような見方や書き方をしたらよいか、アドバイスも入っている。それを見て、生徒は書き方について学び、次の学習に生かしている。

② ワークシートの振り返り部分のデータ分析について
→データの分析はしていない。4~1で自己評価できるようにしているが、4や3(よい・おおむねよい)に○をつけている生徒が多い。自分の意見を言えなかった生徒は、「意見を言えた」の項目で、1をつけることもあるし、1回だけでも自分の意見を言うことができ、満足している生徒は4に○をつけている。

③ 鑑賞中の情報提供について
→実践を重ねるなかでより深く作品に迫ることができるように、鑑賞者の様子やタイミングをみて情報を提供することも行っている。限られた時間の中で、あまり重要でないところで時間を使うより、必要なら情報を与え、それによってより深く考えられるほうがよいと考えている。

④ 今後のみるみるの課題は?
→・評価の仕方。
評価について、京都造芸大から講師を招き8月19日に浜田で研修会を行い、学びを深める。
    ・会員のスキルアップ
    ・小学校での取り組み(作品選び、普及活動)

 私たちの「『みるみる』って?!」の発表の後、「おもしろかった!」「ユーモラスでしたよー」「漫才みたいだった」等々、あたたかいお言葉をいただきました。
みるみるでやっていることや伝えたいことは、とてもまじめ!で地道なのですが、Q&Aに参加の皆さんが、みるみるの活動やメッセージをあたたかく受け取ってくださってうれしいです。ありがとうございました。

みるみるの次は、最後の発表者、秋田の田中先生です。「夏休みですし、秋田を紹介します」と、その後に流れてきた「あーんべいいな」の歌とすてきな画像に釘付けになりました。思わず、「そうだ、秋田行こう」とつぶやいてしまいました。
「授業の学びを展示する」という発表で「子どもたちの、ナマの思いを、見逃すな!」というのがとてもかっこよく、こころに残りました。
私も「プロセス」を見せる、伝える展示をするぞ!まずは、校内から、そして公民館や中学校に拡げていくぞー!と、ActionにつながるPowerもいただきました。

二日目の午後は、東良調査官の講演で始まりました。やるべきこと、やりたいこと、やれることの3つの視点からお話がありました。日々、あれこれと欲張ってしまいがちな私ですので、この3つの視点をしっかりもって、来学期の授業を組み立てていこうと思いました。それと、「全ての子どもたちは豊かな存在である」という言葉を付箋に書いて、PCに貼り付けたということは、私だけの秘密です。

さてさて、超ロングバージョンなレポートにお付き合いいただき、ありがとうございます!Q&Aでは、この後アクション会議が開かれ、話し合いの後、参加者が一人一枚ずつ「アクション宣言」も書きました。その様子や内容は、中学校美術ネットでチェックしてくださいね。
そうそう、アクション会議の中で登場した「いいね!」シールは、ほんとにいいですよ!私も、これから作る気満々です。

中学校美術教育Q&Aに参加することができて、多くの学びとともに、あたたかな人とのつながりを得ることができました。運営メンバーの皆さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。そしてこれからも、すてきな未来をつくっていけるよう、よろしくお願いします!
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中学校美術Q&Aに参加しました!!

2014-07-29 17:49:01 | 対話型鑑賞
中学校美術Q&Aに参加しました!!


中学校美術Q&Aが島根県松江市で26日27日の両日行われました。
北は北海道から南は山口、愛媛と日本全国から島根の地の集ってくださいました。

交通のアクセスが悪く、航空機も日曜日だと最終の東京行は予約で早くから満席ということで、大会終了時には参加者もまばらになってはしまいましたが、アクション会議は盛り上がり、2学期からの実践に元気の出る終末となりました!!

遠方よりお越しの皆様、ほんとうにありがとうございました!!

また、Q&Aでお会いしましょう!!

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