ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

1月26日のお天気

2013-01-28 21:16:32 | 対話型鑑賞
1月26日のお天気


まだまだこのブログのプログラムをうまく使いこなせていません。一昨日の東西に長い島根県のお天気の変化を海の光景とともにお伝えしたいと思っていたのに、画像がうまくUPできず、大きな1枚の画像のみとなってしまいましたが、今日は、ひょんなことから、うまくいきそうで、若干のタイムラグをお許しいただいて、美しい日本海の、荒れた波間をご覧ください。そして、夜になって雪化粧をした出雲の街並みも併せてご覧ください。


さて、今日は、勤務する学校の校区にある幼稚園に対話型鑑賞に出かけました。

2011年から京都造形芸術大学で開催されたVTSJのセミナーを受講した私は、様々な年齢層を対象に対話型鑑賞を実践し、スキルアップしたいと考えるようになりました。それは、VTSがアメリカのキンダーガーデン(幼稚園)で実践されているVTRを見せられたのにも一因があります。アメリカの幼稚園の子どもにできるのなら、日本の幼稚園の子どもにもできるはずだと考えたのです。実際、京都造形芸術大学教授の福のり子氏は実践の経験がおありで、「できるよ。」とおっしゃられたので、「できる!!」を自分のものにしたくて、やらせてくれる幼稚園を探していました。以前の勤務校の校長先生がご退職なさって、幼稚園の園長先生をされていると聞いて、まず、その幼稚園で実践させていただくことにしました。この幼稚園ではすでに4回実践させていただいています。そして、この活動の有意義さを本校の校長に報告したところ、校区の幼稚園でも実践するようにと働きかけてくださり、新たにもう1園で実践することが可能になりました。

先に実践していた幼稚園での作品を後から実践することになった幼稚園でも使っています。同じ作品で実践することで、違いや共通項を明らかにすることができるのではないかと考えたからです。園児ですので、作品の選定はかなり悩みましたが、4作品の実践を終えて、なかなか良い作品を選んで実践できているのではないかと、まさに自画自賛するところです。

前置きが長くなりましたが、今日は、ピカソの「ハトを抱く子ども」という作品で行いました。

この作品は、画面の中央に白いドレスを着た少女が両手でハトを抱いて立ってるという絵です。少女の左下にビーチボールのようなボールがあり、画面の上下は真ん中あたりで塗り分けられています。上面は暗青色塗られ、下半分は黄土色で塗られています。上面の暗青色の左上面には赤色、右半分には黄色のような色が塗り重ねられています。この作品をみて、園児の発言は実に様々でした。

「女の子なのに髪が短い」とか「お家にいるのにドレスを着ている」とか「壁に英語で字が書いていある」などです。(上背面の青いところにピカソのサインが入っています。)また、「家の中なのに靴を履いている」と言うのも出ました。そこで、「どうしてお家の中なのに靴を履いていると思う?」と訊ねると「上履き」「まだ、靴の裏がきれい。新品だから。」とか「靴の絵の柄のスリッパ」「靴の絵のソックスを履いている」など、大人では考えもつかないようなことではあるけれど、(だって、大人は、外国では靴のまま、家に入ることを常識として知っている。)子どもなりに、子どもの知ってることの範囲で、理屈の通るような考えを導き出すことができることに感心するばかりです。実際に、担任の先生も感心しておられました。
そうして、この幼稚園では2回目の実践でしたが、1回目に見た作品を、1か月以上前になるのですが、ほとんどの子どもが覚えていたこと、また、1回目の時に、この鑑賞のやり方がわかったのか、2回目の今日は、前回よりも発言がずっと多かったことが挙げられます。2回目でのこの進歩ですから、3回目以降がとても楽しみだと、担任の先生もおっしゃってくださいました。小学校に上がるまでのあと2か月で、子どもたちの「言語力」あるいは「表現力」を伸ばす一助になれたらと思いながら今日の実践を終えました。
担任の先生からの記録もいただけるので、成長過程を検証できればと思うところです。

ちなみに1作品目は小倉遊亀の「径」を鑑賞しています。

さて、次回は、昨日評価した3年生の慧可断臂図のワークシートから新たな発見があったので、それをお伝えできればと思っています。
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