CubとSRと

ただの日記

30年ぶり

2019年10月08日 | バイク 車 ツーリング
 昨晩、不意に思いついたカブ散歩。 
 夕方、三時半を回って、箕谷(みのたに)近辺から有馬街道の旧道を通って谷上(たにがみ)のドラッグストアーへ、というコース。 
 正確には三十一年前か、原付に乗り始めておっかなびっくりながら色んな所を走り回った。
 箕谷近辺まで行ったのは乗り始めて二週間くらいの頃だったか。
 勿論、その頃はドラッグストアーなんてものはなかったけど、小部峠から箕谷を通って谷上までの道は記憶に残るきれいな道だった。
 NS50Fで東灘から長田区に入り、初めて有馬街道を北上した時、この辺りはまだ旧道しかなくって鈴蘭台近辺を過ぎ、小部峠を越えると、急に交通量も減って、一気に山深いというか、谷底みたいな道になる。
 左手の谷底には川が流れているらしいのだが、深くて川面は見えない。
 そんな狭い谷底に突然トタン板で覆った、藁ぶき(らしい)屋根の農家らしい建物が見えたりする。「森閑」という言葉が似合いそうな景色。
 それ以来、何度も通った道の筈なのだが、カブで通った記憶がない。それで買い物ついでに通ることに決めて、初めて通った時のことを思い出してみた。
 急流の両側に迫った急峻な山肌に張り付くようにして有馬街道がある。
 峠を越えると今度は緩やかながらやはり山間を有馬への道が続く。
 狭隘路だけれど交通量の多いところだから、何とかして拡幅しなければならない。
 途切れ途切れにバイパスを作る。バイパスが本道になり、旧道は側道みたいになる。
 普通はそれを「生活道路」と言うんだろうけど、何しろ山の中だ、生活そのものがほぼ「ない」。
 当然寂れ果てていく。
 カブだから上体は前傾しないで、ほぼまっすぐ。辺りの景色はよく見える。速度も40キロ程度。
 
 今でも三十年前の面影は、あった。あの茅葺らしい家も当時のままに、在った。
 ただ当時とは違って、いや、当時以上にクルマが通らない。交通量はほぼゼロ。
 道路に迫る山の斜面からは当時以上に木々が枝を延ばして、道を覆うようにしている。
 その緑が妙にくすんでいる。それでだろうか、何だか景色がぼやけて見える。
 おそらく土埃のせいだろう。
 どっちの道が楽しいのだろう。きれいに整備された幹線道路と、こうやって朽ち果てていくような道と。



  
コメント
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